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オフワンスペシャルインタビュー
DTX 2011

オフワンスペシャルインタビュー Vol.5(後編)


オートスタッフ末広のオリジナルバイク"GLUGLU"のデモンストレーション走行を無事に終えたダンディ加川。ダート路面で大排気量車をスライドさせるという未経験の走りをクリアしたように、彼は走り込みを重ねるごとにスキルアップしていく。ダートトラックにツッ込み続ける彼の人生は、意外なことからさらに本格化していった。


10tダンプ160台分の砂
作るからにはキチンとね


20080830_3902 趣味と仕事を同時にこなせる好環境、セーフティパーク埼玉が倒産したため、"オケガワ"の仕事はもちろん走る場所も無くしてしまった加川さん。そんなある日"GLUGLU"の発表会で知り合った吉澤さん(モトショップ五郎、GAMES主宰)の誘いで、イベントでのデモンストレーションという仕事を受けはじめた。

アスファルト路面を時速140kmからバイクをフルバンクさせ、前後輪を滑らせながらコーナーをクリアする......今ではおなじみのパフォーマンスですが、どんなキッカケでできるようになったんですか。
「できるようになったキッカケは"ヤル"と決めて走りはじめたとき。路面がダートでなくアスファルトってことと、進入スピードがダートより速いってだけで、バイクの動きは基本的に同じなので。バイクを倒してキッカケを与えればタイヤが滑りだすんです。バイクが横を向くと同時に制動がかかって、コーナーを脱出できます。言葉で説明すると簡単だけど、毎日バイクに乗って、さらにダートを走って身につけた感覚が必要です」

"GLUGLU850"発表会のときはリハーサル無しだったんですよね。普段乗っていたFTRの3倍以上の排気量じゃないですか。
「そうですね。大排気量車のスライドなんてやったこと無かったから、どんな乗り心地かわからなくて少し不安だった。当然、車重もFTRより重いしね。だけど特別なことはしてません。いつも通りに走って、バイクのクセを感じながら修正しただけですよ」

20080830_3888 20080830_3889

それ以降は様々なイベントでスライディングを見せてもらいました。アスファルト路面を高速でスライドしているときって何に気をつけるものですか。
「身体が覚えているので、とくに意識していることは無いです。あえてダートとの違いを説明するなら、バンク角が違います。アスファルトの方がグリップが良いので、大きく寝かさないとバイクはスライドしません。これは普段から若い子たちに言っていることですが、スロットルを中途半端に開けたり、バンク角が足りなかったりするとハイサイドで転びます。キッチリ開けて、適切なバンク角で走る。その感覚を身体が覚えれば誰でもスライドできます」

"オケガワ"が無くなって、練習する場所に困ったんじゃないですか。
「当時はイロイロな施設や場所を探したけど、良い場所は無かったですね。仕事仲間や知り合いから聞いてイロイロ行ってみたけど、どこも"ダートトラック"を作ると言っても「?」という反応で、協力してはもらえなかった。だからココ(加川ダートオーバル)が見つかったときは嬉しかったですよ」

最初は整地されていない更地だったんですよね。
「いえいえ、森でした。森(笑)。木が生い茂ってるから昼間でも暗いの。それでもココ一帯の所有者が『有効に使ってくれるなら好きにイジっていいよ』と言ってくれたので、その日から森の伐採をはじめました。もちろん業者を入れて整地もして、ダートトラックに適した砂を買って敷いたんです。10tダンプが160台分ですよ。総工費700万円くらいかかりました。

貯金があったんですか?
もちろんありません。借金して作りました。ありがたいことにS.K.Y.の社長をはじめ多くの方から協力していただいて、私の返済額はかなり少なくなりました。それでもしばらくは返し続けますけどね」

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人生をダートトラックにツッ込んでる感じじゃないですか。
「何をやるにもリスクってあるじゃないですか。他のものは何も持っていないけど、私にはダートトラックがある。楽しいですよ。好きだったらヤルしかないものね(笑)」

今年はポールポジションをとったり、レース(ダートトラック選手権)も好調ですね。やはりココでの練習の成果ですか?
「それもありますけど、今年はバイクが違うからでしょう。新車という意味じゃありません。今年はバイクのケアをスポンサーであるナップスさんが担当してくれるので、常に良い状態で走れるんです。走り終わってコメントしたらスグにセッティング変更してくれる。メカニック3人体制だから作業が早いんですよ。今まで無かったですね、こんな良い状態。今までは少しセッティング外してても、そのまま走ったりしてましたから(笑)」

そんなダンディ加川を見て"レースで速いのは、いつでも走れる自分専用のコースを持っているからだ"とか"メカニックがいるから無条件に有利だ"といった間違った感情を持つ人も多いかもしれない。しかし、生活のすべてをダートトラックに注ぎ込み、腕を上げ、借金を背負い、日々コツコツとコースを管理する......そんな取り組みを継続的に行うダンディ加川。それだけのリスクを払うからこそ巡ってきた今年のチャンスなのだ。それと同じ条件で走りたければ同じリスクを張れば良い。
「それなりに本気で取り組んできたダートトラックだから、そろそろ結果を残さないとね。今年は条件が揃っていると思うんです。勝負だな、と思ってますよ」


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加川ダートオーバル

栃木県宇都宮市篠井町前山1804
ヒーローしのいサーキット内

営業日:水曜日、土曜日、日曜日、祝日
時間:9時~12時、13時~17時
走行料金:全日=4000円、半日=3000円




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