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オフワンスペシャルインタビュー
DTX 2011

オフワンスペシャルインタビュー Vol.6(後編)


ヘンリーさん直伝の技で伝える
"アメリカっぽいカッコ良さ"

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スケートボードやサーフィンに熱中した10代を経て、アメリカ文化の魅力に興味を持ち続けた鈴木青年は、会社勤めをしながらモトクロスに精を出し"アメリカのカッコ良さって何だろう?"と考える日々が続いた。
そんな鈴木さんがプロのサイン・ペインターになる決意をしたのは約18年前の30歳のとき。雑誌で見たヘンリー加藤さんの描く文字を模写をしながら、個人的修行を続けている時期だった。それはトロイ・リーによるエアブラシを用いた先鋭的なカスタムペイントが日本でも一般的に知られはじめた頃で、有名工房が一部にあるくらいの"国内のペイント業界"は、まだ黎明期という段階だった。当然、筆で文字を描くサイン・ペイントのことを知る人も少なかった。


デビューが30歳というのは遅いですね。
「いまひとつ自信が無かったんだ。どうすればなれるのかわからなかったし。先にプロになった人が日本にいなかったから。でも、どうしても職業としてやりたくなったんだよね。筆で描く良さとか、本当にアメリカっぽいものを表現したかった。当時のバイクシーンにあったアメリカっぽいデザインやペイントって、みんな同じ感じでアメリカっぽさの一部分しか出てないように見えたんだよ。だからオレが写真や雑誌で見て"いいな"と思ったアメリカの雰囲気を伝えたかったのかもね」

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アメリカでは昔からあるのかもしれませんが、当時の日本では他のペインターの方はやっていなかったんですよね。ある意味で新しいジャンルじゃないですか。
「うん。でも、みんなが知ってれば通用するけど、みんなが知らないことだから難しかったよね。それまで描きためた作品をファイルにまとめてバイク雑誌の編集部を回ったけど、見向きもされなかったよ。それで作戦を変えて全日本モトクロスの選手にサポートすることにしたんだ。シーズン終了したら個展を開くために回収することを条件に、IAの選手のヘルメットを何人分も塗ったわけ。それでシーズンオフに東京都杉並区のギャラリーで展示をやったら、業界ではひとりだけライディングスポーツ誌の編集者が来てくれたの。その編集者を通して石橋さん(ジャーナリストの石橋知也さん)と知り合って、イベントレースの『バトル・オブ・ザ・ツイン』に出張する機会をもらえたんだ。"筆で字を描くペインターが日本にもいたんだ"って面白がってくれて、イベント主催会社に紹介してくれて。うれしかったな。そういったことをキッカケにバイク雑誌に取り上げてもらう機会も増えたし」

サイン・ペインターを目指すキッカケになった人がいるんですよね。
「ヘンリー加藤さん。ペインターとして憧れてた。バイク雑誌に載っていた記事でヘンリーさんのことを知ってから、数少ない資料を見本にサイン・ペイントの練習をはじめたんだ。オールドスクールでカッコ良いヘンリーさんの文字を必死でマネたよ。だから'95年のデイトナではじめて会ったときは感激だった。バイクウイーク2週間のうち、1週間はヘンリーさんにハリ着いてたもの」

レース観ないで、ですか。
「ほとんど観てない。観戦に行ったんじゃなくてヘンリーさんに会いに行ったんだから。なぜデイトナへ行ったかというと、デイトナってAMAのキックオフ(開幕戦)でしょ。スポンサーの名前や、ニューカラーになったカウルやトラックにロゴを入れる仕事がパドックで見れると聞いたからなんだ。最初、ガチガチのカタコト英語で挨拶したら、日本語で"ボクのこと知ってるの?"って言うんだもん。ズッコケたよね。それで"勉強したいから、となりで見てていいですか"って頼んだらオッケーしてくれたんだ。それに空き時間には筆使いの技術的なことも教えてくれた。はじめて会った日本人のオレにすごく親切にしてくれて、本当に感謝してる」

筆使いってそんなに違うものですか。
「うん。それまでの日本の常識的には、太い書体の数字の角といった鋭角的なベタ部分ってマスキングして塗るものだったけど、ヘンリーさんに教わった筆使いならマスキングしなくても"角"が出せるんだ。それはテクニックの一部だけど、他にもイロイロ教わったよ。それこそ看板からゼッケンを描く技術まで」

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ところで、ビンテージ・モトクロスには以前から参加してるんですね。
「最初はストリートバイカーズ誌の企画でXL230のカスタムをやっていて、その流れで出場したのが最初。そのときのXLは今でも通勤に使ってるし、乗っていて楽しいよ。今はモトモト誌で展開してるモンキーで耐久に出場してるので、何かしらでずっと出場してることになるかな。現在製作中のバイクが3台あって、その中の一台、スズキRM125を完全に仕上げて出場したいんだ」

A.C.T.S.(空冷エンジン、2本サス)ユニオンの開催するビンテージ・モトクロスには様々なクラスがあって楽しそうですね。
「そうなんだ。最初にモトクロスに興味を持った18歳の時代のアメリカMXシーンに近づけるような気分になれるところが楽しいね。今は完成に一番近いRMで出たいんだ。でも、若いときはパンチのある2ストロークエンジンが好きだったけど、今は身体のリズム的に4ストロークエンジンが合っているような気がする。そこが悩ましいね。他に作ってるXRの完成を急いだ方がイイのかもね」

やはりビンテージ・モトクロスに出るのは"アメリカ的カッコ良さ"の要素が入ってるからですか。
「入ってるかもしれないけど、そこまで考えてない。ビンテージ・モトクロスは仕事的な意識よりも、ただ好きだから出てる。さっきから言ってる"アメリカっぽいカッコ良さ"って、サイン・ペイントにもある"昔から変わらない良さ"だと思うんだ。それはビンテージ・モトクロスに限らず、いくつかのオレの仕事の中でこれからも表現できると思ってるんだけどね」

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20080930_4251 Petty Painter's PARADISE
東京都武蔵村山市三ツ藤3-14-5
TEL 0425-60-5531

近々、HP開設予定






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