全日本モトクロス選手権は、第8戦関東大会を10月7日(土)8日(日)に終え、10月21日(土)22日(日)に宮城県のスポーツランドSUGOで開催される最終戦を残すのみとなった。

2016年チャンピオンの成田亮(Team HRC)は、開幕戦のヒート1を優勝で飾り、ヒート2も2位と幸先の良いシーズンを踏み出したが、それ以降勝利から遠ざかっている。

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決勝スタート前に集中力を高める成田亮

 

これまで国際A級クラスで11度のチャンピオンを獲得し、国際A級クラスでの勝利数も開幕戦での勝利で149勝と伸ばし、毎レースごとに150勝を待ち望まれていた成田亮ではあるが、今シーズンはチームメイトの山本鯨とカワサキTeam GREENの小方誠の調子が良く、このふたりがここまでの16ヒートを7勝づつと五分の闘いを展開している。

同じTeam HRCに所属する山本鯨は、前年までの3年間のモトクロス世界選手権での武者修行を終え、今シーズンから全日本モトクロス選手権に復帰をした。その速さは目を見張るものがあり、成田亮も相当のプレッシャーを感じる場面もあったように思われる。

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#400山本鯨を押さえ込む#1成田亮

 

また今年からカワサキTeam GREEN所属となったかつてのチームメイト小川誠も今季は絶好調の走りを見せ、第3戦のヒート1から第5戦のヒート1まで5連勝を飾るなど波に乗っている。

そのようなシーズンの展開のなかで、成田亮は第7戦の予選2ラップ目にクラッシュをし肩を負傷してしまう。

第7戦の決勝では、ヒート1はオープニングラップを3位で通過し序盤はトップ争いを展開するが、肩の負傷の影響から徐々にペースを落とし12位でのフィニッシュとなる。ヒート2は次のラウンドを考慮し出走をキャンセルする。

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続く第8戦でも序盤はトップ争いを展開するも徐々に順位を落とす展開となり、ヒート1は6位、ヒート2では10位という順位でゴールを迎えた。

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第8戦を取材したOff1.jp編集部の記者は、かつて成田亮のレースを間近に見た時にその精密な走りに驚きを感じたことを思い起こした。

オフロードヴィレッジのマツケンコーナーから立ち上がり、いくつかのジャンプを越えながらのストレートがあるのだが、その着地地点が毎ラップ、ピタリと同じ位置だったのである。

その誤差はおそらく10~15cm程度というもの。30cmの誤差は絶対に無いという正確なものであった。

他の選手も確認したが、そこまで毎ラップ毎ラップ正確に走り続けている選手は皆無であった。

刻々とコースの状況も変化する決勝レースの中で、最も速く走れるラインを正確に走り続けていた成田亮は、その時、明らかに他の選手よりも頭ひとつ抜け出た走りをしていた。

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その成田亮が今シーズンは1勝しかできていない。1980年5月生まれの成田亮も今年で37歳。引退の言葉が囁かれてもおかしくはない年齢に達している。

ライバルの若い世代のライダー達の追い上げ、怪我、様々な要因はあるのであろうが、150勝を目前にして勝利から遠ざかるチャンピオン成田亮の背中に今回のレースでは寂寥を感じた。

成田亮の150勝をいまかいまかと待ちわびた多くのファンも同様のことを感じたことであろう。

最終戦は青森出身の成田亮にとっては地元とも言えるスポーツランドSUGOでのレース。今シーズンの最後のレースを優勝で飾り、150勝の喜びをファンと共に分かちあってもらいたい。

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写真はいずれも2017年全日本モトクロス選手権第8戦
撮影:Off1.jp編集部 原野英一郎