ダカール・ラリー2019は結局、多くの優勝経験ライダーを抱えた無敵艦隊KTMのT・プライスが勝利を収め、18連覇を成し遂げる形で終わった。2017年、2018年と惜しくも優勝を逃していたHondaも2019大会に向けて体制を強化して挑んでいたが、不運が重なった結果に。また、市販マシンをベースにしながら健闘したYAMAHA、安定した強さを見せたHUSQVARNAなど、今年のダカールをまとめてみた。

チャンピオン3人を抱えるKTM、T・プライスが骨折を乗り越えての優勝

画像1: Photo by Marcin Kin

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18連覇を目指すKTMの布陣はまさに最強。昨年のチャンピオンM・ウォークナーに、2017年チャンピオンのS・サンダーランド、そして2016年チャンピオンのT・プライス。前半戦こそ、上位を他メーカーに譲り、淡々とレースを進めていたように見えたKTMだが、終わってみればトップ3はKTM。まさに、恐るべきチーム力と言える。

画像: Marcelo Maragni/Red Bull Content Pool

Marcelo Maragni/Red Bull Content Pool

優勝したプライスはダカールの直前に手首を骨折しており、大きなリスクと痛みを乗り越えての勝利。ステージ優勝の数で見ると、ウォークナーとサンダーランドが2回ずつ、そして優勝したT・プライスなどは最終日のStage10でしかステージ優勝をしていない。それほど、ダカールは1日のトップタイムよりも、トラブルを回避し、大きく落とさず、コンスタントな成績を出すことが制覇へのカギを握るということなのか。

画像: Flavien Duhamel/Red Bull Content Pool

Flavien Duhamel/Red Bull Content Pool

そしてもちろん、これは言うほど容易いことではなく、長年ダカールに参戦を続けてきたKTMの豊かな経験値と、強力なサポート体制が可能にしているのだろう。

画像2: Photo by Marcin Kin

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ちなみにKTM FACTORY RACING TEAMからは女性ライダーとしてL・サンツが参戦しており、なんと男性陣に混じって総合11位という驚異の成績を残している。ご存じサンツは1985年生まれのスペイン人で、トライアルとエンデューロのウイメンズレースで何度も世界を制している、まさにオフロードバイク界の女王。

ちなみに今回優勝したT・プライスは、レース中にサンツと「サンツが総合で15位以内に入れたら髪を剃る」という賭けをしており、その結果がコチラ。

Honda勢の戦力が削がれていった

対して、ホンダ勢は活躍めざましいライダーが目立つ。そして、それが日に日に削がれていくのだった…。

1.見えない崖(ステージ3/J・バレダ)

画像1: Honda勢の戦力が削がれていった

Hondaのエース、J・バレダはStage1でステージ優勝を飾り、Stage2でも3位につけ、ダカールをリードしていた。しかしStage3では霧に視界を遮られ、ロードブックとGPSを頼りに走っていたが、ルートミスからの崖落ちを喫してしまう。KTMのM・ウォークナーらも同じ崖にたどり着いていたが、バレダが落ちているのを見て引き返すことができたという。

バレダはここから脱出することができず、無念のリタイヤとなった。

2.ベテラン、まさかのクラッシュ(ステージ5/P・ゴンサルベス)

画像2: Honda勢の戦力が削がれていった

Stage4ではR・ブラベックがトップタイムを叩き出し、総合でもトップに立ち、Hondaファンが今年こそは!という思いで見守る中、さらにチームを不幸が襲う。マラソンステージ2日目のStage5で、バレダに続く実力者で優勝を狙えるライダーでもあったP・ゴンサルベスがクラッシュし、手首を骨折。戦線を離脱することに。

3.まさかのエンジンブロー(ステージ8/R・ブラベック)

画像3: Honda勢の戦力が削がれていった

チームの主力が次々と脱落していく中、R・ブラベックは大きなトラブルもなく、Stage7終了時でトップに立っていた。アメリカンがトップを牽くことは異例で、これまでの戦歴から言ってもブラベックの覚醒にHondaファンは大きく沸き立った。しかしStage8でもHondaチームを試練が襲う。ブラベックのマシンがエンジントラブルで停止、リタイヤとなってしまったのだ。

4.ルール見解の相違が、2019年にも…(ステージ8/K・ベナバイズ)

画像4: Honda勢の戦力が削がれていった

さらにはStage6終了時点で4位につけていたK・ベナバイズはナビゲーションシステムに問題を抱えていたが、Stage8で大会側から3時間のペナルティーを課せられてしまう。これは「公式のロードブック以外のメモなどを携帯してはならない」という今年から追加された新ルールに該当したとのこと。Honda陣営はこの裁定に対し、異議を申し立てている。

最後まで大きなトラブルなく走りきったHRC新メンバーのJ・コルネホが最後まで攻め続け、Stage10で2位に入るタイムを出し、総合7位で今年のダカールを終えたのだった。

最後まで優勝を争ったキンタニーラ率いるハスクバーナ

昨年と同じP・キンタニーラ、A・ショートというメンバーで挑んだハスクバーナはStage6でキンタニーラが一時トップに立った。Stage9終了時点でキンタニーラは総合2位につけており、KTMのプライスのタイム差はわずか1分2秒。

画像: 最後まで優勝を争ったキンタニーラ率いるハスクバーナ

当然、逆転優勝を目指して気合が入るキンタニーラだが、大きな砂丘を発見するのが遅れ、大ジャンプからの落下。たまたますぐに駆けつけた医療スタッフの助けを借り、再スタートを切ったが、ダメージは大きく、Stage10を3位という成績で終えた。

また、昨年からダカールに参戦、今年が2回目の挑戦となるA・ショートは昨年の17位から大きく飛躍し、総合5位に入った。

ビバレン無念のエンジントラブル、ヤマハは8位

ヤマハは、A・ビバレンとX・ソルトレイトの2名がトップ10の中で他メーカーとの争いを続けていた。ソルトレイトはStage3でトップタイムを叩き出していたし、ビバレンに至ってはStage7終了時点でブラベックに次いで総合2位に立っていた。

画像: ビバレン無念のエンジントラブル、ヤマハは8位

しかしStage9ではビバレンのマシンがエンジントラブルでリタイヤ。ソルトレイトも追い上げてくるKTM艦隊を躱しきれず、総合8位という結果でダカールを終えた。

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