テーパーハンドルの内径にさらにテーパーをかけたことで、独特の柔軟性を持たせたISAの内外テーパーバー"TAKE YOUR MARKS"。そのテーパー角は今まで2.5、3.0と2種類がチョイスできたのだが3.5が登場。早速Off1で実走レビューだ

画像: がっちりした剛性感でライントレース力に差、ISA内外テーパーバーに上級者向け"3.5"がデビュー

ISA

TAKE YOUR MARKS 3.5
KTMベンド

画像: 持ち手の部分の内側が、端にむかってテーパーになっている(写真は2.5)

持ち手の部分の内側が、端にむかってテーパーになっている(写真は2.5)

こんなに違うとは思わなかった!

「テーパー角の違いで柔軟性に違いがあるからといって、自分にその差が理解できるとは思えなかったんだけど、実際に乗ってみると明らかに違う。正直、こんなに違うとは思わなかった!」とテスターの池田智泰は興奮気味に言った。

圧倒的な高精度を武器に世界を席巻するスプロケットメーカーISAがハンドルをリリースして早2年が経とうとしている。通常テーバーバーと言えばハンドルバーの外形がマウント部分のみ太くなっているタイプのことを言う。オフロードバイクのハンドルバーは、黎明期にハンドルの強度を補うためのハンドルブレースが考案された。ハンドルブレースのあとは適度なしなりを求めてテーパーバーに進化したわけだが、TAKE YOUR MARKSはさらにしなる特性を自在にコントロールすべく、ハンドルパイプの内側をテーパーに仕立てたのである。

このテーパー角が深い2.5、浅い3.0が当初リリースされ、特に2.5は振動が軽減されるなどの理由で幅広いライダーに好まれている。エンデューロ競技では疲れづらいと評価が高く、トレールバイクでもツーリングに最適だと好評だ。だが、一方で通常のテーパーバーよりもしなる特性を持つがために、路面のインフォメーションが伝わりづらく、モトクロスの上級者には向かない側面があった。そこでさらに浅い3.5を追加ラインナップしたというわけだ。

今回テストしたのは福島県のモトスポーツランドしどき。ハイスピードな走行が楽しめるわりには難易度が低う初心者向け。さらにはサンド質なのにハンドルがとられづらく走っていて爽快だと人気である。

画像1: こんなに違うとは思わなかった!

池田は続ける。

「最初は上級者向けだと聞いていたし、自分は2.5の剛性弱めの方が感触いいんだろうなと思っていたよ(編注:池田は2009年の全日本エンデューロ選手権チャンピオンで、ブランクはあるものの歴としたベテラン上級者である)。だいたいフレームとかハンドルクランプなんかも、柔らかめのほうがライディングの好み的にマッチする傾向があるし、過去にPHDS(編注:ハンドルマウントにゴムブッシュをかませるパーツ)も気に入って使っていたからね。

2.5のしなるハンドルは、路面のインフォメーションをいなしてしまうのかと思い込んでいたんだけれど、実際に乗ってみるとそういう印象はなかった。嫌な感触は全くしないし、当初は普通のバイクはこんなもんだろうと思って乗っていたんだけど、3.5に変えて乗ってみると明らかに路面から受けるインフォメーション量が違うのに驚いたよ。

最初はどう違うのか判断がなかなかつかなかった。実は2.5のしなるハンドルのほうが路面のインフォメーションは多いんじゃないかな、と思ったほどなんだ。乗り込んでいくと、だんだんわかってきたんだけど、そのインフォメーション自体が2.5のほうは雑味がだいぶ混じっている感じなんだよ。3.5は雑味がすっと消えて的確にインフォメーションをつかめることがわかる。

画像2: こんなに違うとは思わなかった!

乗り込むほどに3.5はライントレースがしやすいことに気づいたんだ。2.5のほうがラインを外すというわけではないんだけど、3.5のほうが寸分違わず正確にラインをトレースしてるようなイメージだ。ビタッとマシンをコントロールできてると思えるんだよ。たとえばワダチのリップ数センチ下にフロントを這わせたい、そんなところも迷わず入っていける感覚がある。2.5でもそのラインに入っていけないわけじゃないんだけど、ライダー側も迷いながら操作してるような感じ。だからハンドルを変えたことでタイムが変わるなんてことにはならないと思うけど、どっちのハンドルを選ぶ? って言われたら迷わず3.5を選ぶと思うね」

初級者、ジャンキー稲垣も3.5を選ぶ

さて、元全日本エンデューロチャンピオンにとっては3.5のほうがいいのだろうが、そもそも筆者ジャンキー稲垣はこのTAKE YOUR MARKSの2.5愛用者である。2年前ほどにKTM125SXに装着してみると、細かなギャップを拾わないことで開けやすくなる実感があって、即採用した。しどきに似ている、サンド質の富津SSでテストしたのでおそらく自分にとっては2.5のほうがマッチするはずだと思っていた。

僕は今のところ、モトクロスヴィレッジなどで開催される関東の草レース「ヒーローズモトクロス」で最下級のノービスクラスを楽しんでいて、順位は真ん中より下のほうが多いくらい。つい最近モトクロスビレッジで1分1秒を切って喜んでいる、まごうことなきサンデービギナーライダーだ。間違っても中級クラスのレースには、まだまだチャレンジできないと思っている。

画像: 2.5でヒーローズに参戦する筆者。これまで2.5はお気に入りだったけど、これからは3.5で走ろうと思う

2.5でヒーローズに参戦する筆者。これまで2.5はお気に入りだったけど、これからは3.5で走ろうと思う

ところが3.5のハンドルに変えてみると、池田の言うとおりだった。池田のコメントにひとつ僕が補足するとするなら、どういうことか3.5のほうが太いハンドルを握っているような感触があったことだ。2.5はちょっと頼りない感じで、3.5は頼りがいがある。この頼りがいある感じが、池田のコメントにもあるライントレースのしやすさに繋がっているのではないか、と思った。それと2.5のほうがモトクロスほどギャップが続くような路面だと、ハンドル自体のしなりがギャップで受けるしなりを増幅しているような感じがして、どのギャップの感触なのかつかみづらい。池田の言う雑味は、そんなところなんじゃないだろうか。筆者と池田が話あって出した結論は「レベルに関わらず、モトクロスなら3.5がおすすめ」ということだった。

ただ、2年にわたって2.5を使ってきた僕から言わせてもらえば、2.5の柔らかな剛性感がフィールドや使用用途によって圧倒的に強い武器になるのは間違いないだろうと思う。細かいギャップのコツコツ感を逃がしたいクロスカントリーや、林道では、絶対的に2.5がコンフォートだ。非常に操作系統のフィーリングにシビアなトライアルスーパーIAの藤原慎也もセクションでハンドルから返ってくる反動をうまく使いやすいし、ハンドル自体が丈夫で曲がりづらく、両端が軽く感じるとのことからトライアルバイク、エンデューロバイクに2.5を使っているとのことだった。

ISAの代表である伊佐氏は「どちらが優れているというよりは、好みだと思います。モトクロスIAでも2.5を好むライダーもいるくらいですから」とのこと。これまで、ハンドル自体の剛性はあくまでハンドルメーカーが作り込んできたものをユーザーが選ぶのが通例だったが、ISAでは3タイプの剛性を選ぶことができるようになったということだ。

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