15年前に鮮烈なデビューを果たしたハイエース200系。使い古された車体のフルモデルチェンジは、もはや時間の問題とも言えるところ。報道機関などからも、数年前から確定的な情報がリリースされてきている。今回は、Off1.jp独自の予想記事を届けしよう。

※写真は、200系ハイエース特別仕様車

ハイエースは、トヨタグループ内で移管
グローバル戦略車「エース」としての登場

まず、直近のニュースから。

2018年11月28日付けで、トヨタはバン事業を一気通貫でトヨタ車体へ移管することを発表。

2016年4月には、トヨタ自動車において、組織を製品群ごとに小括り化し、企画・開発・生産を一気通貫で担当する「カンパニー制」が施行され、その内の1つとして、バンやフレーム系SUV*2を担当するCV Companyが発足しました。トヨタ車体は、CV Companyの一員として、開発・生産業務を引き続き担うとともに、トヨタ自動車と一体となって「仕事の進め方変革」や「もっといいクルマづくり」に取り組んできました。
さらに2018年1月には、バン事業において、新たに企画業務もトヨタ車体で行うこととし、バン系車種の企画・開発・生産を一気通貫で行う枠組みとなりました。
https://newsroom.toyota.co.jp/jp/corporate/25546139.html より

すでに、2016年にハイエースの新型についての大枠は、日刊自動車新聞で既報。

トヨタ自動車は、2019年をめどに商用バンの世界戦略車「エース」(開発名称)の生産を開始する。従来は18、19年頃の市場投入を視野に企画を練っていたが、19年の発売に向けて部品メーカー各社との開発を始めた。日本とタイで生産し、世界各国に投入する。セミボンネットタイプのバンに、「IMV」「ランドクルーザープラド」と同じ新型ディーゼルエンジン(DE、GD型)を搭載。衝突安全性能から、走行性能、環境性能まで飛躍的に向上させる。日本では「ハイエース」の次期モデルに位置づけ、約15年ぶりに全面改良する。
日刊自動車新聞2016年5月16日版 より

同じく2016年の4月に発足したCVカンパニー制の枠組みで、この世界戦略車「エース」のプロジェクトが進められていくことが報道されていたわけだが、昨年の2018年付け発表では、さらに企画自体をトヨタ車体へ移管するとのこと。

TNGAに沿った自動車作り、予想されるエンジンはコレ

トヨタでは、2012年に「もっといいクルマづくり」を推進するためのアーキテクチャ「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」を発表。その後、2015年のプリウスを皮切りに、TNGAに沿った自動車開発がおこなわれてきた。

TNGAは、エンジンをはじめとした各部構成をモジュール化して、プラットフォームをより強固なものにする施策といったらわかりやすいだろうか。今までも、ハイエースとランドクルーザーでエンジンが同一だったりしてきたが、これをさらに推し進めて生産効率や開発のコストを、より商品力にまわしていくというわけだ。

ハイエースに搭載されると思われるTNGAのエンジンは…

こちらだろうか。

新型直列4気筒2.0L直噴エンジン
「Dynamic Force Engine (2.0L)」

高速燃焼技術、可変制御システムを採用。
エネルギーロスの低減、熱効率(40%・41%を達成)を向上させるとともに高出力を達成。これまで、トランポでガソリン2.0を選んだときのトルク不足も、改善されそうな気配。変速機も発表されたばかり、新型のCVTで燃費効率6%の向上が見込めるという。

ディーゼルに関しては、先述の日刊自動車新聞にDE、GD型が採用と報じられているものの、TNGAでは2021年までに、エンジンは9機種・17バリエーション、トランスミッションは4機種・10バリエーション、ハイブリッドシステムは6機種・10バリエーションの投入を宣言していることから、新型の可能性もあるのではないかと見込んでいる。

また、CVカンパニーにおける2016年末の発表では、先進技術への対応をCV車種でリードするとの宣言がされており、同時発表された新型コースターでもトヨタセーフティセンスとして「プリクラッシュセーフティ/レーンディパーチャーアラート/オートマチックハイビーム」を導入。加えてコースターと違い、世界戦略車のエースでは先進技術が進む可能性は充分にある。特に長距離運転が多いトランポ仕様では、オートクルーズはぜひ搭載してほしいところ。

SNSでは、新型とみられる写真が拡散中

そして、現在Twitter上で新型ハイエースとみられる写真が拡散されている。

日本で撮影された、おそらく通常ルーフの新型ハイエース。カモフラージュされた先行開発車などがリークされるのはあることだが、このような形で運搬されている写真がリークすることは、なかなか見られない。

300系について、セミボンネット型になるだろうという推測に対して、車室が犠牲になることを憂う声も多かったが、現時点ではどうだろう。30cmほどの犠牲がでるだろうか。

おそらく、情報が出始めるのもそろそろ。追って、編集部では情報が入り次第報じていく予定。