今季よりスタートした、Off1.jpとカメラマン折口祐介氏とのコラボレーション。日常に見られないアングルや、空気感を写し出す独特の撮影技法でトライアルの新しい世界を見せてくれる。「絞り込んで見えてくるものがある。だから、F8まで絞りたい…といつも思っています」とは折口氏の弁。ってことで、連載名は「F8 World」とさせていただいた。まずは、全日本トライアルの開幕戦から振り返ってみよう。

全日本トライアル開幕戦を振り返ってみた時、ポイントは「9セクション」にあったと見る。
このセクションの後半は非常に上りが強く、上りきれなければ5点となってしまうセクションであった。

この「9セクション」は5点になってしまった選手が多く、この時、2ラップ共にクリーンした選手はいなかった。野崎史高選手は1ラップ目、クリーン。2ラップ目もクリーンできれば、ポイント的にもリードができ、優勝に一歩近く。そういった緊張感がファインダー越しに伝わった。

2ラップ目の「9セクション」、野崎選手の結果はクリーン!
歓声も大きく上がったし、ファインダー越しに見ていた私自身も「野崎さん!!」と心の中で叫んでいた。そして、野崎選手の優勝の可能性という期待が急上昇した。

残すセクションは「10」「11」の2セクション。
野崎選手はクリーンで抑え切り、最終ステージへ進む。

国際A級スーパークラスにのみ行われる最終ステージ。
上位10名にのみ挑戦権が与えられる「スペシャルセクション」の2セクションが行われる。
点数が僅差である場合、「スペシャルセクション」で順位が入れ替わる可能性もあったが、野崎選手はミスを最小限に抑え、開幕戦優勝のカードを手にしたのだった。