雨の日高で証明した相乗効果

GASGASの前後サスペンションは、ハイグレードなKYB製。クローズドカートリッジフォークには、RG3オリジナルのスマートバルブをインストールし、前後とも、本国RG3が保有するデータベースを基本に、福森と新田のR&Dによって最終的な仕様を決定した。主な作業はリバルビングだ。

保坂は、2019年、JEC岐阜アルコピアでのIAクラス初ポディウムの後、9月の北海道日高でも、2日間連続でポディウムに立った。「日高は1周130キロの中にありとあらゆる種類の路面があるんですが、本当にラクに走れました。2日目は雨で、勝負所になったクロステストも超滑りやすくなったんですけど、そこでもめっちゃ気持ちよく飛ばせました。サスの安定感がすごくて自信を持ってスピードを上げられるんです」。スピードが上がればマシンはさらに安定する。良いサスが与える自信。自信がさらにスピードを生み、その相乗効果がベストタイムにつながるのだ。

日高、マディコンディションのテストを飛ばす
Photo : off1.jp

路面とのコンタクトがもとらすものとは

メカニックとして日高にも同行した父、一洋は次のように話した。「サスの性能がいいと、ブレーキのバランスなんかも今まで以上に気になってくるみたいです。フロントブレーキの利きが弱いとか、リアのタッチをもう少し、とか…。タイヤに対する要求も上がってくるのは、スピードが上がっているからでしょう。今はタイヤ、タイヤのセッティングも一番いい状態になったと思います。マシン全体のバランスに気をつかうようになりましたね」。

サスの性能によってタイヤと路面のコンタクトが増えることで、これまでとは違ったマシンの素性が表面化する。そこからより高い次元でのバランスの追求が始まる。

「自分でも気が付かないうちにペースがあがっていた」。ハスクバーナに初めてつけたRG3サス。総合2位でフィニッシュした北海道4デイズでの杉村晋吾。
Photo : SSER official

カートリッジフォークに採用されるスマートバルブ

現場にすべてがある

RG3ジャパンでは、保坂のようなトップライダーだけではなく、すべてのユーザーのサスペンションを、できるだけ現場に出かけてアフターケアしている。JNCC、WEXなどのレース会場では、福森、新田がユーザーのためのレーシングサービス、サスペンションのセッティングも行う。「一度ユーザーに納品したサスでも、しっくりこないという場合には、再調整することもあります。本人が、良いと感じることが一番大切なんです(福森)」。

RG3ジャパンは、今年10月にオープンした、オフロードバイクと用品の専門店「ビバーク大阪」の1Fにファクトリーを置いて活動している。ショールームには、RG3製作のGASGAS、Sherco、BETAなどのコンプリートマシンも展示しており、サスペンションチューニングの実際についても話を聞くことができる。また、RG3ジャパンの立ち上げ当初から、種谷氏(ちゃねスポーツ)、浜田氏(エムファクトリー・高知)もサスペンションのR&Dに参画。こちらでも、セッティングやサスの定期的なオーバーホールの相談にのってくれる。

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