コンパクトなのに、フルサイズのゴーグルがハマル

ちなみに、ヘルメット自体は北米に珍しいコンパクトさ。顔とフェイスガードの距離をみてもらうとわかりやすいだろう。非常に距離が近いのだが、息苦しさは感じない。ノーズ部分からのエアがしっかり入るからなのだと思う。

コンパクトだが、開口部はしっかりとってあって、アウトリガー×ビッグボディのスコットプロスペクトもすんなりフィットする。ちなみにこのフィット感よすぎて、このゴーグルを基準に作っているのかと思ったほどだ。

おもしろいのは、フルカーボン帽体だからか、聞こえてくる排気音がいつものヘルメットで聞くものと違うトコロだ。カーボンらしい、鈍さを伴った反響音といえばいいのか、とにかく一度かぶってみればわかるはず。意外にも、その音質が耳に優しく、2スト125の全開域でも「恐ろしさ」を感じないようなところがある。

走ってもわかるレベルに軽い。これは、疲れてきたときに功を奏するだろう。ゾーンに入っているレース序盤でアドバンテージを感じたりはしないかもしれないが、後半にしっかり効いてくる。Mサイズで1.56kgと欧州勢にひけをとらない軽さだ。帽体のコンパクトさが効いていて、振られて重さを感じるような場面がほとんどない。

いま、AMAをはじめとした北米では、MIPS社の認定をとることが、きちんとしたヘルメットの条件になっている。多方向からの衝撃を逃がせる構造が要件なのだが、このMOTO-10はフラッグシップであることから、さらに進化形のMIPS スフェリカル構造を採用。さらに転倒時の脳への衝撃を緩和することに成功しているという。当然、わざと転倒したりはしていないので、この辺を確かめることはできていないのだけれど、これまで脳震盪でDNFに甘んじたレースなどでも、切り札となる可能性がある。