釘村が、いま200ccに乗り換えたのは
世界に追いつくためである

開幕の広島から、釘村忠はかなりの苦戦を強いられている。相手が強いというのもあるけれど、本人が明確に言わないが、その原因はマシンにある。

釘村が今年選んだのは、BetaのRR2T 200で2スト200cc。実に、優れたマシンであり、125ccベースで構成されているため、軽さとパワーを両立している。昨年までのマシンはRR2T 300であり、その差は100ccだけに見えるが、それ以上の差がそこにはある。250/300ccは、エンデューロでいう大人向けのクラスだ。スティーブ・ホルコムや、ブラッド・フリーマンら世界タイトルを手にしたライダーの駆る(っていた)マシンである。200ccはGPにはないが、ベースになった125ccはあくまでやはり入門クラス。

「釘村さんは、今年はこの200ccを乗りこなすことで、軽さとバランスを武器に出来るまでスキルを高めたいと言って選んだんです」とは、Betaジャパン門永氏。釘村自身は「125ccとか200ccっていうのは、速く走らせようとすると基本がないとダメ。だから、200でちゃんと速く走れるようになっておけば、300に乗り換えた時にさらにい速くなれるはずなんですよ。コーナーのスピードをもっと早くあげなきゃいけない」と語る。つまり、シバリを自分でつくり、この2022年のシーズンを通して、もう一歩二歩、世界へ近づこうとしている。「ただ、レースをやるからには勝ちたいっていうライダー心理もあってですね…」と。「開幕よりも、どんどんよくなってきているのは事実ですし、苦手な雨で亮太と同じくらいのペースで走れたというのは、それなりに収穫があったんだと思っています。

シーズンオフは、しっかりトレーニングをしてきました。具体的にいうと、ランニングですね。最初は5km、だんだん長くして10kmくらい、基礎体力の向上を図っています。だいたい、いまは5分で1kmペースですね。それはそれで効果があったんですけど、開幕では瞬発系のフィジカルも必要だなって思うようになりました。3キロ4分くらいで走るような感じで開幕あとには追い込んでいたんですが、だいぶ身体も動いてきたと思います。200にしっかり向き合うっていうんですかね。去年は、バイク任せで走らせてたようなところがあったんですよ。前後バランスとか、ちゃんと身体をうごかしていかないとダメだなって思って。GPの300とか、450のライダーも、すごく身体を動かして乗っていますよね、フリーマンとか、ガルシアとか。

苦しいには苦しいんですが、もうちょっと頑張ろう、って思ってます」とのこと。

会場でも、釘村はバイクがあっていないんじゃないか、という会話はちらほら聞こえてくる。そのとおりなのだ。本人も重々承知で、苦難の年を過ごしている。だが、この1年で得るものは計り知れないはず。きっと、とんでもないことが、待っている。