年間チャンピオンがかかった最終戦。絶対にライバルに負けたくないという闘争心から、熱いバトルが繰り広げられた

44キッズクロス第5戦最終戦
日時:2022年7月31日(日)
会場:鈴鹿ツインサーキット特設コース(三重県)

2022年3月に開幕してから毎月1戦のペースで行われてきた「44キッズクロス」。2022年7月31日(日)、今シーズン最後のレースが三重県にある鈴鹿ツインサーキット特設コースにて開催されました。降雨により前日に予定されていた事前練習は中止。今回も雨に悩まされたレース前日でしたが、当日は日陰にいてもしんどいほどの暑さ。さらに、コースは前日の雨を感じさせないドライコンディションとなり、ヒート間に休憩や散水を挟みながらレースが行われていきました。

今大会の参加台数は全部で63台。MOTO-E/ファースト50/スーパー50・リミテッド50/ファースト65/スーパー65/Jr.Aに加え、Jr.Bクラスも含んだ計8クラスが開催されました。トップカテゴリとなるスーパー50・リミテッド50/スーパー65/Jr.Aクラスは3ヒート制。

会場となった特設コースは広大でフラット。Jr.Aクラス/Jr.Bクラス/スーパー65クラスはコース全てを使ったフルコース、スーパー50・リミテッド50/ファースト65クラスはコースの奥をカットしたロングコース、MOTO-Eとファースト50クラスはショートカットコースでレースが行われました。長いストレートやフープスセクション、テーブルトップなど各セクションへの対応、そして広いコース幅を使ったライン取りが、他のライダーと差をつける鍵に。

積み重ねてきた実力を発揮、MOTO-Eクラス

「レースで表彰台に上がれないライダーも活躍をしてほしい」という主催スタッフの思いのもと、MOTO-Eクラスでは第3戦より電動バイククラスならではのコンテストが実施されてきました。今回行われたのは「フロントアップコンテスト」! 地面に並んだ2本の木材を前輪が引っかかることなく飛び越えることができたら成功となります。最初は30cmからスタート。徐々に間隔を延ばしていき、一番長い距離をフロントアップできたライダーが勝利となります。

30cmにセットされた木材。毎周スタッフの方が距離を測って間隔を広げていきます

福本裕士選手

前大会で予告をしていたからか、参加したライダー達はみんな悠々とクリアしていきます。初めに設定した30cmから20cmずつ距離を広げ、125cmへ。見た目からも遠さが感じられ、失敗し始めてくる距離感です。徐々に脱落していくライダーも見られる中、さらに距離を伸ばし170cm。福本裕士選手、丹羽群青選手、小田楷葦選手の上位3名に絞られ、各ライダーがその実力を見せてくれました。

丹羽群青選手

小田楷葦選手

3位を獲得したのは170cmをクリアした福本選手。2位には、230cmまで粘った丹羽選手が入りました。そして、丹羽選手との一騎打ちを制し見事1位に輝いたのは、270cmのフロントアップを成功させた小田選手。写真のように、2本目の木材までフロントアップして進む安定感。どこまででもフロントアップしていけちゃうのではないかと、その実力の高さを感じさせてくれました。

福本選手(#85)

丹羽選手(#99)

レースは2ヒートとも福本選手がホールショットを獲得。スタートで反応の良さをみせると、ポイントランキング1位の丹羽選手を抑えて1コーナー目をクリアしていきます。しかし、丹羽選手は負けじと背後へ接近。抜きどころが少ないショートカットコースですが、ラインを見極め福本選手をパス。1周目をトップで戻ってくると、そのまま独走状態に持ち込みます。

伊藤聡馬選手(#66)、大久保香子選手(#34)

その後方では伊藤聡馬選手と大久保香子選手がバトルを展開。ヒート1とヒート2ともに伊藤選手が前に出ると、大久保選手が追いかけていきます。ふたりは1秒差で周回を重ねる接戦を見せますが、レース後半、伊藤選手が大久保選手とのリードを拡大。伊藤選手が2番手を守り切りました。

ヒート1の結果は2位伊藤選手、3位大久保選手。ヒート2では3位に伊藤選手、2位にはホールショットを決めた福本選手が入りました。そして、2ヒートとも優勝を飾ったのは丹羽選手。今シーズン全大会で一度もトップを譲ることのなかった強さで、年間チャンピオンに輝きました。

小島庸平のワンポイント・コメント!

今回も台数が多くて、層が厚くなってきました。丹羽選手は安定した速さでしたね。ライディングフォームが固まっていて、ブレないところが彼の速さにつながっていると思います。また、スタートでは丹羽選手を抑えて小田選手がホールショットを決めるなど、クラス全体のレベルが上がってきていると感じます。