2023年4月20日(木)に日本で正式に発売開始された中国製電動オフロードバイク、CAOFEN F80。日本仕様への改良を経て、オフロードと公道それぞれにより特化した2車種(OFF-ROAD/STREET)を試乗しました

2022年にCAOFEN F80シリーズが日本に初上陸。正式発売の前に、クラウドファンディングで先行販売が行なわれました。同タイミングで私(Off1.jp編集部 伊澤)が試乗。その乗り心地を体験しました。

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あれから1年ほどが経ち、日本での発売が正式にスタート。当時海外仕様だったマシンは、日本でのテストや試乗会などを通して出てきた課題を改善し、日本仕様に改良されて発売されています。正式発売を機に、今回も私(Off1.jp編集部 伊澤)が2車種を試乗しました! ライダーを務める私は4歳からモトクロスを始め、全日本モトクロス選手権レディースクラスにシリーズを通して挑戦。現在は愛車のハスクバーナTC85(2ストローク85cc)に乗ってモトクロスを楽しんでいます。そんな私の目線で、CAOFEN F80をインプレしていきます!

CAOFEN F80 日本発売リリース↑

タイヤサイズは19-16。オフロードの走破性を高めた、CAOFEN F80 OFF-ROAD

オフロードモデルは、埼玉県にあるオフロードコース「モトクロスヴィレッジ」で試乗を行いました。電動バイクとエンジンバイクの一番の違いは加速感。アクセルを開けると前に進む感覚は電動バイク特有で、F80 OFF-ROADに乗って発進しようとした時、油断してアクセルを開け過ぎたようで思っていたよりもパワーが出てしまい、身体が追いつかず後ろに置いていかれそうになりました。しかし、一気にアクセルを全開にしたらそれに合わせて回転数が一気に上るかというとそうではなく、パワーデリバリーは緩やか。ライダーがコントロールしやすいよう設定されていると感じました。

同様に、コーナーで減速した状態からアクセルを全開にしても、回転数が一瞬にして上がることはありません。このフィーリングをエンジンバイクに例えると、減速した状態でクラッチを当てないままアクセルを全開にしている、というような状態に似た感覚でした。それだとパワーが足りないのではないか! と思うかもしれませんが、エンジンバイクのようにクラッチを当てないと減速する、ということはなく、アクセルを開けていくことで回転数がスルスルと上がっていきます。クラッチはついていないので、2ストロークマシンのように瞬発的にパワーを出すというよりは、アクセル開度によって調整する感じ。このスムーズな加速感はエンジンバイクにはない乗り心地で、オフロードが初めてという方も怖さを感じることなく楽しめると思います。

2連ジャンプにも挑戦。手前には5mほどのストレートがあり、F80の助走としても十分でした。ジャンプを飛んで思ったことは、自転車に近い動きの方がフィットするということ。よく「電動バイクは自転車のような乗り方だ」という話を聞きますが、まさにそうだなと感じます。BMXのようにボディアクションでサスペンションを動かせるため、斜面にかかるタイミングで踏ん張るようなボディアクションを意識することでサスペンションが沈み、反動で上に飛ぶ感覚を掴むことができました。

なお、日本で発売されたマシンは日本仕様にカスタムされており、リヤサスペンションはリンク式に変更。タイヤサイズが19-18から19-16に改良されています。乗り始めて最初に感じたのはこれらの変更によって得られる安定感でした。フープスや荒れた路面でも地面からの振動や跳ね返りが少なく、アクセルを開けることでグッと踏み込み前に進んでくれる感覚がありました。さらに、2連ジャンプで飛びきれずショートした時も底づきすることはありませんでした。また、リヤタイヤのサイズが16インチになったことで、ミニモト用のタイヤを履けるようになり、タイヤの選択肢も広がっています。ドライやマディなど路面状況に合わせたセッティングができるのは、ライダーにとってありがたいですね。さらに、タイヤサイズが変わったことにより、車体の足つき性も向上。身長159cmの私がまたがって足がほぼつくくらいだったため、マシンの扱いやすさと安心感を感じたのも乗りやすさのポイントだと思います。

静かでスムーズ。林道ツーリングにぴったりなCAOFEN F80 STREET

公道仕様のF80 STREETとオフロードモデルは同じ動力性能を持っていて、サスペンションとタイヤのみ異なる仕様となっています。F80 STREETのタイヤサイズは19-18。リヤタイヤのサイズがオフロードモデルよりも大きいため、車高は若干高くなっています。これによって視線位置も高くなるため、公道を走る時に先が見通せる安心感と安定感を感じました。また、サスペンションはやや硬めながら、地面からの振動を伝え過ぎることもなく、砂利道もスルスルと進んでくれました。

速度に関しては、スピードリミッターがついており、1〜3のスピード制限を選ぶことができます。速度無制限となるモード3が一番パワーも出て楽しめますが、電動のスピード感に慣れていない方は、走行シーンに応じて切り替えることで、安心して走行できるでしょう。低速域ではスーッと伸びていく加速感を感じ、高速域ではパワーを感じるため、穏やかなツーリングにも、林道走行にもピッタリです。

CAOFEN F80のオフロードモデルとストリートモデルの乗り心地は全く別物で、2022年に試乗をした時と比べて、オフロードと公道、それぞれに特化した仕様にさらに改良されてきたことがわかりました。マシンの軽さと扱いやすさ、スムーズな加速感は初心者からベテランまで満足させてくれるでしょう。