ホンダのリッキー・ブラベックとHeroのロス・ブランチが接戦を繰り広げるダカール後半。膠着状態がこのステージ9で動く

これで決まるのか、それとも? 勝利の行方

ダカールの総合順位、トップ争いのブラベック(ホンダ) VS ブランチ(Hero)が白熱してきた。さらにはこのステージ9で二人がスタート順7、8と接近し、かつスパートをかけやすい位置に。二人にとっては、ここで相手を突き放すことができれば勝利へ近づくことになり、ダカールラリー2024後半のハイライトになる可能性がある。また、目下総合5番手のKTM最上位ケビン・ベナビデスは、ステージ8でトップフィニッシュを果たしているため、ステージ9ではいかにナビをうまくこなしボーナスを得てロスタイムを圧縮できるかという守りの日。

スタートから40km地点ですでに勝負の方向性は見え始めていたかも知れない。ブラベックはこの序盤ですでにブランチに1分40秒のリードを拡げ、じわじわと後続を突き放しにかかった。ケビンは68km地点で大きくタイムロスし、早くも先頭をエイドリアン・ファンビバレン(ホンダ)に譲ることになる。その後もビバレンは先頭ながら好タイムを連発、実に5分36秒ものボーナスを得て今大会2度目のステージ優勝を達成した。ブラベックもそれに続くこと42秒差でステージ2位に。ブランチはステージ5位に終わり、総合でブラベックと7分9秒の差をつけられてしまう。ブランチは明日スパートをかけづらいブラベックをスタート順5番手から追い、逆転のチャンスを伺うことになるだろう。ここまで僅差で戦ってきたブラベックとブランチだったが、ついにその勢力図はブラベックに傾いた。ケビンはボーナスタイムを拾いきれず、トップのブラベックとの差を28分まで拡げることになってしまった。

ブラベックは「今日は40〜50秒はブランチを引き離せるチャンスだったので全力を尽くした。明日はルートを切り拓く立場だが、ポイントを稼ぎたいところだ。2020年に優勝した時は後半もっと大差があったけれど、今年は僅差だから僕の人生の中でも最もストレスのかかるレースになっているよ」と心境を吐露する。対するブランチは「今日は長く辛い日だった。勝ちに行くに十分な速さを保てなかったね。朝、キャメルグラスのセクションでミスをしてしまって、さらにデューンをうまく走れなかったから大きくタイムロスをしてしまった。ブラベックが少しリードを拡げたが、これでラリーが終わったわけじゃない。バイクは快調だし、身体も問題ない。明日はハンマーを振り下ろしてやろう」と息巻く。

KTM勢でまだ優勝争いの最中にいるケビンは「45キロ地点でミスをしてしまって、数人のライダーに追いつかれてしまった。オンコースに戻ってから全力でプッシュしてトップ2に追いつくことができ、ビバレンと共に道を切り拓いていったんだ。とてもチャレンジングなステージだったが、いい仕事ができたと思っている」と振り返る。

ステージ順位

総合順位

なお、前半トップ争いをしてきたホセ・コルネホ(ホンダ)はこのステージで10分の差をつけられることになり、総合4位へ転落。かわりにステージ優勝者のビバレンが3位に上がることに。

ミスコースを2回、疲労の色がでてきた池町佳生

ステージ9、池町佳生は集団で動いているところで他の車両につられてしまいルートミス、15分ほどのタイムロスをしてしまう。「今日も砂と、岩。岩盤質のこの世の終わりみたいなところがあって、それが30kmくらいずっと続くのが辛かったな、ずっとスタンディングなんで。道がいくつにも分かれているルートだったんだけど、パスしていった車のダストを追いかけていたら間違えてしまったんだよね。

また、キャニオンみたいなところを延々登っていくルートがあって、そこは逃げ道もなく斜度もきつい。正直、パワーが無いマシンでは登っていけないんじゃないかと思ったよ。そのキャニオンにもやらしいところにウェイポイントがあって、普通に走っていると見逃してしまったりするんです。僕ら後続スタート組は轍を追って走るので、あまりナビを真面目にみない傾向があるんですよね。それがミスの元になるので、できるだけ見ようとするんだけどサンドのルートとか特に見てられないような難しいところも多くて、ナビしながら走ること自体の難易度が高い。最後までしっかり楽しませてくれてるな、って思います。

バイクはチームがしっかり整備してくれているので絶好調です。人間のほうが弱ってきてしまっているので、ピックアップのいいエンジンに付き合っていくのが大変……。疲れるね(笑)。残り実質2日、明日はしんどそうな気がする。たんたんと、老体に鞭打ちながら走りますよ」

ステージ79位、総合62位。疲労の色は濃くなりつつあるものの、フィニッシュはすぐそこまで来ている。