6月28日(土)、2025 AMAプロモトクロス選手権第5戦サウスウィックがマサチューセッツ州にあるThe Wick 338で開催されました。
注目ポイント
・一瞬の判断力が求められるサンドコース、下田丈は予選10位通過
・不運なクラッシュ、好スタートからトップに迫るスピード
・トップのディーガンとの差は10秒、下田の速さに注目が集まる
「The Wick 338」は、プロモトクロス選手権が開催される会場の中でも特に深いサンドコースとして知られています。今大会を見ても砂にタイヤをとられてバランスを崩し転倒する、またはしかけるライダーが多く、危うい場面を見た実況者が ”That’s Southwick” とコメントするほど乗りこなすのが難しいとされています。そんな中、下田丈はタイムドクオリファイを10位で通過。前大会は追い上げを強いられる展開となりましたが、今大会は序盤から攻めていけるのでしょうか。
追い上げのMoto1、速さを発揮したMoto2
@ProMotocross post on X
x.comMoto1(決勝ヒート1)は下田にとって厳しい幕開けとなりました。スタート直後、最初のコーナーで多重クラッシュが発生し、下田も転倒。30番手以降からの追い上げを強いられます。再スタート後、追い上げを開始するのですが、再び転倒しポジションダウン。序盤で2度の転倒がありましたが、下田はその後も諦めることなく23位、14位と着実に順位を上げ、13周目には12番手に浮上。14周目にはベストラップタイムを叩き出し、結果10位でフィニッシュ。
一方トップを見ると、ヘイデン・ディーガンがホールショットを獲得し、そのまま差を広げて単独走行へ持ち込みます。その後方では、マイケル・モシマンとリーバイ・キッチンが2位を巡って激しいバトルを繰り広げました。レース終盤にキッチンがモシマンを捉えると、そのままかわして2番手に浮上。さらにスタート直後に転倒し、トップ10圏外にまで順位を落としたトム・ビアレが驚異的な粘りを見せ、最終ラップでモシマンをパス。1位ディーガン、2位キッチン、3位ビアレという順位でレースを終えました。
@ProMotocross post on X
x.comMoto2(決勝ヒート2)、下田丈は好スタートを決め4番手につくと、ジャレク・スウォルに迫り3位争いを繰り広げます。下田はラインを変えながらスウォルとの距離を縮め、レース時間4分を経過したところでパス、3番手に浮上します。さらに、レース開始から10分を過ぎた頃、下田は2位のリーバイ・キッチンに近づくとすぐに追い抜き2番手に浮上。結果は1位ディーガン、2位下田、3位にビアレが入賞となり、下田は総合5位で終えました。
なお、ポイントランキングは首位のディーガンが244ポイントでトップに立ち、下田は58ポイント差で2位を維持しています。
- YouTube
youtu.be450クラスは、ジェット・ローレンスがMoto1とMoto2ともにホールショットを獲得し、そのままトップを譲ることなくゴール、完全勝利を収めました。また、Moto1ではハンター・ローレンスが2位を獲得。3位を巡ってはホルヘ・プラドとイーライ・トマックがバトルを展開しますが、プラドが転倒し後退。トマックが3位入賞となりました。Moto2でもジェットは圧倒的なリードを保ってトップを快走。2位にはプラドがつけますが、転倒によりポジションダウン。ハンターがかわして2位に浮上、トマックが3位に入っています。総合順位はジェットが優勝、ハンターが2位、トマックが3位となりました。
- YouTube
youtu.beディーガンと下田、群を抜く2台の速さに注目が集まる
今回のレースでは、250クラスでディーガンと下田が他のライダーを大きく引き離したことに注目が集まりました。特にMoto2での下田はスタートから好調で上位をキープ。首位を独走するディーガンとのタイム差を見ると、毎周変動はあるものの常に10秒以内で走行し、3位以降とは25秒以上差をつけており、今後のレースでディーガンを抑えての優勝も不可能ではないでしょう。
次戦は7月5日(土)、アメリカのミシガン州にあるレッドバッドで行われます。