8月16日(土)、アメリカのニューヨーク州にあるユナディラMXで、2025 AMAプロモトクロス選手権第10戦が開催されました。

注目ポイント
・今回で決まるのか、チャンピオンシップの行方
・完璧なレース展開で下田が完全優勝を果たす
・下田が見せた圧倒的速さ、その自信
・本田七海がWMXで総合7位獲得

タイムドクオリファイの総合結果を見ると、ドリュー・アダムスが2分14秒282でトップ通過を果たしています。2位には2分14秒767でセス・ハマカーがつき、ヘイデン・ディーガンは2分15秒825で5位、下田は2分16秒327で8位という状況でした。

ポイントランキングを見ると第9戦終了時点でトップのディーガンと2位の下田の差が51ポイントとなっており、2人の差が50ポイント以上のまま今大会を終えると、その時点でディーガンのチャンピオンが確定します。下田がそれを阻止するにはディーガンより上位でレースを終える必要があります。

序盤で抜け出し単独走行、下田が1-1で圧勝

250クラスMoto1、トム・ビアルがスタートで飛び出し、下田は8番手あたりと少し出遅れます。ビアル、セス・ハマカー、ジュリアン・ブーマー、ヘイデン・ディーガンと続き上位争いは混戦に。そんな中、下田は冷静に前のライダーをかわし5番手、3番手、2番手へとポジションを上げていきます。その後トップのビアルと接近戦を展開。両者の攻防戦が繰り広げられる中、レース開始3分が過ぎる頃に下田がビアルをパスしトップに浮上。その後も徐々に後続との差を広げます。一方、チャンピオン獲得がかかるディーガンも追い上げ、レース時間5分が過ぎた頃に前を走るハマカーをかわして2番手にポジションアップ。その時点で下田との差は6秒開いており、ディーガンの追い上げに注目が集まりました。しかし下田はディーガンを上回るラップタイムで周回を重ね、約40秒の大差をつけて圧勝。結果下田、ディーガン、ハマカーでフィニッシュ。

続くMoto2、ビアルが再びホールショットを獲得しレースをリードします。下田は3番手あたりにつくと、Moto1と同様、序盤でビアルに迫りトップ争いを展開します。レース開始3分が過ぎるころにビアルをかわしてトップに浮上するとその後も差を広げ、そのままトップを譲ることなくゴール。圧倒的な速さで見事両ヒートともに優勝を獲得しました。

なお、Moto2でディーガンは3位でゴールし、総合2位となりました。これにより、ポイントランキングはディーガンが460ポイントで1位をキープしていますが、下田が417ポイントとディーガンとの差を8ポイント縮めたため、チャンピオン確定は最終戦に持ち越されることとなりました。

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一方、450クラスはジェット・ローレンスが兄のハンター・ローレンスを上回る結果でレースを終えればチャンピオンを確定できるという状況でレースを迎えました。Moto1、RJ・ハンプシャーが数周リードしましたが、ジェットが素早く順位を上げます。コースアウトのミスもありましたが、ハンプシャーをパスしてトップに浮上。ジェット、ハンプシャー、イーライ・トマックという順位でフィニッシュしました。

Moto2ではジャスティン・クーパーとハンター・ローレンスがトップ争いを展開。しかしジェットが後方から一気に2台を抜き、2番手についたハンターとの差を5秒ほど広げ、そのままゴール。この勝利により、ジェットがハンターと50ポイント以上のリードを築き、自身2度目の450クラスモトクロスチャンピオンに輝きました。

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下田の他を寄せ付けない速さ、その自信

今大会の下田はスタートで出遅れたものの、1〜2周目でトップに立ち、そのまま単独走行に持ち込み優勝を果たすという、余裕のあるレース展開でした。特に差が開いたMoto1のラップタイムの安定性を見ると、下田が97.795%に対してディーガンは98.379%と上回っていますが、平均ラップタイムは下田が2分22秒236なのに対し、ディーガンは2分24秒823。下田が2秒上回るペースで走行していることがわかります。

大会後のインタビューでは「安定性は僕が求めているもので、トップ5ではなくトップ3に常に入るレベルを目指している」とコメント。さらに「今大会から新しいリアショックを使ったのだけど、タイムドクオリファイの段階では少しトラブルがあって特性も少し変わっていた。ただ、決勝を走る時には解決して、両ヒートともに良い走りができた」と話し、ライディングとマシンのセッティング、どちらも調子が良いことをアピールしています。さらに成長を続ける下田から最後まで目が離せません。

本田七海が7-7で総合7位入賞。AMAプロモトクロス選手権併催「Women’s Motocross Championship」

AMAプロモトクロス選手権では、前大会より3戦にわたってWomen’s Motocross Championship(WMX)が併催されています。その2戦目、WMX第5戦ユナディラ大会に全日本モトクロス選手権レディースクラス2019年チャンピオンの本田七海が出場しました。

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今回はMoto1とMoto2ともにAMAプロモトクロス選手権の前日、現地時間8月15日にレースが行われました。本田は2ヒートともにスタート後6番手あたりから追い上げる展開。懸命に前のライダーを追いかけますが、その差は徐々に開き7位でフィニッシュ。総合7位でレースを終えています。本田は「次につながるレースになった」と今回の結果を前向きに捉えており、次戦でさらに上位に食い込むことができるか、注目です。

なお、総合優勝は2-1でラクラン・ララ・ターナーが獲得。2位にはチャーリー・キャノン、3位には両ヒートで3位を獲得したミケイラ・ニールセンが入賞しました。

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次戦はついに最終戦。8月23日(土)、アメリカのメリーランド州にあるバッズクリークモトクロスパークにて行われます。