スーパーモトクロス世界選手権(SMX)の最終戦が、2025年9月20日(土)にネバダ州ラスベガスのThe Strip at Las Vegas Motor Speedwayで開催。シーズン31戦を締めくくる決戦で、下田丈は日本人ライダーとして初めてSMXタイトル獲得に挑みます

記録に彩られたセントルイスの勝利、最終戦ラスベガスとは

下田は第2戦セントルイスで総合優勝を果たし、ランキング首位に立ちました。この勝利は通算11回目のSMXリーグ優勝となり、歴代66位タイに並ぶものです。さらに250SMXプレーオフでは2勝目を挙げ、複数回の勝利を記録した史上2人目のライダーとなりました(もう1人はヘイデン・ディーガンで4勝)。また、250プレーオフで通算6回目の表彰台に上り、プレーオフでのトップ5入りは8戦連続。100%の確率で上位を守ってきた唯一の存在です。

今回最終戦の舞台となるラスベガスはモトクロスとスーパークロスの歴史において特別な会場です。1985年にはラスベガス・モトクロスパークで125ccクラスのレースが初開催され、ロン・ラシーンが唯一のチャンピオンシップを獲得しました。1990年にはサム・ボイド・スタジアムで250SXクラスの初戦が行われ、ジェレミー・マクグラスが初勝利を飾っています。1997年から始まったデイブ・クームスSr. イースト/ウエスト・ショーダウンでは、ケビン・ウィンダムをはじめ、リッキー・カーマイケルやトラビス・パストラーナ、ジェームズ・スチュワート、ライアン・ダンジーらが勝利を重ねてきました。そして2025年のファイナルは、250クラスとして通算40回目のラスベガス開催となり、歴史的な節目に位置づけられています。

現在のランキングとタイトル条件

第2戦終了時点でのポイントは下田が92点、ヘイデン・ディーガンが82点、セス・ハマカーが78点、トム・ヴィアルが67点。ラスベガス最終戦は三倍ポイント制で、優勝75点、2位66点、3位60点が与えられます。下田は総合2位以上を確保すれば、ディーガンが優勝しても逆転されず、自力でタイトルが決まります。

Moto別シナリオ

下田のMoto1・2総合順位ディーガンの成績例タイトル行方
1位・1位総合1位ディーガンが2位以下下田が完全優勝でタイトル
2位・2位総合2位ディーガンが1-1下田が総合2位でタイトル確定
1位・3位総合2位ディーガンが1-2下田がタイトル確定
3位・3位総合3位ディーガンが1-1ディーガンが逆転可能
2位・5位総合4位ディーガン優勝下田が逆転を許すリスク

大会スケジュール(現地時間 土曜日/日本時間 日曜日)

イベント現地時間(PDT)9/20日本時間(JST)9/21
予選開始13:205:20
250 Moto119:0011:00
450 Moto119:4011:40
KTM Junior Race20:2512:25
250 Moto220:5012:50
450 Moto221:3013:30

テレビ・配信は、米国ではRace Day Liveが16:30 ETから、プレショーは21:30 ET、ゲートドロップは22:00 ET。日本からはSMX Video Passでのリアルタイム視聴が可能です。

SMXリーグ通算11勝、250プレーオフでの安定感、そして歴史的なラスベガス開催。全ての条件が重なったこの最終戦で、下田丈は日本人初の世界タイトルを懸けてスタートゲートに立ちます。優勝すればもちろん、総合2位でも十分にタイトルは手に入る状況です。舞台は40年の歴史を持つラスベガス。記録と記憶の交差点で、下田がその名を刻めるか。ファンの視線はただ一人、日本人チャンピオン候補に注がれています。