日本のモーターサイクルショーにもプロトタイプがお目見えしたBMW F 450 GSが、EICMAにて正式に発表されました。排気量は420cc並列2気筒エンジンを搭載し、欧州ではA2ライセンス対応クラスに位置づけられるミドルアドベンチャーモデルとして、軽快さと俊敏な走りを重視した設計となります。日本国内でも「COMING SOON F 450 GS」として紹介されており、詳細仕様や価格、発売時期は近日公開予定となっています。KTM390アドベンチャーR、KOVE 450DUAL SPORT、そしてスズキDR-Z4Sなど過熱気味のヨンヒャククラスに新たな刺客の登場です(ただし、KOVE同様、大型二輪免許が必要です)。
車体構成は、新設計のスチールチューブフレームとKYB製43mm倒立フォーク、アルミスイングアームを採用。サスペンションストロークは前後とも180mmを確保し、19インチフロント/17インチリアのホイール設定により未舗装路にも配慮した走破性を備えています。ブレーキはフロントにブレンボ製4ピストンキャリパーを装備し、BMW標準のABS Proを含む統合制御システムも備えています。
エンジンは420cc並列2気筒で、クランクピンを135度位相とすることで滑らかな回転フィールと低速からの豊かなトルク特性を両立。燃費は3.8L/100km、最高速は165km/h、0-100km/h加速は5.9秒という数値が公表されています。さらに低速域での操作性向上を目的に「Easy Ride Clutch(ERC)」という遠心クラッチ機構を進化させた設計を採用。発進時や変速時のクラッチ操作を自動化し、必要なときは手動でも操作可能としています。すでにR1300GSなどでは、オートマも展開しているBMWだけに楽しみなところ。
電子制御では「Rain」「Road」「Enduro」の3モードを標準装備し、上位仕様には「Enduro Pro」モードも用意されます。シート高は845mm(オプションで830mm/865mm選択可能)とし、タンク容量14Lで満タン状態からの走行可能距離は350km以上とされます。バイク旅の装備として6.5インチTFTディスプレイ、スマートフォン連携、USB-Cソケット、ヒートグリップなども標準化されています。
48hpという扱いやすい出力で、従来の大型GSを持て余していたライダー層にも刺さるモデルとなるでしょう。発売日や価格が明らかになり次第、国内正規ディーラーを通じた案内が期待されます。