「いつかは海外ツーリングをしてみたい」という漠然とした夢をかなえるなら、今年だ。自分のバイクでヨーロッパを15日間にわたってツーリングできて、エルズベルグロデオまで観戦できてしまうプランが、電撃発表。こんなチャンスを見逃す手はない。

応援に行くことがサポートにつながる

ビバーク大阪では今年、エルズベルグロデオ、ルーマニアクス、ISDE、Enduro GPと4つのレースに参戦するライダーをサポートしている。エルズベルグロデオはトライアルIASの藤原慎也。ルーマニアクスはG-NET2021チャンピオン・山本礼人。ISDEは今企画を立ち上げたビバーク大阪代表の杉村晋吾氏とJEC IAランキング2位の保坂修一。Enduro GPは保坂と太田晴美だ。

ビバーク大阪ではこれらのレースにライダーが参戦するにあたり、2台のGASGASをヨーロッパに運ぶ。そしてそれらは日本レーシングマネージメント株式会社の取締役会長であるラリードライバーの菅原義正氏が持つフランスのガレージに保管される。

このバイクを運ぶ際のコンテナは20フィートあり、たった2台のバイクを運ぶのに莫大な費用がかかってしまう。それならば、「僕らと一緒に自分のバイクをヨーロッパに運び、自分のバイクでツーリングしながらレースを観戦に行きませんか?」というのが、このエルズベルグロデオ観戦ツーリングのそもそもの話だ。そうすることでバイク一台あたりにかかる輸送コストを抑えることができ、ライダーを間接的にサポートすることができる、というわけだ。

これはダカール・ラリーの創始者であるティエリー・サビーヌ氏のあまりに有名な一節。ただ「海外レースに参戦するからお金出してください」は簡単な話ではない。それでも何か力になりたい。そこでこのサビーヌの言葉から着想を得たのが、杉村氏が今回提案している『観戦が新たな応援のカタチ・持続可能な関係性』だ。

「お金をサポートするのではなくて、まずは観戦しようという提案です。毎年ビバーク大阪と杉村個人はフランスに向けてコンテナを出しています。前回も20フィートのコンテナを去年の夏くらいに出したのですが、オートバイ4台積んだだけであとはほぼ空きスペースという、すごくもったいない状況でした。レースに出る人に限らず、その空いているスペースにマシンをしっかり詰め込むことで、選手たちの負担を減らすことができるんです。さらにある程度台数がまとまってくると予算に余裕が出てきますので、輸送コストの一部を選手に還元できるシステムが作れないかな、というものです。

現金のサポートはなかなか難しい時代ではあるのですが、実際に応援にいくことで、それ自体が応援に繋がる、そんな仕組みができたとしたら、来年以降も色んな選手が海外レースに挑戦しやすいのではないかな、と思います。

また、エルズベルグロデオやルーマニアクス、Enduro GPについては出場するのは敷居が高いレースですが、ISDEやアフリカエコレースはクラスによっては一般のライダーさんも出場できるレースです。こちらは出場したいというライダーも募集中です。

ビバーク大阪からは今年2台のGASGASをヨーロッパに送ります。2スト250は藤原選手がエルズベルグロデオで使い、その後、保坂選手がISDEとEnduro GPに使います。そして4スト250は僕がISDEで使う予定です。これらのバイクに関してはレンタルは可能なので、他に何かヨーロッパのレースに出たいよという人に関してもお声がけください」と杉村氏。柔軟に対応可能な体制が心強い。