2019/2020年全日本モトクロス選手権IA2クラスチャンピオンの横山遥希が、2023オーストラリアモトクロス選手権MX2クラスにシリーズを通して参戦中。怪我から始まった今シーズン、開幕戦と第2戦の模様をレポート。

横山は日本から海外に進出して活躍する数少ないライダーの1人。全日本モトクロス選手権IA2クラスで2019年と2020年の2年連続でチャンピオンを獲得後、2021年4月からオーストラリアに拠点を移し、2022年よりオーストラリアモトクロス選手権MX2クラスに参戦を続けています。2022年には3位のリザルトも獲得し、存在感をアピール。挑戦2年目となる2023年は、所属チームであるEmpire Kawasakiと直接契約を結びレースに参戦しています。

開幕戦は横山の拠点地から一番近いビクトリア州「Wonthaggi Motocross Track」で、3月5日(日)に行われました。開催クラスは255〜450ccが対象の「MX1」、15歳以上かつ2ストローク122cc〜150cc/4ストローク200cc〜250ccが対象の「MX2」、14歳から18歳のジュニアライダーかつ2ストローク122cc〜150cc/4ストローク200cc〜250cc対象の「MX3」、そしてThe bLUcLU YZ65 CUPの4つ。横山はMX2クラスに出場し、レースは25分+1周の2ヒート制で行われました。

横山は2023年1月末に左鎖骨と左肩甲骨を骨折し、左肩甲骨が完治しないまま開幕を迎えることになりました。MOTO1、スタートから中盤につけて追い上げの展開、周回を重ねるごとに順位を上げていくものの14位でのチェッカーとなりました。なお、同レース中に起きた多重クラッシュによってライダーが亡くなる事故が発生。そのため、それ以降に予定されていたレースは全て中止となっています。

続く第2戦は、開幕戦から2週間後の3月19日(日)、ニューサウスウェールズ州にある「Macarthur Motorcycle Complex」で行われました。予選は20分の練習時間の中で行われるタイムアタック形式で、この順位で決勝のスタートゲートを選ぶ順番(ゲートピック)が決定します。横山は予選時にマシントラブルが発生し、ほとんどタイムを出せなかったこともありゲートピックは29番目となりました。レースはMOTO1、MOTO2ともにスタートで前に出ることができず、追い上げの展開。懸命の追い上げを見せますが、結果はMOTO1が15位、MOTO2が13位で総合12位のリザルトとなりました。

横山遥希コメント

「開幕戦は拠点地から1番近いコースでのレースでしたが、自分の力を発揮しきれず、結果は14位で終わりました。今年からマシンの仕様が変わったのですが、テスト不足もあり、結果に繋げることができませんでした。第2戦は、怪我も80%ほどまで回復をした状態で迎えることができました。しかし、タイムアタック予選の際にマシントラブルが発生し、ゲートピックが29番目になりました。ここで自分の強みであるスタートが発揮できず、MOTO2の中盤あたりからようやく自分の走りが戻ってきたという感覚がありました。ここ2戦は自分の走りができず、成績にも繋がらず、フラストレーションが溜まっています。次戦の大会まで1ヶ月弱しかありませんが、テストと乗り込みをしっかり行うことや、地方選手権に積極的に参戦することでレース感を養っていきたいと思います」

開幕から苦しい状況が続く横山。次戦までの1ヶ月が、調子を取り戻すために重要な期間となるでしょう。第3戦は4月16日(日)、ビクトリア州にある「Wodonga Motocross Track」で開催予定。当日はライブ配信もあるため、日本からでもオンタイムで応援することができますよ。

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