追いつけ追い越せの大奮闘、ファースト65

ファースト65は今大会で一番参加台数が多かったクラス。練習走行ではショートカットコースでレースを行う予定でしたが、ショートカット部分での転倒が多くスタックが発生。これを考慮し、レースはミドルコースに変更して行われました。

瀧本瑛介(#91)

ヒート1、スタートから瀧本瑛介が好スタートを決めるとそのままホールショットを獲得。1コーナーですでに後方との差を広げると、その勢いのままトップを独走していきます。しかし1周目で転倒。コース脇にそれてしまったことで復帰に時間がかかり、最後尾まで順位を落としてしまいます。

片山太郎(#86)

一方、瀧本の転倒によりトップに立ったのが松井嶺央将。その後ろに片山太郎、伊藤子龍、丹羽群青が続きます。松井嶺央将がレースを引っ張っていきますが、レース中盤に転倒。片山がトップに浮上します。そのまま片山がトップを守り切り初優勝を獲得。路面への対応力が発揮されました。

ヒート2は時間の都合によりレース時間を2分短縮。通常8分+1周のところ、6分+1周でレースが行われました。また、コース状況も回復しベストコンディションとなりました。スタートで瀧本がトップに立つと、ヒート1の巻き返しを図ります。ヒート1で優勝した片山はスタートで転倒し、追い上げの展開に。瀧本は他のライダーより3秒ほど速いタイムでトップを独走。2番手には丹羽、3番手には松井嶺央将が続き、ほぼ等間隔でレースが進行していきました。

川村來輝(#34)

中川麻希(#23)前田光琉(#78)、釜野央渡(#89)

一方、トップ3の後ろでは4番手争いが展開。中川麻希を先頭に、川村來輝、前田光琉、釜野央渡が追い上げを狙います。2周目で川村が中川をパスし4番手に浮上。川村がリードを拡大する一方、中川、前田、釜野が接戦を繰り広げます。中川が5番手を守るか、前田と釜野が仕掛けるか、僅差での戦いが続き、ラスト1周というところで釜野が前田をパス。その勢いで中川も抑え、釜野が一気に5番手に上がります。また、前田も中川を抜き6番手に浮上。さらに、4番手を走行していた川村がミスにより大きく順位を落としてしまいます。怒涛の順位変動が起きたレース後半。結果は4位釜野、5位前田となり、6位には最後に追い上げを見せた伊藤子龍が入りました。

なお、ヒート2は1位から瀧本、丹羽、松井でフィニッシュ。ヒート1を3位、ヒート2を2位と着実に結果を残した丹羽が、ファースト65クラスでは初めて総合優勝を獲得しました。

小島庸平のワンポイント・コメント!

「瀧本選手はタイムが1人ずば抜けて速くなってきた印象です。クラス全体で見ると、レースの運び方や組み立て方においてまだ経験が浅く、調子が乗ってきたところで転倒してしまうライダーも多く見られました。このレースを通して経験を重ねて、徐々に自分でレースを作ることができるようになっていってほしいですし、ここで得た経験は今後絶対に生きてくると思います」

1秒の壁を超えられるか、スーパー65クラス

齋藤極(#4)

ヒート1、好スタートを決めた小磯銀士が1周目をトップで通過すると、齋藤極が小磯を追いかけていきます。小磯と齋藤は僅差で1周目を通過。徐々に距離を詰めた齋藤が小磯をかわし、トップに浮上します。なお、齋藤は昨年のスーパー65クラスランキング2位。2022年第2戦以外全戦で表彰台に登っている、実力あるライダーです。気迫溢れるアグレッシブな走りで周りを引き離していき、そのままトップでチェッカーを受けます。

巽太壱(#60)

一方、前大会優勝を果たした巽太壱もトップを狙いますが、1周目に転倒し最後尾からの追い上げを余儀なくされました。すぐに巻き返し3番手に浮上すると、クラス内トップのラップタイムを記録する速さで、小磯に3秒差というところまで迫ります。しかしタイムアップとなり3番手でヒート1を終えます。

コースコンディションが回復したヒート2は、フルコースを使用してレースが行われました。スタートから巽と齋藤がトップ争いを展開。スタート直後の2コーナーで齋藤がインをつき、巽を引き離しにかかります。齋藤と巽のラップタイム差は約1秒。この1秒がなかなか縮まらず、逆に周を重ねるごとに差が広がっていきます。結果、1位齋藤、2位巽、3位に小磯が入りフィニッシュ。1秒という壁を守り切った齋藤の安定した走りが目立ちました。

小島庸平のワンポイント・コメント!

「ライダー同士でそこまでタイム差があるわけではないのですが、レースが進むごとに差が開いていきましたね。スーパー65クラスはレース経験のあるライダーたちの戦いなので、コーナーでしっかりとスピードを乗せてジャンプを飛ぶという、ミスのない走りを毎周積み重ねていくことが重要になってきます。この点、安定した走りを見せた齋藤選手が強かったと思います」