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転倒からの追い上げ、ラインが交差するトップ争い。ライダー1人1人のレベルの高さが示された、2023 44キッズクロス第5戦をレポート

2023 44キッズクロス第5戦
日時:2023年5月21日(日)
会場:モトワークスMX(静岡県)

コースからは富士山がちらり

コースは初開催となるモトワークスMX。静岡県での開催ということで、中部地方のライダーに加え、静岡や東京、神奈川に住む関東勢も集まりました。また、金曜日の降雨が良い散水となり、レース当日の日曜日はベストコンディション。これまでレースが雨続きだったことから「雨男」の名が定着していた主催者の小島庸平氏は、「お祓いに行ってきたのでもう大丈夫です!(笑)」と一言。その効果は絶大で、雨が降ることなく、涼しさを感じる最適な天候でレースが行われました。

今大会は、スーパーMOTO-E/ファースト50/スーパー50/リミテッド50/ファースト65/スーパー65、そして特別枠として年齢制限なしのエンジョイクラスが設けられました。エンジョイクラスには、キッズライダーの親御さんをはじめ、YouTuberのマイカルチャンプとマイカルチャン子、さらに85・150クラスポイントランキングトップの水野零埜も参戦し注目が集まりました。

丹羽の安定感が際立つ、スーパーMOTO-Eクラス

コースはアップダウンが激しく、細かなコーナーが多いのが特徴。コーナーでバトルを仕掛けるライダーも多く見られ、状況に合わせたライン取りやスムーズに曲がるコーナリングスキルが勝利への鍵となりました。スーパーMOTO-Eクラスのレースはショートカットコースで行われました。44キッズクロスに参戦するライダーの多くは中部地方出身で、普段乗り慣れていないコースに苦戦するライダーも。そんな中、ぶれない強さを見せたのがMOTO-Eクラスランキングトップの丹羽群青(#99)です。

広野康輝(#122)

丹羽群青(#99)

ヒート1では、広野康輝(#122)がホールショットを獲得し、丹羽を抑えるスタートの強さを見せます。しかし、直後の2コーナーでインに入った広野を丹羽はアウトからかわしトップに浮上。その後も冷静なライン取りとスムーズなコーナリングで独走状態に持ち込むと、安定した走りでトップを守り切ります。

ヒート2も丹羽がスタートから逃げ切る形でトップを独走。2周目には2番手と10秒以上差をつけてレースをリードしていきます。他のライダーが1分台のラップタイムを記録する中、丹羽は唯一58秒台を記録。一段上の速さを見せ、今大会も見事総合優勝を獲得しました。

広野あかり(#121)

一方、丹羽の後方では広野あかり(#121)とエイト(#23)が3番手争いを展開。序盤でエイトが前に出るも、レース終盤には広野あかりが抜き返し再び3番手に上がります。攻防戦が続く中、広野あかりが3番手を守り切りゴール。5分+1周という短い時間の中で着実に順位を上げていき、ライバルとの駆け引きをも制す強さに、今後も期待が高まります。

山本楓稀(#200)

フジイルカ(#69)

また、今大会が初参戦となる山本楓稀(#200)は、今季より開始したTORROTキッズ用電動バイク貸出サービスを使用してレースに参加。2ヒートともにWOOFを駆るフジイルカ(#69)と白熱したバトルを展開しました。ヒート1では0.7秒という接近戦の中、コーナーで攻めたフジイが転倒し山本に軍配。続くヒート2ではフジイが序盤から山本との差を広げていき、勝利を収めました。

なお、今大会もMOTO-Eクラス恒例のサイドコンテンツが開催。今回はコンテストではなく、「ジャックナイフやってみよう会」が行われました。その名の通り、ジャックナイフをみんなでやってみようという内容で、木または下り坂をきっかけとしてジャックナイフに挑戦していきます。ライダーたちはなかなか感覚を掴むことができずに苦戦しますが、小島氏やMCまんぽー、マイカルチャンプのお手本を参考に参加者も徐々に後輪を浮かすことに成功。マシンを操るテクニックを身につけたキッズライダーたちのさらなる成長が、今後も楽しみですね!

小島庸平のワンポイント・コメント!

「丹羽選手はスピードもあるし、コーナリングもスムーズで、クラスの中でも抜きん出た走りをしています。特に、滑りやすい路面でタイヤをしっかりとグリップさせて走っていて、レベルの高さを感じました」