2020年モデルでフルモデルチェンジを果たしたBETAのエンデューロモデルは、次のフルモデルチェンジに向け、熟成を続けている。22モデルでは一部のモデルにダイヤフラムクラッチを採用し、クラッチフィーリングを大幅に改善。さらに2スト300のボアストローク変更や、4スト125のフルモデルチェンジなど、見逃せない話題が盛りだくさんだ。Off1.jpではISDEゴールドメダリストの釘村忠に試乗をお願いした。

ショートストローク化で
さらにレーシーに進化したRR2T300

BETA
RR2T300
¥1,199,000

入門車向けのRR4T125LCを除くと、最も大きく変化したのはこのRR2T300だ。21モデルに比べエンジンがショートストローク化されており、数値で言うと

21年:ボア×ストローク72.0×72.0 総排気量293.1cc 圧縮比11.9:1
22年:ボア×ストローク73.0×69.9 総排気量292.6cc 圧縮比11.6:1

と、このくらいの差がある。

BETAの2ストロークモデルは2ストロークにしては低回転からトルクがあり、扱いやすいというのが、日本では一つの売り文句になっていたところがあったのだが、Enduro GPでBETAのファクトリーライダーであるフリーマンやホルコムが活躍している影響からか、300の22モデルは高回転型へシフトしてきた。

「僕の今の本番車(21年式のRR2T300)よりも回転の上がり方が早くて、レーシーですね。かなり力強くて、モトクロッサーほどじゃないけど、そんなイメージになっています。コーナーの立ち上がりなどで今までより加速しやすい場面がありながらも、高回転の頭打ちが今までよりも早いから、ギアチェンジは少し忙しいですよね。ピークパワーの幅が狭いので、ちゃんと乗ってあげないと速く走れませんが、よりアグレッシブに、速いバイクになった印象です」と釘村。

さらにパワーバルブやシリンダーヘッド、サイレンサーも新しいものになっている。特にサイレンサーはこれまでのものよりも小径化されており、エンジン特性に寄り添ったものになった。