バイクのことしか考えてない、ヘンタイのみなさま、こんにちは。そのクサイ頭に被ってるヘルメット、どうしてますか? 私は使う度にゴシゴシ洗って、内装もお洗濯。毎回フローラルな香り漂うヘルメットを装着しています。
 先日、事務所の先輩のトランポの中に、触りたくないような泥ヘルメットを見つけて、指摘したところ、「ちゃんとレースの前には洗ってるよ!」とのこと。毎回洗うのは、洗い過ぎで痛むって。え? そうなの? 洗っちゃダメなの? 嘘でしょ? だったらヘルメットの先生にちゃんと聞いてみよう。
 先生、教えて!

ヘルメットの先生

株式会社SHOEI
商品企画部
SHOEIひと筋30年 海老澤 孝 先生

画像: ヘルメットの先生

「ヘルメットは洗って良いです。乗った後に洗わない方がビックリ(笑)。ですが、ヘルメットの汚れには色々あって、使う目的によって汚れやお手入れの方法が違います。汚れの原因別に、お手入れの方法をしっかり覚えておきましょう」

通勤・爽やかツーリングのヘルメット

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先生「通勤やツーリングで汚れるのは、主に虫や汗汚れだと思います。虫汚れはなるべく早めに取ることが大切です。シールドも帽体もです。特につや消し加工の商品は、通常のクリーナーを使用すると艶が出てしまう場合があるので注意してください。虫汚れを放置すると、虫の体液が塗料に浸透してしまい、シミになりやすいので、なるべく早く、中性洗剤や、水を含ませたテッシュで拭き取りましょう」

マナ「シールドの汚れ防止で、車の窓ガラスの撥水コートを塗ると良いと聞いたことがあります。効果はありますか?

先生「車用の撥水コートはガラス用に出来ているため、プラスチックの素材を痛めてしまう可能性があるので止めましょう。SHOEIで使われているシールドは、ほとんどがポリカーボネートで出来ています。ポリカーボネートは、石油などの溶剤に弱く、徐々に沁みていって割れてしまう可能性があります。パーツクリーナーなどを使うのもやめましょう。ちなみにSHOEIのシールドは標準の状態で撥水加工が施されています。」

マナ内装の汗の汚れはどうしたら良いでしょう?」

先生「最近の商品は、内装が取り外せるものがほとんどです。取り外して洗ってください。通勤使用だと、取り外して洗う習慣は無いかも知れませんが、夏場は通勤でも汗をかきますし、汗をかいてなくても、髪の毛の汚れや肌の汚れ、排気ガスで気がつかないうちに汚れていますので、定期的に洗いましょう」

マナ「臭くなったらって感じですね」
先生「自分の臭いってわからないですけどね(笑)」

練習走行・レース

マナ「私、乗るたびに洗うんですけど、洗い過ぎですか?」
先生「オフロードコースですよね?汗もかくし、泥も飛んで来ますから、普通は毎回洗います」
マナ「でーすーよーねー。洗わないって友人も何人か知ってるので」
先生「え?います?」
マナ「います(キッパリ)」

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マナ内装はいつもネットに入れて、洗濯機に放り込んでいますけど、それは乱暴ですか?」

先生「それでも良いですが、泥汚れだとウレタンの中に入った泥を出すように手洗いした方がいいと思います。洗濯機も泥で汚れませんし。内装はウレタンで出来ているので、もちろん劣化はあります。洗濯の回数が増えれば痛んでくるのは当然ですが、汚れたものを使うよりは、洗った方が良いかと思います。コースを走らない場合でも、その季節が終わったら洗う習慣にしましょう。洗うとウレタンの感触が多少戻る場合もありますよ」

マナ「内装を外したヘルメットの内側、発泡スチロールの部分はどうすれば良いでしょう?洗っちゃって良いですか?海外の某ファクトリーチームでは、帽体を片足で抑えて、中を洗車機でガンガン洗うって聞いたのですが・・・」

先生「それはダメです。気持ちはわからないではないですけどね(笑)、ヘルメット中に水を入れるのは推奨していません。中の規格ラベルは紙であったり、あまり強くはないので剥がれてしまったり、削れてなくなってしまったりします。水で薄めた中性洗剤布に湿して拭くぐらいが良いです」

マナ「中のスチロールが痛んで潰れて来ちゃったりしますか?」

先生「すぐに痛んでしまうことはないですが、水の中につけっ放しにするのはやめましょう」

画像: 練習走行・レース

マナ帽体の外側の汚れはどうすれば良いでしょう」

先生「バイザーなどはずせるものははずして、十分に水を含んだ布で泥を落とし、乾いた布で拭いていくのが良いと思います。はずしたバイザーやノーズカバーなどは水につけて洗ってもOKです。バイザーのネジは、ある程度使うと劣化して割れやすくなるので、スペアを持っていた方が良いです。古くなったら早めに交換しましょう」

先生「モトクロスなどで、顎バンドが汚れたり、汗が沁みてしまった場合は、そこだけ水につけてもみ洗いすると綺麗になりますよ」

干す時の注意点

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先生「衝撃吸収ライナー(発泡スチロール)側を上にして天日干しにする方もいますが、それはやめてください」

マナ「水が溜まるからですか?」

先生「違います。太陽の熱で、発泡スチロールがさらに膨らんでしまうんです。そうすると衝撃吸収性能が変わってしまうので気をつけてください。干す時は、直射日光に当てないようにしてください。乾燥機のようなものを使っても良いですが、熱風が一箇所に集中して当たることのないようにしましょう」

ヘルメットの置き方

マナ「お手入れの他に知りたいことがあります。オフロードで、ヘルメットを脱いだ時、ヘルメットって首側と頭側、どっちを下にして地面に置くのが正しいんですか?」

先生「やっぱり、首側が下なのが良いと思います。傷もつきませんし、安定します。ただ、アリの通り道に置いてしまって、ベンチレーションの中にもアリがびっちり入ってしまったって話も聞いたことがあるので、置く場所には充分注意してくださいね。ツーリングの時などに、ミラーにかけて置くのもオススメしていません。ミラーで中の衝撃吸収ライナーが痛んでしまうので、タンクやハンドルのところに安定させて置くのが良いと思います。モトクロスやトライアルで、ハンドルにかけているのを見かけますが、バイクが倒れて、ハンドルで中の衝撃吸収ライナーを突き刺してしまったものを見たこともあります。気をつけてください」

ヘルメットはトランポに置きっ放しにしない

マナ「トランポの中に置きっ放しってダメですよね」
先生「夏場になると、車の中って50度以上になりますからね、衝撃吸収ライナーに熱が加わり、発泡スチロールが膨らんでボコボコになってしまいます。そうなると衝撃吸収性能が落ちてしまうので良くありません」

ヘルメットの修理

マナ「スチロールがダメになった時、修理ってできるんですか?」

先生「転んでいなければ、修理ってある程度できるんです。古いモデルですと、部品が無い場合があるので難しいですが、現行と、廃盤になって2~3年のモデルぐらいであれば、大丈夫です。さっきの話じゃないですが、内装を洗わないでいたら、中が物凄い臭いになってしまって、洗っても臭いが取れないなんて時には、交換するのが良いですね。外側のシェルだけ残して、中の衝撃吸収ライナーだけ交換することができるんです。ただし、転んでしまっているヘルメットは修理できません」

先生からのメッセージ

ヘルメットは頭部を守る大切なものです。正しい方法で、きちんとお手入れをし、安全性を維持しましょう。何かあった時に、あの時替えていれば良かったとか、あの時もっと良いヘルメットを買っておけば良かったと後悔するくらいであるなら、最初から自分が信頼して満足している物を身につけてください。不安を持ったまま使用しないようにしましょう。修理の依頼は販売店や、SHOEI顧客サービス課で承っていますので、いつでも相談してください。

製品の修理、品質についてのお問い合わせ
茨城工場内 顧客サービス課
TEL:029-892-3617

ご協力頂いたのは・・・
株式会社SHOEI
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