AMA(アメリカン・モーターサイクリスト・アソシエーション)は、カート・キャッセリの「モーターサイクルの殿堂入り」を発表した。2013年にレース中のアクシデントでこの世を去った、伝説的オフロードレーサーの功績を振り返る。

無名ライダーの活躍

1983年カリフォルニアに生まれたカートは、父、リッチ・キャッセリの影響で幼少の頃からダートバイクに親しんだ。15歳の時には地元のデザートレースシリーズで優勝、17歳で初めてISDEのグラナダ大会に出場して完走している。世界的なエンデューロシーンで知られるようになったのは、アメリカのジュニア代表(23歳以下)で出場した2003年のISDEブラジル大会。カートは、砂丘、砂漠の多いコースでトップクラスのタイムを連発。まったくの無名の若者だったカートに関係者は注目し、その後すぐにKTMは彼とサポートライダー契約を結んだ。カートは変わらずアメリカを中心に活動を続けたが、ENDURO GPや、エルズベルグにも参戦するなど、活躍の場は広がった。

画像: Kurt Caselli 1983 - 2013 AMAモーターサイクルの殿堂には、スティーブ・マックイーン、マルコム・スミスといった伝説的なライダーたちが名前を連ねる。 Photo : KTM Images

Kurt Caselli 1983 - 2013
AMAモーターサイクルの殿堂には、スティーブ・マックイーン、マルコム・スミスといった伝説的なライダーたちが名前を連ねる。
Photo : KTM Images

USAのドリームチーム

父のリッチ・キャッセリは、息子のカートをはじめとして、才能のある若者にチャンスを与え、ISDEで活躍できる強いワールドトロフィチームを作ることを夢見て、カートとともに尽力した。2006年のニュージーランド大会でアメリカのジュニアトロフィチームはついに優勝する。リッチの働きかけによって、AMAはISDEのワールドトロフィチームのライダー選抜方法を改め、エンデューロ国内シリーズのランキング外のライダーでも、実力があれば代表チームのメンバーになれるようにした。モトクロス、スーパークロス、またクロスカントリーレースのGNCCやWORCSといったシリーズに、才能あるライダーが多い。リッチらは、そうした豊かな土壌から有望なライダーを発掘し「ドリームチーム」を組織したのだ。

画像: Kurt Caselli Tribute from Endurocross 2013, Written and Narrated by Jason Weigandt youtu.be

Kurt Caselli Tribute from Endurocross 2013, Written and Narrated by Jason Weigandt

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砂漠に散る

2008年ギリシャ大会。カートは25歳になっており、ジュニアではなくワールドロフィチームでの出場。アメリカはフランス、イタリアに続く3位に入賞すめ快挙だったが、チームを育ててきたリッチは、この活躍を見ることなくガンのためにこの世を去った。しかし、彼の遺志は引き継がれ、その後もアメリカ代表チームは着々と実力をつけていく。2013年のサルディニア大会では史上初の2位入賞。ワールドトロフィ獲得は目前に見えたが、カート・キャッセリは、11月に出場したBaja1000におけるレース中のアクシデントでこの世を去った。享年30歳。

カートはISDEに取り組む一方、アメリカのオフロードレーサーの憧れのひとつであるBaja1000での優勝を目指し、2011年からデザートレースに本格的に取り組んでいたのだった。Baja1000での事故は、観客が置いた障害物が原因とも噂されたが、所属チームの調査によって、動物との接触が原因と推測されている。

画像: 2019年のISDEポルトガル大会。アメリカ代表は、ワールドトロフィ、ウイメンズワールドトロフィを同時に獲得する快挙を成し遂げた。 Photo : Masanori Inagaki

2019年のISDEポルトガル大会。アメリカ代表は、ワールドトロフィ、ウイメンズワールドトロフィを同時に獲得する快挙を成し遂げた。
Photo : Masanori Inagaki

功績は消えない

カートと彼の父親であるリッチ・キャッセリが築いた、アメリカのワールドトロフィチームの基礎は、しっかりと後進に受け継がれた。2016年スペイン大会では史上初のワールドトロフィチーム優勝を果たし、2019年ポルトガル大会では、ワールドトロフィとウイメンズワールドトフィを同時に獲得。ジュニアトロフィチームも2位という快挙を成し遂げている。カート自身は、ワールドトロフィチームクラスでの優勝を経験することはなかったが、カートと彼の父の名は、アメリカのモーターサイクル史、そしてISDEの歴史においても忘れられることはない。

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