ステージ8がキャンセルになったこともあって、ダカールも一気に終盤戦へ突入。以前、ラリーにおいては僅差とも言える20分台のリードで、ホンダのリッキー・ブラベックが激走しており、ハスクバーナのパブロ・キンタニラとKTMのトビー・プライスがこれを追う展開だ。ステージ9は、大きな動きはなく場は膠着。

PHOTO/RALLYZONE

画像1: 好勝負、再開。ダカールステージ9、じわじわと追い上げるKTM&ハスク VS 耐えるホンダのリッキー
画像2: 好勝負、再開。ダカールステージ9、じわじわと追い上げるKTM&ハスク VS 耐えるホンダのリッキー

SS410km、リエゾン476kmと長大なルートのステージ9。路面のほとんどは土で、デューンは5%。「何も無いところ(the Empty Quarter)」と呼ばれる、ルブアルハリ砂漠の一角を通過するが、ステージのうちのほんのわずかで30km程度であった。

守るホンダ

コルネオが「自分だけでなく、今日はステージに集中しづらい日だった」と語るとおり、ダカールの面々にパウロ・ゴンサルベスの事故は暗い影を落としている。その反面、フィジカルやマシンについてはステージ8のキャンセルによって誰もが予期せぬ回復を得た。

画像: 守るホンダ

ラリー終盤になると、特にステージ優勝の重みは前半とは異なるものになる。特にTeam HRCの2020年に関して言えば、集団から20分飛び出して単独トップを走るリッキー・ブラベックをチームとしてあと4日間いかに守り切るかに焦点が集まる。ブラベックとしては、ここで全力を出し切るリスクは高く、堅調に20分の貯金をいかに使っていくかを考えるべきだ。

ブラベックは、このステージ9において一時トップにたつものの、4番手でゴール。ブラベックは「明日は、キンタニラとプライスのほうが先にスタートする。だから、自分は彼らに追いついて視界にとどめておけばいい」と語るとおり、総合優勝に向けて有利な展開に持ち込んだ。2019年は、ラスト3ステージで無念のリタイアを喫している。雪辱を果たせるか。

タフな終盤戦が強いられる、KTM・ハスクバーナ勢

画像1: タフな終盤戦が強いられる、KTM・ハスクバーナ勢

KTM勢の苦戦は、パブロ・キンタニラの言葉に集約される。「ステージ8がキャンセルされたことで、私の作戦は暗礁に乗り上げた。残り3ステージ、プッシュし続け、いかにタイムを稼げるか…」と。このステージ9の優勝をパウロに捧ぐ、とコメントするキンタニラの状況は、現状2位にして重い。

画像2: タフな終盤戦が強いられる、KTM・ハスクバーナ勢

現状3位のトビー・プライスも「追う者」だ。「長く、そしてあっという間の一日だった。メンタル的に非常にくるしいステージだった」とプライスも苦悩をコメントする。特に、プライスはステージ7のパウロ・ゴンサルベスの直後を走っていたことから、相当にタフな1日だったろう。

ステージ9後、総合順位

順位ライダーチーム1位とのタイム差ペナルティ
1RICKY BRABECHRC
2PABLO QUINTANILLAHQV
  • 00H 20' 53''
3TOBY PRICEKTM
  • 00H 26' 43''
00H 02' 00''
4JOAN BARREDA BORTHRC
  • 00H 28' 16''
5JOSE IGNACIO CORNEJO FLORIMOHRC
  • 00H 29' 29''
00H 01' 00''
6MATTHIAS WALKNERKTM
  • 00H 37' 16''
7LUCIANO BENAVIDESKTM
  • 00H 41' 11''
8FRANCO CAIMIYAM
  • 01H 21' 04''
00H 05' 00''
9SKYLER HOWESKLYMCIW
  • 01H 24' 24''
10STEFAN SVITKOSLOVNAFT
  • 01H 30' 35''

ここにきて、次からのステージ10-11はマラソンステージが待ち受ける。さらには、ステージ10にはいよいよ「何も無いところ」に本格的に入り、30%以上がデューン。ステージ11も過酷な砂漠越えが続き、ナビゲーションは難しくトラブルも起きやすい。2020年のダカールラリー、最大の山場に入ると言えるだろう。

キンタニラや、プライスにとっては、20分以上のブラベックとの差を縮めていく必要がある。協調体制をとれる強みはあるが、ホンダもブラベックとバレダが協調体制をとってコマを進めていくことができる。

トビー・プライスの2016年の優勝で、はじめてモト部門においてヨーロッパ外のライダーが勝利した。もしブラベックが優勝することができれば、アメリカ初のダカール優勝ライダーになる。

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