カブやアフリカツインのマフラーなどホンダ純正のパーツを生産する熊本県合志市の企業、合志技研は、2022年の全日本モトクロス選手権に参戦することでモトクロッサーのR&Dを推し進めてきた。その集大成として生み出されたのが最終戦で総合6位の成績を残した大塚豪太車に装備されたマフラーだった

開けた分だけ前に進む、今季集大成のマフラー

ヒート優勝を狙いに行ける実力を持つ大塚豪太が、この2年間悩んできたのがスタートであることは本連載でも度々触れてきた。特に日本のコースレイアウトは、その幅の狭さからパッシングに悩まされることが多いため、スタートでしっかり前に出てアドバンテージを作っておくことがとても大事だ。大塚はシーズン後半になるにつれて、GOSHI Racingとの開発成果からスタートについての悩みを少しずつ拭い去ることができ、じわじわとスタートの成功率も上げてきていた。

画像1: GOSHI Racing Story '22「仕上がり良し、万人が乗りやすいJMX最終戦SUGO仕様のエキゾースト」
画像2: GOSHI Racing Story '22「仕上がり良し、万人が乗りやすいJMX最終戦SUGO仕様のエキゾースト」

「ここ何戦かスタートで出遅れることはなくなってきています。片足スタートがうまく決まってきているということもあるのですが、さらに細かくいろんなポイントがあるんですよ。毎回事前テストで考え方をゼロに戻して、ベストな方法を探ってきました。SUGOも両ヒートともに悪くないスタートでした。ヒート1は9番手くらいでオープニングラップを回って、しっかり1台ずつパスしていき、最終的に6位まで追い上げられました。

ヒート2は若干ミスで出遅れたことで、集団に巻き込まれて接触転倒。1周目は20番手くらいだったのですが、うまくメンタルを切り替えられました。こうなったらどこまで追い上げられるか挑戦だな、と考えられるようになったんです。実はポイントランキング上、7位と6位の境目にいたのでプレッシャーがあったのですが振り切れた感じですね。今回のSUGOは日照時間が短かったので25分のヒートだったのですが、その短い時間内で7番手まで追い上げが効いて諦めずに攻め切れたことはよかったと思っています」と大塚は言う。

画像: 開けた分だけ前に進む、今季集大成のマフラー

最終戦までにマフラーの仕様は熟成されていたため、このSUGOにはマッピングの変更だけで臨んだ。「最後の3戦を戦ったマフラーは僕も納得できた仕様でしたし、サンデーライダーが使っても乗りやすいものになったと思います。一番重視したのは開けた分だけ進むというところですね。低中速が弱いバイクだとパワーが食われる路面でアクセルをしっかり開けているのにタイヤが回らなかったりして、身体がマシンより先行して動いちゃったりします。逆もありますね。そういうネガが出てこないようにテストを積み重ねてきたので自信作ですよ」

狙い通りのセットアップで結果を出せた

GOSHI Racingの石浦氏も最終的なマシンの仕上がりに胸を張る。「SUGOは気温が低かったこともあって燃料をしっかり入れる方向でマッピングしました。前戦のオフロードヴィレッジとはスロットルの使う領域がだいぶ違っていて、特に開け口の部分でトルク感が出るような形にしています。

画像1: 狙い通りのセットアップで結果を出せた

事前テストの段階でパッシングが難しいレースになるだろうと感じていたので、抜きどころを3箇所大塚と決めて、そのポイントに合わせたマッピングを作り込んだ形ですね。クイックにマシンの向きを変えてもしっかり反応してくれるように合わせこんでいくのです。その辺がうまくいって、ヒート1も2も追い上げで結果を残すことができました。

この2年間、大塚やいろんな人に協力してもらってCRF450Rのマフラー開発に取り組んできたのですが、僕の実感としてはかなり早い段階である程度形になったところまで来れたなと思っています。自分たちが想定しているよりも、早く開発能力を成長させるできました。僕らは開発事業をゼロからスタートしているのですが、プロトタイプを制作して、レースでフィードバックを得て、改良していく、PDCAをしっかり回すプロセスを踏んでいく基礎体力のようなものが身についたなと思っています。僕自身ライダーだったこともあってこういった仕事ははじめてだったのですが、マシンとしっかり向き合うことを学びました」

大塚は昨年のランキング7位から最終戦で6位まであげられるかどうか、というところまでマシン・ライダーともに仕上げることができた。当初は石浦氏本人がライダーとして全日本モトクロス選手権を走り、その中でマフラー開発をおこなっていくプロジェクトだったが、この2年は開発とライダーを分けることでさらにその開発能力の成長を加速させてきた。特にマフラーの開発に不可欠であった燃調についての理解が一気に進み、リザルトにもその成長が反映されるようになった。

画像2: 狙い通りのセットアップで結果を出せた

ファクトリーの参戦が少なくなってしまった2020年代において、GOSHI Racingの活動は事前テストやマシン開発の内容、密度ともに全日本に参戦する数々のチームの中でも屈指だと言われている。2023年、さらなる飛躍を目指し、GOSHI Racingはオフシーズンから早くも各方面に奔走している。

画像3: 狙い通りのセットアップで結果を出せた
画像4: 狙い通りのセットアップで結果を出せた

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