提供元

画像1: 濱原颯道が信州大町でiRCガミータイヤ3種を徹底比較(JX8 GEKKOTA・VE-33s GEKKOTA・M5B EVO)
画像2: 濱原颯道が信州大町でiRCガミータイヤ3種を徹底比較(JX8 GEKKOTA・VE-33s GEKKOTA・M5B EVO)

ミニゲコタじゃないですよ!一応18インチフルサイズ用です

こんにちは!モータースポーツ総合エンターテイナーを勝手に名乗ってる濱原颯道です!
勝手に名乗り過ぎていて最近では紹介される時に「モータースポーツ総合エンターテイナーの」と、付けてもらえるようになってきました。

今回はiRC特集!

今回はハードエンデューロ界ではトップシェアを誇るiRCタイヤだけを履いてのインプレッションをする事になりました!オフロードバイクに乗ってる方なら「ゲコタ」って商品名を一度くらいは耳にしたことがあるのではないかなー?と思ってます。

まず初めに、僕は趣味でハードエンデューロをやっていますが、ハードエンデューロに強いiRCタイヤを自分のバイクに付けたことが一度しかありません。別に嫌いとかそう言うわけではないのですが、海外のトップ選手たちは僕が先日テストしたいわゆるFIMタイヤを履いてレースに出ているのでそちらの方ばかりに興味があり、今回このようなガミータイヤオンリーなテストをさせてもらえるのは僕としてもありがたかったですし、とても楽しみでした。

iRCのタイヤでハードエンデューロをやるに当たって主に5種類のタイヤがあります。
個人的な見解ですが、ロックセクションに強い順番で書いていけば
・TR011 TOURLIST
・iX-09Wゲコタ
・JX8ゲコタ
・VE-33sゲコタ
・M5B EVO
です。(その他にも『これ使えるよー!』みたいなのあったらすみません)
ちなみに土に強い順番はこの逆だと思っててもらっていいです。

上記の中でiX-09WゲコタとVE-33sゲコタに関してはこの「ゲコタ」の文字がないタイプがあります。
それは基本的に硬いコンパウンドで作られているものなのでハードエンデューロで使う人はあまりいません。
と言うか、みんな最初間違ってそっち買ってしまう事もあるので気を付けてくださいね。もちろん悪いタイヤなわけではないですよ。

まあこんな感じで5種類もあったら「どれ使ったらいいのよ」ってなるじゃないですか、なので今回は僕がこの中のJX8ゲコタ、VE-33sゲコタ、M5B EVOの3種類を色々書いて行けたらいいなと思ってます!

今回のテストコース

今回走った場所は長野県にある信州大町チャレンジフィールド(通称大町)です。
しかもマディ。大町のマディはやばいです。ホンモノのタイヤしか走る事ができないような場所です。

画像: 今回のテストコース

逆に、晴れなら何でもいいです。トレールタイヤでも全然走れます。

まず最初にテストしたのはJX8ゲコタ(JX8って書きますね)

JX8ゲコタ

画像: JX8ゲコタ

JX8ゲコタは、iRCタイヤ史上最も”何もしなくても”グリップしてくれるとされているiX-09Wゲコタのサイドを強化し、とりわけキャンバーに強い特性になるよう設計されたらしいです。

と言うか何故今回iX-09Wゲコタをテストしなかったかと言うと、ちょっとコンパウンドが柔らか過ぎて土が多い大町に合わないと思ったんですよね。白井などのロックが多いところで使ってみてください。

JX8をマディの大町で履いたところ、本当にどこも行けませんでした。空気圧0.4キロでスタートしたのですが、センターのゴムが柔らか過ぎて硬い土が出てるところだとブロックがペロペロ倒れる感じで全く進まなかったです。すぐに空気圧を0.25あたりまで下げたところ、少しグリップ感は出ましたが、タイヤが食う空気圧まで下げるとヨレます。ドライなら何でもグリップする大町においてはっきり言えるのは、JX8は大町に履いて来ない方がいいです

画像: このサカ(ワダチヒル)は濡れてたからJX8だけ登りきれなかった。

このサカ(ワダチヒル)は濡れてたからJX8だけ登りきれなかった。

キャンバー自体はグリップしてると言うか、ずり落ちない感じはありました。でもそこから切り返して行く時に(Zと言われる行動)抜けるんですよね。おそらく110/100-18という細めのタイヤサイズが影響してるのではないかなと思います。左側のブロックからセンターのブロックを経由するときにセンターのブロックが弱くてずり落ちる感じでした。
あと、足をぶらぶらさせてシートに座るようなイゴも同じくイマイチでした。サイドがしっかりしているから真っ直ぐ進むような時以外は良くなかったです。

「じゃあどこか良いのよこのタイヤは」って思うじゃないですか。
まずは根っこ。根っこは程々にグリップしてくれます。急激なグリップではないのでこれはとても良かったです。そして急な下り坂も他の2本より止まってくれました

画像: こういう下りで1番止まるのはJX8。1番止まらないのは33s

こういう下りで1番止まるのはJX8。1番止まらないのは33s

あとはロックですね、今回比較した他の2本よりは全然良いです。iX-09Wゲコタに比べても急激なグリップじゃないのでコントロール性が良かったです。
このタイヤがグリップするのはしっかりと両足でステップを踏んでいる時です。あとは他の人が走ってないようなふかふかした場所です。(他の人が走ったふかふかはダメ!)
なのでそう言った場所や特設コースみたいで誰も走った事のないような場所はいい気がしました!
そこで思ったのが、JX8は比較的トップライダーが使う事が多いと思ってます。トップライダーはしっかりとステップを踏む事ができ、そして多くの人が走れないような難所や斜度のキツい坂を登れます。そう言う時に威力を発揮します。なので「これからハードエンデューロ始めます!」みたいなビギナーな人には僕ならおすすめしません

お次はめちゃめちゃロングセラーなVE-33sゲコタ(33sって書きますね)

VE-33sゲコタ

画像: VE-33sゲコタ

このタイヤ、先に書きますけど万能です。ビギナーほど迷ったらこのタイヤ履いた方がいいです。昔から無くならないタイヤって理由があるんだなって思いました。
まず良いところは、リアが多少振られてもタイヤが接地してるなら何となく進んでいきます。タイヤのセンターやサイド、ゴロゴロとした石が出てきたり根っこが出てきても何となく喰っていきます。なのでラインの自由度が高く、目の前にいきなり障害物が出てきたりしても「こっち進も」って方に行ってくれます。これはセクションで渋滞してる時とかには大いに有効です。あとはタイヤが潰れていない時もそれなりに食うので押してる時も良かったです。
とにかく雑に乗っても何となくタイヤが良い仕事をしてくれるので、「迷ったら33s」と昔から言われているのは、その通りな気がしました。
これからハードエンデューロを始める方におすすめできるタイヤです。
「全てが85点なオールラウンダー」僕はそのように感じました。

画像: ブロックの配列的にどのバンク角でもグリップするのかなと思います。

ブロックの配列的にどのバンク角でもグリップするのかなと思います。

ではネガな部分はどこかと言うと、まず下り坂です。全然止まりません。そこで気になったのがブロックの形状。他のタイヤメーカーのブロックは、進行方向側の前側がなだらかになっていて後ろ側が切り立っています。前側がなだらかな理由は、ブロックがもげにくいようにするためらしいです。
一方、33sとM5B EVOはローテーション通りに組むと反対にブロックの前側が切り立っていて後ろ側がなだらかになっています。
これは僕の完全な憶測ですが、進む時は切り立ってるブロックの前側を使うからいいとして、減速で使うブロックの後ろ側がなだらかになっていることが、下りが苦手の原因ではないかと考えています。とにかく下りが食わないです。
ロックさせると左右のどちらかにリアタイヤが流れていくのも不思議でした。
あとは茶色いチュル土な場所で、アクセルを開け切れないような速度域な区間だとグリップ感が薄かったです。なのでそう言う時は開けちゃった方が進みます。

画像: この部分はいきなりグリップを失うような路面なんだけど、33sは別に気にならない。M5BEVOは若干苦手。

この部分はいきなりグリップを失うような路面なんだけど、33sは別に気にならない。M5BEVOは若干苦手。

あとは土の中に埋まってる石は少し弱かったです。ゴロゴロしてたら良いんですけど、埋まっている石の上に土が乗っているようなシーンだとあまりグリップ間を感じませんでした。
そしてキャンバーはJX8比較で言うとずり落ちやすかったです。
特性で言えばとにかく開けていれば進むタイヤなのでスロットル操作が丁寧な人というよりは2st125みたいなアケアケで行っても進むのでこのネガな特性が読めていたらかなり使い勝手の良いタイヤだなと思いました!
あ、でもタブリスとの相性が悪いのでムースもしくはチューブで使ってみて下さい!

画像: VE-33sのビード部分のこのリブみたいなのがあるからなのか、タブリスを使うと徐々にエアが抜けていく。

VE-33sのビード部分のこのリブみたいなのがあるからなのか、タブリスを使うと徐々にエアが抜けていく。

最後にM5B EVOです。このタイヤ、ブロックの高さが19ミリもあります。そしてサイズは140/80-18です。

M5B EVO

画像: M5BEVOのブロック高は19ミリもあります。

M5BEVOのブロック高は19ミリもあります。

元々はアメリカのヒルクライムレースやクロスカントリー向けなレースで使われていたタイヤらしいですが、日本でも一部のユーザーからは絶大な支持があります。
ふかふかした土はとにかくグリップします。パワー負けするので2stなら250以上、4stなら450以上な上に普段使ってるスプロケットよりさらにショートに振らないとギア比が合いません。外径がでかいのもあって、スプロケットやサスセットの調整をし直さないと使いこなせないと思います。とにかくたくさん使って特性をしっかり把握する必要があります。「グリップするから」と言う理由だけでこのタイヤを「次のレースでいきなり使おう!」みたいなのはおすすめしません。。このタイヤを使うならとにかくたくさん使って特性を知ると、より良い気がします。
土なら比較的どこでもグリップするのですが、意外とロックもJX8ほどでは無いですがそれなりに喰います。これは正直不思議でした。
このタイヤはとにかく特殊なキャラクターを持ってます。ふかふかの土のサカを登ってる時に途中で硬いチュル土が出てくると喰わなかったりします。でも最初からチュル土な場所だったらグリップするんですよ。

画像: マディな部分で強いのはM5BEVO。想像以上に進むからこの感覚に慣れる必要がある。

マディな部分で強いのはM5BEVO。想像以上に進むからこの感覚に慣れる必要がある。

何が言いたいかというと、タイヤがグリップするのって「掻いて進む」と「喰って進む」の主に2つからなってると思ってます。
このM5B EVOは掻いて進む事も喰って進む事も出来るのですが、掻いて進んでる最中に喰わせなきゃ行けない土質に変化した時に少しスロットル戻したくらいじゃ対応し切れないんですよね。

画像: この白っぽい土の部分はM5BEVOが良かったです。逆に万能な33sは苦手。

この白っぽい土の部分はM5BEVOが良かったです。逆に万能な33sは苦手。

「このサカ、発進する時は少し掻かせて途中で喰わせて転がしてもう1回掻かせて進める」みたいな色んな進め方をさせないといけない場面では難しいかったです。
なのでとにかく路面が安定したゲレンデみたいな広大な土地なら最高に良いのですが、ハードエンデューロのレースで使うのはこれに特化した乗り方が出来ないと難しいと思いました。
ふかふかとした土ならイゴでもサカでもとにかくグリップします。根っこがあると滑るのですがそれはスピードをつけていけば解決します。

画像: こう言った無垢なふかふかな部分もM5BEVOは強い。根っこが出でくるまでは最強かも知れない。

こう言った無垢なふかふかな部分もM5BEVOは強い。根っこが出でくるまでは最強かも知れない。

総評

JX8ゲコタ総評

ロックや根っこが多いところでiX-09Wゲコタだと少し剛性が弱く感じる方(体重が重いなどの理由)
・トップライダー達にはおすすめです。

おすすめしないのは
・チュル土のマディ
・砂じゃない土の時のマディ
・体重が軽い人(65キロ以下)と言った感じです。

VE-33sゲコタ総評

・まだ何もハードエンデューロやったことないけどタイヤで悩んでる人
・2st125ccに乗ってる人
・ロングライフが希望の方にはおすすめできます。

おすすめできない部分はそんなにないです。
どこも満点じゃないですが、とてもバランスの取れたタイヤです。

M5B EVO総評

・JNCCなどのゲレンデ系レースに出る人
・とにかくサカで気持ちよくなりたい人
・比較的パワーのあるバイクな人たちにはおすすめです。

おすすめしないのは根っこが多いところです。あとはスプロケットやサスセットも変わるのでそこは注意が必要です。

まとめ

iRCタイヤのハードエンデューロ用にラインナップされてる数が他メーカーより多いのは、しっかりとキャラクターが分かれてるからなんだなと感じました。結果的それはビギナーにとっては迷わせる理由にもなりますが、タイヤのキャラクターと走るコースの状況をしっかりと把握出来てる人にとっては良い武器になります。どのタイヤも使い方次第でどうにでもなります。僕は今回の記事ではタイヤの特性が持つ苦手な部分を多く書きましたが、「ダメなタイヤだ!」と言ってるわけではありません。この苦手な部分をあらかじめ乗り手が把握出来ていれば「良いと思って履いたタイヤに騙された…」みたいな切ない思いはしないで済むと思います。

いかがでしたか?2日間も大町を走ったのでまだまだ書きたいことはいっぱいありますが、4部作くらいになってしまいそうなのでこの辺で切り上げようかと思います!

今回紹介した製品はこちら

SUPPORTED BY

ヤマハのサイトはこちら スズキのサイトはこちら ホンダ ​​ KTM ハスクバーナ・モーターサイクルズ GASGAS FUMA+1のサイトはこちら Technix j1 j1

SPECIAL THANKS

ポカリスエットのサイトはこちら アライヘルメットのサイトはこちら

This article is a sponsored article by
''.