3月30日(土)、ミズーリ州のセントルイスにあるザ・ドーム・アット・アメリカズ・センターにて、AMAスーパークロス選手権第12戦が開催されました。

今回のレースはトリプルクラウン。250SXクラスは10分+1周、450SXクラスは12分+1周のレースを3回行い、総合優勝を決めます。Team Honda HRCから250SX WESTに参戦する下田丈は2連続3位表彰台を獲得しており、ここからさらに一歩上がることができるのか、期待が膨らみます。

画像1: 下田丈、課題のスタートを決めてトリプルクラウン総合2位

レース1、中央ややアウト寄りのグリッドから飛び出した下田は伸びのよい出足で、ファーストコーナーで少しアウトにはらんだものの、ジュリアン・ブーマー、リーヴァイ・キッチン、ライダー・ディフランチェスコに次いで4番手でレースを開始。キッチンとブーマーがやや抜け出し2台でバトルを展開する中、下田はディフランチェスコをパスして3番手に上がります。

トップ争いからはキッチンが早々に抜け出し独走状態に。そして2番手のブーマーに下田と、さらにその後ろからネイト・スラッシャーとボードン・スミスというヤマハの2台が迫っていきます。しばらくは後ろから様子を伺っていた下田でしたが、ラスト4分でブーマーにバトルを仕掛けていき、リズムセクションで並んでインにつくと、次のコーナーでブーマーを抜いて2番手に上がります。

後続のスミス、スラッシャー、そしてRJハンプシャーも次々にブーマーをパスしていき、下田はこの3台をラスト3分で振り切れるか、注目が集まりました。下田の後ろでスミスとハンプシャーがバトルを展開する中、下田は最後まで安定した走りをキープし2位でゴール。優勝はキッチン、3位にはハンプシャーとの表彰台争いを制したスミスが入りました。

レース2でもレース1と同じ中央アウト寄りのグリッドを選んだ下田は7番手でレースをスタート。レース前半で5番手まで順位を上げると、後半には3番手争いを繰り広げるディフランチェスコとスラッシャーに追いつき、2台を連続でパスして表彰台圏内の3番手に上がります。

トップに目を向けると、ホールショットから先頭を譲らないキッチンにスミスが序盤で迫る場面も見られました。しかし徐々に差は開いていき、2人とも単独走行となります。

ラスト2分、3番手を走る下田の後ろからハンプシャーがアタックを開始します。計時終了後、その勢いはさらに増しますが、下田はうまくそれをガードしていき、一度も前を譲りません。ハンプシャーを抑え切って3位でチェッカーを受けた下田は、レース1に引き続きポディウムフィニッシュを果たしました。優勝はキッチン、2位はスミスでした。

画像2: 下田丈、課題のスタートを決めてトリプルクラウン総合2位

レース3でも同じグリッドからスタートした下田は、キッチン、ハンプシャー、ブーマーに次いで4番手でファーストコーナーを周り、すぐ後のリズムセクションで3番手に上がります。その後、10分間のレースを通してキッチン、ハンプシャー、下田のトップ3台はそれぞれが独走状態となり、そのままゴール。下田は2-3-3で3レース全てでポディウムフィニッシュを遂げ、総合2位でこのラウンドを終えました。

総合優勝はキッチン。250SXクラスのトリプルクラウン1-1-1は2019年にデトロイトでオースティン・フォークナーが達成して以来初だそう。3レースともスタートが決まり、ファステストラップも記録するなど、文句のつけどころのない走りでした。総合3位には3-2-4のスミスが入りました。

画像3: 下田丈、課題のスタートを決めてトリプルクラウン総合2位
画像4: 下田丈、課題のスタートを決めてトリプルクラウン総合2位

下田丈(Team Honda HRC

「これまでスタートがうまくいってなくて、今回もホールショットは取れなかったけど、スタートが決まればトップのメンバーと戦えることはわかっていたので、いいスタートが決められたことが一番嬉しいです。ホールショットを取るために無茶なことはしなかったけれど、アウト側からいいラインを取れました。トラックは荒れていて何度か危ない瞬間もあったけれど、みんなも同じだったと思います。メカニックをはじめ、Team Honda HRCクルーのみんなに感謝します。毎週良くなってきているので、自信にもなっています。次はナッシュビル!」

今回の下田はスタートである程度前に出られたことで、10分間という短いレースでも序盤から前の方にいて良い順位を狙えたように見えます。特に、全体的な安定感の面で今回の下田はシーズン前半より明らかに前進していて、アベレージのラップタイムは安定した走りで全体の中でも好タイム。これが上位フィニッシュの理由になっていたと思われます。一方で、下田本人がプレスカンファレンスでも触れていたことですが、ファステストラップはレース1では6番手、レース2では5番手と、上位ライダーの中では下の方で、ラップタイムの面では苦しんでいた様子。今回上手くいったスタートと安定した走りに、さらに早々のトラック攻略が加われば、優勝も近いように思われます。

画像: Supercross Round #12 250SX Highlights | St. Louis, MO The Dome At America's Center | Mar 30, 2024 youtu.be

Supercross Round #12 250SX Highlights | St. Louis, MO The Dome At America's Center | Mar 30, 2024

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画像5: 下田丈、課題のスタートを決めてトリプルクラウン総合2位

450クラスは、イーライ・トマックが1-1-1で総合優勝を飾りました。

レース1では、スタート直後のリズムセクション終盤でミッチェル・オルデンバーグが転倒したことで、巻き込まれたアダム・シアンサルーロやチェイス・セクストンらも転倒、ジェット・ローレンスもこれにより10位前後まで順位を落とします。スタートを決めたハンター・ローレンスとイーライ・トマックが抜け出しますが、ハンターは転倒で後退し、トマックがトップに立ちます。トマックはこのままトップを独走し優勝。2位には1台ずつ着実にパスして追い上げて行ったジェットローレンス、3位にはアーロン・プレシンジャーが入りました。

レース2ではジャスティン・クーパーがファーストコーナーで速さを見せトップに立ち、ジェット、トマック、セクストンと続きます。序盤でジェットがクーパーを抜き、そこから独走を開始してそのままトップチェッカーでゴール、そこにトマック、ジェイソン・アンダーソンが続きます。ところが、チェッカーフラッグ時にレッドクロスフラッグ(見えにくい位置で起きている危険の回避のために提示される旗で、ジャンプやパッシングを禁止する)が提示されており、それを見逃して、あるいはその旗の意味がわからずジャンプでチェッカーを受けてしまったライダー全員に、2ポジションダウンのペナルティが課されることに。トップチェッカーのジェットや3番手でゴールしたアンダーソンもそのペナルティを受け、リザルトはトマック優勝、2位にハンター、3位にジェットとなりました。

画像6: 下田丈、課題のスタートを決めてトリプルクラウン総合2位
画像7: 下田丈、課題のスタートを決めてトリプルクラウン総合2位

レース3では序盤からトマック、セクストン、ウェブの3台が抜け出す展開に。そのやや後ろ6番手を走行していたジェットは、コーナーでジャスティン・バーシアからTボーンアタックを受けて転倒。手に痛みがある模様でしたがなんとかレースに復帰します。レース中盤、ウェブがセクストンにバトルを仕掛け、ジャンプでパスして2番手に上がるとそのまま引き離していき、そのポジションでゴール。トマックが優勝し、ウェブが2位、セクストンが3位という順位でレースが終わりました。

総合優勝は1-1-1のトマック、2位は5-6-2のウェブ、3位は8-2-4のハンター・ローレンスでした。

画像: Supercross Round #12 450SX Highlights | St. Louis, MO The Dome At America's Center | Mar 30, 2024 www.youtube.com

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