5月24日(土)、アメリカのカリフォルニア州にあるフォックス・レースウェイにてAMAプロモトクロス選手権が開幕しました。

注目ポイント
・AMAプロモトクロスの見所、タイムドクオリファイで見る250ccクラスの勢力図
・【決勝レポート】下田丈、抜群のスタートでトップに迫り2ヒート連続2位獲得
・【Off1的分析】本人も驚くレース展開、好スタートが鍵に

AMAプロモトクロス開幕、タイムドクオリファイで見る様相

5月24日、AMAスーパークロス選手権最終戦から2週間のインターバル期間を経て、AMAプロモトクロス選手権が開幕しました。同選手権は全部で11戦。スタジアム内に作られたコースで競うスーパークロスとは異なり、プロモトクロスは自然の地形を生かした屋外のコースを使用します。また、30分+2周の2ヒート制ということでレース時間が比較的長い点も特徴で、長大なジャンプセクションやコース幅を生かしたライン取り、ハイスピードで競う30分間のペース配分など、そのスピード感や各ライダーが見せる駆け引きが見所です。

AMAシリーズで上位を争う唯一の日本人ライダー下田丈は、Team HRC Progressiveから250ccクラスに参戦します。スーパークロス選手権では開幕戦で優勝を果たすも、第2戦のタイムドクオリファイ中にピットボードに指が当たり、左手薬指と小指を骨折。しかしその後も欠場することなくレースに参戦し、ポイントランキングを4位で終えました。

250ccのタイムドクオリファイではチャンス・ハイマスがトップ通過。2位につけた、2024年プロモトクロス選手権チャンピオンのヘイデン・ディーガンとのベストラップタイムの差は2秒と、ハイマスが頭一つ抜きん出るスピードを示しました。下田は総合9位で通過。決勝では下田が課題としているスタートで前に出られるかが鍵となりました。

下田丈、好スタートからの追い上げで2位表彰台獲得

当日の気温は暖かくコースはドライコンディション。レース解説によると「周回を重ねるごとに硬い路面が現れ、轍も深くなっていく。ギャップや轍に引っ掛かって転倒するなど、イージーミスをしやすい状況」というコメントもあり、荒れる路面への対応する判断力が求められました。

画像: 下田丈、好スタートからの追い上げで2位表彰台獲得

迎えたMoto1(決勝ヒート1)、下田は好スタートを決めて5番手から追い上げを図ります。下田はセス・ハマカーを抜いて4番手に浮上すると、前を走るタイ・マスタープール、ハイマス、ジュリアン・ブーマーに迫ります。その後、後方から追い上げてきたディーガンに前を譲りますが、下田は負けじと食らいつき、ディーガンに続いてマスタープールをかわし4番手に浮上します。一方、残り16分を切ったところでトップを走るハイマスが転倒。3番手で復帰したハイマスに下田が迫ります。追い上げる中で2番手を走るブーマーとの差も縮まり、3台による2番手争いが展開。下田はパッシングポイントをうかがいつつ、勢いに乗って一気に2位へ上がります。その後もペースを落とすことなく、トップのディーガンとの差を詰めますがタイムアップ。結果1位ディーガン、2位下田、3位ハイマスでフィニッシュとなりました。

続くMoto2(決勝ヒート2)では、下田がMoto1に引き続き好スタートを決めて4番手につけます。下田はラインを変えながら前を走るディーガンを猛追。残り時間19分を切る頃、2番手を走るトム・ビアルに、ディーガンと下田が迫ります。ディーガンがビアルをかわして順位を上げると、下田もビアルの隙をついて3番手に浮上。さらにトップ争いを展開するディーガンとブーマーにも近づきます。ディーガンがトップ争いを制しリードを広げる中、残り10分を切ったところで下田がブーマーのインをつき2番手に浮上。結果ディーガンが2ヒートともに優勝を獲得。下田は2位、3位ブーマーという結果でレースを終えました。

「自分でも驚いた」下田を勢いづけたレース展開

画像: 「自分でも驚いた」下田を勢いづけたレース展開

下田は今回好スタートを連発。2ヒートともにスタート直後から上位争いを繰り広げる展開となりました。この下田に対し解説は "a whole new Jo(新たな丈)" とコメント。追い上げのレースが多かったスーパクロスから一変、スタート直後から上位を争う下田の走りに注目が集まりました。

下田は、Moto2終了後のインタビューで今回のレース展開について聞かれると「(今回のレース展開は)自分でも驚いたよ。スタートを決めて、毎周プッシュしていくと自分に言い聞かせながら走っていたからできたことだと思う。今年は大変なシーズンだけど、表彰台に戻って来られて嬉しい」とコメント。自身も驚いていたとのことですが、この開幕戦で見事なスタートと追い上げる力を発揮し、結果を残したことでさらなる自信がついたレースになったのではないでしょうか。

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ジェット・ローレンス復活、450ccクラスのトップ争いに注目

画像: ジェット・ローレンス復活、450ccクラスのトップ争いに注目

450ccクラスは怪我でスーパークロス選手権を離脱していたジェット・ローレンスやハンター・ローレンス、イーライ・トマックやホルへ・プラドなどが復帰し、トップ争いに注目が集まりました。そんな中、2ヒートともに優勝を獲得したのがジェット・ローレンスです。特にMoto2ではイーライ・トマックからの猛追を受ける場面もありましたが、トップを守り切りフィニッシュ。レース後に「トマックから何度かアタックがあって、それをかわすのに全力を尽くさなければならなかった」とコメント。一方、トマックはレース後に「ジェットとレースできて光栄だった」と話すとともに、自身が完全な健康状態に戻ったことを感じていると語っており、両者ともに好調を示しました。

なお、ジェット・ローレンスは450ccクラスにステップアップしてからの3年間、フォックス・レースウェイで行われたプロモトクロス選手権全6ヒートすべてで勝利を収め、さらにすべての周回をトップで通過するという驚異的な記録を達成しています。

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次戦は5月31日(土)、カリフォルニア州にあるハングタウンで開催されます。

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