6月14日(土)、2025 AMAプロモトクロス選手権第4戦ハイポイントがペンシルベニア州にあるハイポイントレースウェイで開催されました。
注目ポイント
・3位と僅差、タイムドクオリファイを4位通過
・両ヒート転倒、粘り強い追い上げ力が発揮される
・上位をも上回るラップタイム、下田の速さが光るレースに
下田丈、タイムドクオリファイ4位通過で好調を示す
ハイポイントレースウェイは1970年からプロモトクロス選手権やGNCCなどが行われている伝統的なコースで、アップダウンが激しいレイアウトが特徴です。当日は朝から晴れてドライコンディションでしたが、450クラスのMoto2が行われたタイミングで大雨が降り、最後はマディコンディションの中でレースが行われました。
下田丈の第3戦までのタイムドクオリファイを振り返ると、総合9位以内が続いていましたが、今回は4位で通過。ベストラップタイムを見ると3位のリーバイ・キッチンと0.6秒ほど、2位のチャンス・ハイマスとは1秒ほどの差で、表彰台を十分に狙えるハイペースを記録しました。
両ヒートともに転倒、総合6位でレースを終える
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x.comMoto1(決勝ヒート1)、下田はスタートで出遅れ、序盤11番手あたりから追い上げを強いられます。その後順調に順位を上げ、前を走るケイシー・コクランもパスして8番手に浮上。しかしその直後のコーナーでバランスを崩し転倒。すぐに復帰しましたが、再び11番手あたりからの追い上げとなりました。下田は最後まで諦めず、着実にポジションを上げて行き、残り3周というところで後退したマイケル・モシマンを抜いて7位に浮上。さらに、前を走るガレット・マーチバンクスとの距離を縮めると、最終ラップのゴール直前でパス、6位フィニッシュを果たしています。
一方、トップ争いを見ると、ネイト・スラッシャーがホールショットを獲得して、ヘイデン・ディーガンが2番手、ケイデン・マイニアが3番手につけました。ディーガンがスラッシャーをパスしてレースをリード。マイニアは転倒し、セス・ハマカーが3位を走行します。その後トップ3台は間隔が開き、ディーガン、スラッシャー、ハマカーの順でフィニッシュ。

Moto2(決勝ヒート2)ではトム・ビアルがホールショットを獲得しますが、ディーガンがすぐにトップに立ち序盤からリードを築きます。2番手にはチャンス・ハイマス、その後ろにはビアルがつき、下田は5番手から追い上げる展開となりました。下田は前を走るコクランを捉えるとレース開始4分で4番手に浮上、さらに前をゆくビアルに迫ります。レース中盤、下田はビアルとの差を1秒まで縮め、ここからさらにアタックすると思われましたが、転倒によりポジションダウン。解説によると、転倒したコーナー出口は散水による水が貯まる場所であり、そこでマシンが滑ってしまったとのこと。下田はすぐに再スタートを切り、上位ライダーより速いラップタイムで着実に順位を上げますが、5番手まで追い上げたところでレースを終えました。なお、優勝は後方を17秒以上引き離したディーガンが獲得。2番手を走っていたハイマスは最終ラップで右膝に痛みを覚えたことで後退し、ビアルが2位、ハイマスが3位という結果でゴールとなりました。
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450クラスは、Moto1が曇り、Moto2で大雨が降るという天候変化がレースに影響を与えました。Moto1では、ジェット・ローレンスがホールショットを獲得。途中でエンストするアクシデントがありましたが、再び追い上げアーロン・プレシンジャーとハンター・ローレンスをパスして勝利を収めました。2位はハンター、3位プレシンジャーという順位でゴール。

続くMoto2では天気が一変、激しい雨が降る中でのレースとなりました。ハンターがスタートで前に出ましたが、イーライ・トマックがすぐにトップに浮上。ジェットはスタートで出遅れるも、追い上げ3番手を走行します。レース終盤の行方に注目が集まりましたが、レース時間残り7分というところで、雷接近のため赤旗終了。これによりトマックがMoto2を制しました。総合優勝はジェットが獲得、キャリア19回目の勝利を飾りました。ハンターは総合2位、トマックが総合3位に入賞。ジェットがチャンピオンシップでのリードを28ポイントに広げました。
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youtu.be上位を上回るラップタイム、下田の圧倒的な速さが光る
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x.com今大会で下田は両ヒートで転倒。6-5で総合6位と表彰台には届きませんでした。しかし、転倒後から追い上げる粘り強さとそのスピードは目を見張るものがあり、実際に下田の走りについて解説は「彼は確実に速くなっている」と評価。中継でも度々下田の追い上げシーンがフィーチャーされており、250クラス内における存在感の大きさが示されていました。特にMoto2のラップタイムを見ると、ベストラップタイムはディーガン、ハイマスに次ぐ3番手を記録。さらに速さを身につけている下田の次戦に期待が高まります。今回の結果によるポイントランキングの変動はなく、ディーガンに次ぐ2位を維持。トップとの差は42ポイントとなっています。
次戦は1週間のインターバルを挟んだ、6月28日(土)。アメリカのマサチューセッツ州にあるThe Wick 338で行われます。