ドゥカティは2025年10月3日、米国で開催されているモトクロスオブネイションズ会場で新型オフロードモデル「Desmo450 EDX」を正式発表しました。モトクロス仕様「Desmo450 MX」をベースに、クロスカントリーおよびエンデューロ競技向けに開発されたモデルで、デスモドロミック機構付き単気筒エンジン、電子制御システム、エンデューロ専用シャシーを採用しています。北米では2026年1月からデリバリーが開始される予定です

クロスカントリー専用設計の軽量車体
Desmo450 EDXは、MXモデルのアルミツインスパーフレームを共用しながらも、燃料タンクを2.25ガロン(8.5L)に拡大。長距離走行を想定した構造となっています。ホイールはフロント21インチ/リア18インチの専用セットを装着し、ピレリ・スコーピオンXCミッドソフトタイヤを標準採用。サイドスタンドやスキッドプレート、ハンドガードも標準装備され、競技にすぐ投入できるパッケージとしています。ただし、一般的にエンデューロマシンは公道を想定したモデルですが、こちらはクローズドコース専用。EDX(エンデューロ・クロス)という名前は広範な「エンデューロ」を意味しているものと思われます。

ショーワ製サスペンションはエンデューロ専用チューニングが施され、49mm径のクローズドカートリッジフォーク(ストローク310mm)と、フルアジャスタブルのリアショック(ホイールトラベル301mm)を搭載。どちらも新しいスプリングレートと減衰設定が与えられています。
デスモドロミック単気筒エンジンと電子制御システム
搭載される449.6cc単気筒エンジンは、ドゥカティがMotoGPでも使用するデスモドロミック・バルブ駆動を採用しています。最大出力は63.5hp/9,400rpm、最大トルクは39.5ft-lb(約53.6Nm)/7,500rpm。レブリミッターは11,900rpmに設定されており、同クラスでは最高水準を誇ります。
低回転域から高回転域までリニアに立ち上がる特性が特徴で、最大トルクの70%を4,200rpmで発生。トラクションの安定とコーナー立ち上がりの鋭さを両立しています。メンテナンスインターバルは、ピストン交換およびバルブクリアランス点検が45時間ごと、エンジンオーバーホールが90時間ごとに設定されています。
電子制御システムには、クローズドループ方式のDucati Traction Control(DTC)、Launch Control、Engine Brake Controlを搭載。2種類のライディングモードをアプリから設定でき、クイックシフターも標準装備されています。
スペックと価格
項目 | 内容 |
エンジン | 水冷4ストローク単気筒、デスモドロミック駆動 |
総排気量 | 449.6cc |
最高出力 | 63.5hp/9,400rpm |
最大トルク | 39.5ft-lb(約53.6Nm)/7,500rpm |
燃料タンク容量 | 8.5L |
車両重量(乾燥) | 236.1lb(約107kg) |
フレーム | アルミツインスパー |
フロントサスペンション | ショーワ49mm倒立フォーク、クローズドカートリッジ、ストローク310mm |
リアサスペンション | フルアジャスタブルモノショック、トラベル301mm |
タイヤ | ピレリ・スコーピオンXC ミッドソフト(F:80/100-21、R:110/90-18) |
ブレーキ | ブレンボ製キャリパー+ガルファーディスク(F260mm/R240mm) |
ホイール | タカサゴExcelアルミリム+アルピナスポーク |
電子制御 | DTC、ローンチコントロール、エンジンブレーキコントロール、クイックシフター |
メンテナンス | ピストン/バルブ点検45時間ごと、オーバーホール90時間ごと |
価格(北米MSRP) | 12,495ドル(約187万4,000円)※別途デスティネーションチャージ795ドル |
デリバリー開始 | 2026年1月(北米) |