BMWが世界各地で開催するアドベンチャーライダーの祭典「インターナショナルGSトロフィー」。その2026年大会に向けた日本代表選考会「GSトロフィー2026ジャパン・クオリファイ」が、群馬県嬬恋で行われた。3日間にわたる競技を経て、日本代表の2名が決定。技術と冷静さ、そして仲間との信頼が試されたその戦いを振り返る

画像: BMW GSトロフィー日本代表が決定、嬬恋の選考会ルポ

嬬恋で決まった、ルーマニア行きの二人

世界一のGS乗りを決める冒険の祭典「インターナショナルGSトロフィー」。
その日本代表を決める国内選考会「GSトロフィー2026ジャパン・クオリファイ」が、10月11日から13日にかけて群馬県・パルコール嬬恋リゾートで開催された。標高1300メートルの高原には、全国から腕自慢のGSライダーが集まり、世界を目指す真剣勝負が繰り広げられた。

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大会最終日、晴天に恵まれたフラットダートに世界基準で定められたファイナルコースが設けられた。前夜に発表された10名のファイナリストは、狭いスペースをフルロックで回るガレージ、一本橋のライディング・オン・ア・ログ、巨体をパワースライドさせるエレファントターン、リアタイヤで丸太を倒すヒッティング・ザ・ターゲット……など、バイクの挙動を読む冷静さと、限界で踏ん張る根気が問われる課題を張り詰めた緊張感の中で試された。

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技と集中力が交差するファイナルコース

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ゲット・ドレス・アンド・スタート・ザ・GS

ヘルメットのあごひも、グローブ、ウエアなどを適切に装着する行為から、まずは競技がスタートする。

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ガレージ

狭い区画の中で、左右フルロックのターンを連続して行うセクション。速度よりも安定性が重視され、わずかな足つきでも減点となる。クラッチ、リアブレーキ、スロットルを緻密に連携させ、余裕のあるラインどりを思った通りにトレースする技術が求められる。

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ライディング・オン・ア・ログ

丸太を一本橋のように渡るバランステスト。前セクションのガレージからのアプローチはいやらしいラインで、前輪が乗る瞬間にすべてが決まる。視線の送りと体軸の保持が重要。

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エレファントターン

限られたスペースで180度のターンを行う。ハンドルを切りながらリアをパワースライドさせ、最短距離で方向転換する。

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ヒッティング・ザ・ターゲット

リアタイヤをブレーキターンで滑らせながら、決められた的(丸太)にリアタイヤを当てて倒す精密動作。冷静な判断と微妙なブレーキコントロールが必要となる。

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スパイラル

非常に狭いラインの定常円旋回と、ターン。車体バランスの維持と正確なライン取りが求められる。クラッチ・ブレーキ・スロットルの連携を一定に保てるかどうかが勝負を分ける。

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ドリフトスラローム

ブレーキターンとアクセルターンを組み合わせてスラロームを駆け抜ける。滑る路面でマシンを自在にコントロールするスキルが問われるセクションで、リズムと勇気が試される。

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フルロックUターン

ハンドルを限界まで切り込み、狭いスペースでUターン。姿勢制御と体幹の安定、さらに的確な重心移動が不可欠。GSの重量を味方につける繊細なバランス感覚が求められる。

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コーン・トライアル・ストップ

指定位置で完全停止し、数秒間左足を不安定な丸太の上について静止する課題。微妙な前後動の抑制と、車体の揺れを吸収する体幹の強さが試される。集中力の切れ目が、そのまま減点に直結する。

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ブレーキング・イン・ザ・ボックス

決められた区画でフル加速から制動までを行う。速度と距離感、そしてブレーキ入力の正確さが評価される。滑らかな制動姿勢のままボックス内に止まれるかが勝敗を分ける。

8年ぶりの挑戦者、誓い合った二人が選出

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ファイナリスト10名の中で、今回のクオリファイを勝ち抜いたのはお互いに共に研鑽を積んできた今義弘選手と杉本剛選手だった。声援に対し、今選手は笑顔を見せ、短くも力強く言葉を返した。
「皆さん、ご声援ありがとうございました。昨日の晩にも申し上げたんですが、8年ぶりに決勝に残って、ニュージーランド以降ずっと勝ち上がれなくて、本当に暗黒時代で、押しつぶされそうでした。友達みんな行くし、どんどん取り残されてる感があって、一人で八の字したり、一人でガレ場に行ったり、いごったりして、弱い自分に勝ちたいと思ってやってきたんです。2014年代表の勝田さんにモトクロスとエンデューロを仕込んでもらって、自信を持てるようにこの6年間やってきました。それをやりつつ、壊さないで着いて帰ってくるというGSの走りを意識してやってきて、杉本さんと一緒に決起集会をして『行くぞ』ということをやって、仲間がいたから頑張れた。その先にある楽しさが見えてるから頑張れる、そういうことだけを糧にやってきました。関西の人たちとも一緒に走りたかったけどできなかった。でもみんな頑張ってるの知ってるし、ここで会えるのを楽しみにしてました。どういう結果になっても受け入れようと思ってここにいました。こうなって本当に嬉しいですし、行っても怪我せず帰ってきて、その楽しさをみんなに伝えて、GSトロフィーってこんなに面白いんだぞって伝えていきたいです。ありがとうございます」

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続いて杉本剛選手が、深く息を吸って語り出した。
「ちょっと足がもうガクガクしてて、どこに座って立っていいかわかんないんですけど。そうですね。私栃木出身なんですけど、トロフィー関係で輩出された方々、吉田美恵子さん、君島信一さん、五十沢さんと、次に私と。栃木県はかなりオフロードで鳴らしてるんじゃないかなと思ってます。それと、一番嬉しかったのが、ここにいる今さんと今回ずっと頑張ってきたんで、一緒に行けたっていうことが何より僕のラッキーな出来事でした。本戦行っても頑張りますんで、応援よろしくお願いします」

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表彰台では、BMW Motorradジャパン大隅マネージャーから2人にトロフィーとヘルメットが手渡され、観客席から拍手が広がり、最後にチームジャパンの旗が掲げられた。MCの「行ってらっしゃい」の声に合わせ、会場全体が大きな拍手で2人を送り出す。開かれたシャンパンの泡が夕暮れの空に舞い上がり、日の丸を背にした2人の笑顔が光った。GSトロフィー選考会は、ただの大会ではなく、仲間達の集いの場でもある。悔しさと、うれしさが入り交じる美しいポディウムとなる。

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2026年、舞台はルーマニア。
杉本剛と今義弘——この2人がチームジャパンとして世界に挑む。
長い時間をかけて磨き上げた技術と仲間への信頼を胸に、彼らの旅は続いていく。

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