カワサキから、未来のチャンピオンを育てるスーパーミニ&ミニモトクロッサー「KX112」「KX85」「KX85 L」の2026年モデルが登場しました。エンジンは実績のあるユニットを継承しつつ、シャーシを中心にフルサイズマシン譲りの大幅なアップデートが施されています
ついに生まれ変わった新世代ミニ
AMAスーパークロスやモトクロスのチャンピオンたちの多くが、カワサキのアマチュアレーサー支援プログラム「チーム・グリーン」出身であることは広く知られています。カワサキは長年にわたり若い才能の発掘と育成に力を入れており、今回発表された新型KXシリーズも、まさにその系譜を受け継ぐ「勝つためのマシン」として生まれ変わりました。
カワサキモータースジャパンから発表された2026年モデルのスーパーミニおよびミニモトクロッサー「KX112」「KX85」「KX85 L」は、「Built to Win」の哲学のもと、エンジンは実績のあるユニットを継承しつつも、シャーシを中心にフルサイズマシン譲りの大幅なアップデートが施されています。発売予定日は2026年2月21日(土)です。
フルサイズKXから着想を得た、強力な足回りと制動力

2026年モデルの最大のトピックは、カワサキのフルサイズモトクロッサーから着想を得たシャーシコンポーネント。全てのモデルにおいて、フロントフォークインナーチューブ径が従来のø36mmからø43mmへと大幅に大径化されました。

これにより高い剛性を確保するとともに、内部クリアランスの拡大やリーフバルブスプリング構造の刷新により、減衰力調整の効果とコントロール性が向上しています。さらに、従来は圧側のみだった減衰力調整機能に加え、新たに伸側減衰力調整機能が追加され、フルアジャスタブル仕様となりました。アウターチューブにはカシマコートが施され、耐摩耗性と潤滑性が向上し、作動性、耐久性、質感が高められています。また、コーナリング時にフォーク下端が地面に接触しにくくするため、フロントアクスル下の突起が廃止されました。

リヤサスペンションもフロント同様に大きく進化しています。リヤショックロッド径をø12.5mmからø14mmへ拡大し、シリンダー長も380mmから390mmへ延長することで、フルストローク付近での減衰特性と耐底付き性能が強化されています。調整機能については、新たに圧側の高速減衰力調整が追加され、圧側(高速・低速)、伸側、プリロードのフルアジャスタブルとなりました。リンケージロッドのアップデートにより、リヤホイールトラベルは275mmからフルサイズモデルと同等の305mmへと増加し、ハイスピードレンジでの安定性と衝撃吸収性が飛躍的に向上しています。
足回りの強化に合わせて、ブレーキシステムも刷新されています。フロントディスク外径を220mmから240mmへ、リヤディスク外径を184mmから220mmへと拡大し、制動力を向上させました。フロントにはKX250と同等のマスターシリンダーを採用し、キャリパーボディもKX250と共通(ピストン径はKX112/85が25mm×2、KX250は27mm×2)とすることで、制動力・耐久性・コントロール性を向上させています。リヤブレーキに関しては、マスターシリンダーのストローク量を削減し、遊びを少なくすることでコントロール性を高めています。タイヤにはダンロップ製の最新モデル「Geomax MX34」を採用し、トラクション、グリップ、泥はけ性能、スライドコントロール性が向上しました。
成長期のライダーに合わせる、進化したエルゴノミクス

ライディングポジションとエルゴノミクスも、成長期のライダーや様々な体格に対応するため大きく進化しました。アッパートリプルクランプの2箇所のマウントスロットと、リバーシブルマウント、高さ調整カラー(標準、+5mm)の組み合わせにより、前後4通り×高さ2通りの計8ポジションにハンドル位置を調整可能です。基本ポジションは、ハンドル位置を約50mm前方へ、ハンドル幅を左右+35mmワイド化し、ステップを約10mm下方へ移動しました。これにより、よりゆとりのあるライディングポジションと、アクティブなボディアクションが可能になりました。ハンドルバーにはレンサル製アルミファットバーを採用し従来比で80g軽量化、ステアリングステムもスチールからアルミへ変更し190g軽量化、リヤスプロケットもアルミ製とし390g軽量化するなど、パーツ単位での軽量化と振動吸収性の向上も図られています。

ステップ幅は40mmから48mmへとワイド化され、前後幅の拡大と歯数の増加によりグリップ力とコントロール性が向上しています。また、前傾を廃止し水平にすることで着地衝撃の吸収性を高めています。グリップにはODI Lock-onグリップを採用、フルサイズモデルと共通化を図っています。スタイリングは最新のフルサイズKXをイメージさせる精悍なルックスとなり、外装パーツを一新。フレーム剛性については、ペリメターフレームのステアリングヘッドパイプ長を+25mm延長し、フロント周りの剛性と車体安定性を向上させています。エンジンのジェネレーターカバーのデザイン変更や、リヤショック変更に伴う吸気ダクト形状の変更も行われています。

各モデルの概要は以下の通りです。

※写真はKX112
Kawasaki
KX85 L
¥561,000(税込)
KX85の大径ホイールモデルで、高回転型の84cm³エンジンを搭載しています。カラーはライムグリーン(GN1)。ホイールサイズはフロント19インチ、リヤ16インチを採用しており、リヤホイールトラベルはKX112同様に305mmへ伸長されています。
Kawasaki
KX85
¥550,000(税込)
小柄なライダー向けのスタンダードホイールモデルです。カラーはライムグリーン(GN1)。ホイールサイズはフロント17インチ、リヤ14インチを採用しており、リヤホイールトラベルは275mm。
Kawasaki
KX112
¥583,000(税込)
低回転域からのトルクフルな特性を持つ111cm³エンジンを搭載、USマーケットのスーパーミニクラス需要に最適なモデル。85ccよりトルクがあるため、大人のミニモト遊びにもうってつけ。カラーはライムグリーン(GN1)。ホイールサイズはフロント19インチ、リヤ16インチを採用しています。
熾烈さを増すライバル勢との開発競争
今回のKXシリーズの刷新により、ミニモトクロッサー市場の勢力図は新たな局面を迎えています。特に2ストローク勢の進化は目覚ましく、先行する欧州勢のKTM、ハスクバーナ、GASGASの3ブランドは、2025年モデルで一足先に待望のフルモデルチェンジを果たしました。最新のフルサイズマシンの設計思想を取り入れた新設計フレームを投入した欧州車に対し、今回の新型KXはまさにその最新スペックを正面から迎え撃つ、カワサキの回答とも言えるでしょう。特に43mm径のカヤバ製倒立フォークに関しては、KTMのWP製フォーク(43mm)に追随しグローバルスタンダード化したと言えるかも知れません。
一方、国内勢に目を向けると、ヤマハのYZ85シリーズは2022年モデルで吸気系や外装を大幅に刷新して以来、現在は非常に高い完成度を誇る熟成期にあります。2026年モデルでもその安定したパッケージを継続しており、信頼性を重視するライダーにとって強力な選択肢であり続けています。
KX112 主要諸元
| 項目 | データ |
| 全長×全幅×全高 | 1,935mm×800mm×1,165mm |
| 軸間距離 | 1,310mm |
| 最低地上高 | 330mm |
| シート高 | 865mm |
| キャスター/トレール | 29.2°/117mm |
| エンジン型式/弁方式 | 水冷 2 ストローク単気筒/ピストンリードバルブ(KIPS 付) |
| 総排気量 | 111cm³ |
| 内径×行程 | 52.5mm×51.6mm |
| 圧縮比 | 9.9:1(低回転)・8.6:1(高回転) |
| 始動方式 | プライマリキック |
| 点火方式 | デジタル CDI |
| 潤滑方式 | 混合(32:1) |
| ギヤオイル容量 | 0.7L |
| 燃料供給方式 | キャブレター KEIHIN PWK28 |
| トランスミッション型式 | 常時噛合式 6 段リターン |
| クラッチ型式 | 湿式多板 |
| ギヤ・レシオ | 1 速 2.538(33/13)2 速 1.875(30/16)3 速 1.500(27/18)4 速 1.250(25/20)5 速 1.090(24/22)6 速 0.956(22/23) |
| 一次減速比/二次減速比 | 3.400(68/20)/3.923(51/13) |
| フレーム型式 | セミダブルクレードル |
| 懸架方式(前) | テレスコピック(インナーチューブ径 43mm 倒立、圧側・伸側減衰力調整可能) |
| 懸架方式(後) | スイングアーム(ユニトラック、圧側(高速・低速)・伸側減衰力、スプリングプリロード調整可能) |
| ホイールトラベル(前/後) | 275mm / 305mm |
| タイヤサイズ(前/後) | 70/100-19 42M / 90/100-16 51M |
| ホイールサイズ(前/後) | 19×1.40 / 16×1.85 |
| ブレーキ型式(前/後) | シングルペタルディスク 240mm(外径) / シングルペタルディスク 220mm(外径) |
| ステアリングアングル(右/左) | 39°/ 39° |
| 車両重量 | 78.4kg |
| 燃料タンク容量 | 5.0L |
| カラー | ライムグリーン |
KX85 / KX85 L 主要諸元
| 項目 | KX85 | KX85 L |
| 全長×全幅×全高 | 1,835mm×800mm×1,115mm | 1,935mm×800mm×1,165mm |
| 軸間距離 | 1,265mm | 1,310mm |
| 最低地上高 | 295mm | 330mm |
| シート高 | 830mm | 865mm |
| キャスター/トレール | 29.2°/103mm | 29.2°/117mm |
| エンジン型式/弁方式 | 水冷 2 ストローク単気筒/ピストンリードバルブ | 同左 |
| 総排気量 | 84cm³ | 同左 |
| 内径×行程 | 48.5mm×45.8mm | 同左 |
| 圧縮比 | 10.9:1(低回転)・9.0:1(高回転) | 同左 |
| 始動方式 | プライマリキック | 同左 |
| 点火方式 | デジタル CDI | 同左 |
| 潤滑方式 | 混合(32:1) | 同左 |
| ギヤオイル容量 | 0.7L | 同左 |
| 燃料供給方式 | キャブレター KEIHIN PWK28 | 同左 |
| トランスミッション型式 | 常時噛合式 6 段リターン | 同左 |
| クラッチ型式 | 湿式多板 | 同左 |
| ギヤ・レシオ | 1 速 2.538(33/13)2 速 1.875(30/16)3 速 1.500(27/18)4 速 1.250(25/20)5 速 1.090(24/22)6 速 0.956(22/23) | 同左 |
| 一次減速比 | 3.400(68/20) | 同左 |
| 二次減速比 | 3.643(51/14) | 3.923(51/13) |
| フレーム型式 | セミダブルクレードル | 同左 |
| 懸架方式(前) | テレスコピック(インナーチューブ径 43mm 倒立、圧側・伸側減衰力調整可能) | 同左 |
| 懸架方式(後) | スイングアーム(ユニトラック、圧側(高速・低速)・伸側減衰力、スプリングプリロード調整可能) | 同左 |
| ホイールトラベル(前) | 275mm | 275mm |
| ホイールトラベル(後) | 275mm | 305mm |
| タイヤサイズ(前) | 70/100-17 40M | 70/100-19 42M |
| タイヤサイズ(後) | 90/100-14 49M | 90/100-16 51M |
| ホイールサイズ(前) | 17×1.40 | 19×1.40 |
| ホイールサイズ(後) | 14×1.60 | 16×1.85 |
| ブレーキ型式(前) | シングルペタルディスク 240mm(外径) | 同左 |
| ブレーキ型式(後) | シングルペタルディスク 220mm(外径) | 同左 |
| ステアリングアングル | 39°/ 39° | 同左 |
| 車両重量 | 76.4kg | 78.2kg |
| 燃料タンク容量 | 5.0L | 5.0L |
| カラー | ライムグリーン | ライムグリーン |










