昨年、BMCの空冷グローブをインプレしたら、思った以上に反響があった。今年、アップデート版が出たと聞いて、再びインプレする機会をもらった
空冷効果をアップデート
BMC=ブルーモンスタークロージング。アパレル業界から独立して立ち上げたブランドで、アパレルとしての格好良さと機能をバイクに落とし込む、という考え方でプロダクトを開発。“空冷ジーンズ”が数年前から話題で、いまライディングジーンズとしては独り勝ちの状態だ。一般的なジーンズを履いてバイクに乗るとしんどいので、バイクに乗るライフスタイルにあわせたジーンズを提供するというのがそもそもの発想。風が通って、しかも格好が良いジーンズしかもプロテクター入り。さらには冬用では「履く毛布」という徹底した防風・保温性能をうたうジーンズを出している会社である。

BMC
空冷式グローブ
そのBMCが去年から出しているのが空冷グローブで、今年、アップデート版が出た。
正直に書くと、去年のモデルを試したとき、僕は空冷という部分にあまりピンとこなかった。オフロード用のグローブはスポーツ用だからもともと空気が通るので、涼しいものなのである。今年のモデルはメッシュ部分がぐっと大きくとってあって、手の甲の母子球にあたる部分のガードも外してあり、空気の抜けが去年とは別物になっている。夏場に走っていて手の甲が涼しい。まずは通勤で試してみたが、すこぶるいい。

本命はグリップ力だ
だが本当にインプレしたいのはここじゃない。
このグローブの手のひらはパーミア素材で、これがオフロードのグリップとの相性が異常にいいのだ。これまで多くのオフロードグローブがスウェード的な素材を採用してきた。適度なグリップ感を持っているのがオフロードグローブの普通である。パーミアはそれと比べて、圧倒的に食いつく。それが、いいのか、悪いのか。正直なところ、判断が難しかった。

なにぶん慣れていないと怖い。指がグリップから離れづらいレベルで食いつくので、思わぬところでスロットルを煽ってしまうこともあるかもしれない。僕はYZ450FXでスロットルから手を離せなくなって、若干暴走気味にウイリーして転倒したことがある。そのとき、10分くらいうめいて動けなかったくらい痛くて、さらにはしっかり足の甲を骨折してしまっていた。そういうことも経験しているので、グリップしすぎることに少し不安を感じたのだった。でも、慣れて相性が合ってくると、スロットルのダイレクト感が段違いだ。手が滑らないというだけで、握力の要不要から加減のつけ方まで全部変わる。おそらくこれは、グローブのマジックテープ部分もかなりいい方向に影響しているのではないだろうか。オフロード用グローブよりもかなりしっかりとマジックテープで締められることと、手首の表側にあるところがいい。手首の裏側にマジックテープがあると、乗っているうちに外れてしまうことが多いのだ。最近では、このマジックテープを嫌ってモトクロス用のハイエンドグローブでは、マジックテープすら存在せず締められないことが多いのだが、やっぱりきっちり締めるとフィッティングがキマるのであったほうがいいなと感じた。そんな感じでこの空冷グローブに、個人的にはやみつきになっていて、このグリップ感で今後も走っていきたいなと思う。

PHOTO/kwsk
代わりに、手のひらの通気性はメッシュ部分よりも当然低い。汗をかいたときに、手のひらと素材の間で滑るようになる。去年、僕はLサイズを試した。少しそのとき小さめに感じていたのでXLとLを両方使ってみたら、レース用途はLの一択だった。ゆるいと汗で内側が滑るので、通常のグローブよりもさらにサイズフィッティングが大事だということを痛感した。パツパツで、指がちょっと足りないくらいで、ちょうどよかった。一方、ツーリングや通勤で使うなら話は変わる。手のひらで滑るほどの汗はかかないし、大きめのXLの方が中に空気も通る。僕はもう完全に2サイズ運用で、レースはL、普段はXLと使い分けている。

副次的な話だが、パーミア素材はスマホのタッチパネルとの相性も抜群にいい。素手と同じくらい反応する。ナビとして使う人には福音だと思う。耐久性も、ベースが作業用グローブだけあって非常に高い。モトクロス用グローブはワンシーズンで縫製が破綻することが多いが、これはそういう気配がない。
一般的な林道ツーリングには迷わずおすすめしたいし、レース用途にもすこし癖があるけど、ハマる人にはたぶん「これしかもうない!」と言えるレベルでハマると思う。ぜひ一度、試してみてもらいたい。










