ここ数年、ハードエンデューロブームがキテいる。一部の人気大会は200台ものエントリー枠がわずか数分で埋まり、エントリーできないライダーも多いほどだ。そんなハードエンデューロの頂点、G-NET全日本ハードエンデューロ選手権は、今年の前半戦が終了し、長いサマーブレイクに入った。
画像: 開幕戦、斑尾でのG-NETライダー集合写真。下に立つのが今年の黒ゼッケンライダーたち。

開幕戦、斑尾でのG-NETライダー集合写真。下に立つのが今年の黒ゼッケンライダーたち。

ハードエンデューロ人気の秘密とは

急斜面を登るヒルクライムやバイクを降りたくなるほどの激下り、フロントタイヤのアクスルシャフトよりも高い丸太越えや、落ちたら復帰できないレベルのキャンバー。ハードエンデューロはそんな難易度の高いセクションばかりで構成されている。

話を聞くだけだと、とても敷居が高そうに聞こえるが、実はハードエンデューロに出場しているライダーはオフロードバイクに乗り始めたばかりの若者に多い。

画像: ハードエンデューロを中心に活動する20代のチーム、FUNAI RACING。

ハードエンデューロを中心に活動する20代のチーム、FUNAI RACING。

その理由は実にシンプルだ。

「速度域が遅いから、怖くない」

もちろん他にも難所をクリアした時の達成感や仲間意識の高さなど理由は多くあるだろうが、様々なハードエンデューロライダーに話を聞くと、どうもこのスピードに関する話がよく出る。なぜなら彼らのほとんどはモトクロスやクロスカントリーを経験していない林道出身ライダーだからだ。

ハードエンデューロは、他のライダーと速い速度域でのバトルを楽しむクロスカントリーとは本質的にまったく違う競技と言える。

ハードエンデューロの競技性を高めるコース設定

画像: 鈴木健二(G-NET 斑尾)

鈴木健二(G-NET 斑尾)

今年のG-NETではモトクロス出身で現在はJNCCやJECでも上位ランカーの鈴木健二が開幕戦で初優勝。続く第2戦広島でも優勝した。しかもマシンは多くのトップライダーが250ccや300ccを駆る中、125ccのYZ125Xだ。

今年の第1戦斑尾、第2戦広島ともにG-NET戦としては難所のレベルが低めに設定されていた。CGC斑尾やサバイバル広島というレースがG-NETライダーのみをターゲットにしているレースではなく、「頑張れば一般ライダーも周回できるコース設定」を考慮していたからだ。

先に書いたようにハードエンデューロの楽しみ方は参加者のレベルによって違ってくる。トップライダーにとってはセクションをクリアする速度やライバルとのバトルを楽しむ場だが、一般ライダーは難しいコースを攻略し、他のライダーと協力して周回することを目的としている。

G-NET戦を一部のトップライダーだけが楽しめる超難易度のレースにしてしまうこともできる。しかし、そうではなく一般ライダーも参加できることが、現在のハードエンデューロ人気を支えており、その競技性を高めていると言えるだろう。

ライダーとしての総合力の高さが勝利の秘訣

画像: 鈴木健二のセクションを繋ぐ移動路でのスピードは群を抜いている。

鈴木健二のセクションを繋ぐ移動路でのスピードは群を抜いている。

今年、世界でも有数のハードエンデューロレース、エルズベルグロデオに出場した石戸谷蓮はクロスカントリーで育ったライダーだ。完走は果たせなかったものの、チェックポイント14まで到達した石戸谷はこう語る。

「スキル不足で進めないようなセクションはありませんでした。むしろスピードと体力がもっと必要でしょうね。予選で前に出られないと、物理的にクリアできなくなってしまいます。
G-NETの黒ゼッケンライダーであれば、時間さえあれば完走できるコースだと考えています。でも、スタート順が遅れれば遅れるほど、渋滞に阻まれてスキルを発揮する場面が無くなってしまいます。だから、JNCCやJECでしっかりスピードをつけることも、大事なことでしょう」

世界的にもWESS(WORLD ENDURO SUPER SERIES)の開催などでブームを迎えているハードエンデューロだが、その方向性としてはテクニックとスタミナ、そしてスピード、つまりはライダーとしての総合力が問われるような設定にすることで間口を広げているようだ。

どうなる? G-NET2018後半戦

今シーズン2連勝中の鈴木健二はすでに残りの第3戦モンキースクランブルと第4戦日野ハードエンデューロは出場しない意向を表明している。また、第3戦、第4戦は関東でも屈指の攻略が難しいレースとして知られており、前半戦のようなスピード勝負にはならないのではないか、とG-NET主催の栗田氏は語っている。

画像: G-NET第2戦、サバイバル広島での表彰。左上:藤田貴敏、中上:上福浦明男、右上:中野誠也、左下:高橋博、中下:鈴木健二、右下:熊本悠太。

G-NET第2戦、サバイバル広島での表彰。左上:藤田貴敏、中上:上福浦明男、右上:中野誠也、左下:高橋博、中下:鈴木健二、右下:熊本悠太。

4年連続絶対王者、ロッシ高橋

画像: 4年連続絶対王者、ロッシ高橋

現在ランキング2位の高橋博(愛称:ロッシ)は2014年から2017年まで4年連続シリーズチャンピオンを獲得しており、現在の日本ハードエンデューロ界の頂点にいる。IRCの新作ガミータイヤVE-33s GEKKOTAの開発にも携わっており、若手の育成にも熱心に取り組んでいる。

往年のトライアルIA、上福浦明男

画像: 往年のトライアルIA、上福浦明男

ランキング3位の上福浦明男は80〜90年代に全日本トライアル選手権IAクラスに出場していたトライアル出身ライダー。2016年のG-NET斑尾で圧倒的な走破力を見せ、一躍ハードエンデューロのトップライダーの仲間入りを果たした。

世界に挑戦する若手、山本礼人

画像: 世界に挑戦する若手、山本礼人

4位の山本礼人は今年の9月にトルコのハードエンデューロレース、Sea to Skyにも挑戦する23歳。今後の日本ハードエンデューロ界を背負っていく若手の中でも、その実力は群を抜いている。第1戦の斑尾では総合3位に入賞。

九州男塾塾長、藤田貴敏

画像: 九州男塾塾長、藤田貴敏

九州からフル参戦を表明している藤田貴敏は2013年度のシリーズチャンピオン。第1戦ではフライングとコースカットのミスで2周減算のペナルティを受けつつも、第2戦では4位に入りランキング5位につけている。

スピードと走破力を併せ持つ、熊本悠太

画像: スピードと走破力を併せ持つ、熊本悠太

全日本エンデューロ選手権でもIAライダーとして活躍中の熊本悠太は、第1戦でマシントラブルに悩まされ下位にとどまった。しかし第2戦では地元広島開催ということもあり、しっかり挽回して3位入賞。ランキングは6位まであがってきている。

高橋が2014年から続き5年連続で王座を死守するのか、はたまた新チャンピオン誕生なるか。次のG-NET戦はしばらく間が空き、10月7日、福島県チーズナッツパークでのMt.モンキースクランブル。長いサマーブレイクの過ごし方も勝敗を左右するだろう。

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