世界一とも言われるオーストリアで行われるハードエンデューロレース「エルズベルグロデオ」のレース形式を模して、昨年から北海道日高町で開催されるようになったHIDAKA ROCKS。2年目の今年はコースレイアウター山本礼人いわく「コース難易度が2倍、距離は1.5倍」に拡大、さらなる進化を遂げていた。
「スピード」が重要なファクターを占める世界のハードエンデューロ事情
![画像: エルズベルグロデオが行われるエルズベルグ鉱山](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783375/rc/2019/08/14/a5de6ce2a5d90884039b430cf253a31c4db70ee1_xlarge.jpg)
エルズベルグロデオが行われるエルズベルグ鉱山
エルズベルグロデオは、全世界中から腕自慢のオフロードライダーが集まるお祭りレースだ。しかしその中には「アイアンロード」と呼ばれる、フラットダートのスピードを競う予選だけを楽しむために出場する選手も多い。
日本のハードエンデューロを見ていると、ヒルクライムやガレ場、丸太超えなどのテクニックが重要なのではないかと考えがちだが、実は世界のハードエンデューロでトップを争うライダーにはスピードが大きな課題になっている。
![画像: 日本のG-NET戦でも昨今、モトクロスやクロスカントリーでスピードを培ってきた鈴木健二に軍配が上がるレースが増えてきた。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783375/rc/2019/08/14/e019a5717d680f4b1ff2ae6130342b0b2b3884df_xlarge.jpg)
日本のG-NET戦でも昨今、モトクロスやクロスカントリーでスピードを培ってきた鈴木健二に軍配が上がるレースが増えてきた。
まずはエルズベルグロデオで本戦に出場するためには1600台もの予選参加者で争われるアイアンロードで500位以内に入らなければならない。さらに予選を通っても1列50台ごとのスタートグリッドの5列目でも完走は無理と言われている。つまり簡単に言うと250位/1600台でアイアンロードを通過しなければ完走はかなり難しいわけだ。
![画像: 決勝のスタートグリッド1列目にマシンを並べるライダーたち](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783375/rc/2019/08/14/b4a07ee5c119caa5e37395ba4ec3bfd7fba3acee_xlarge.jpg)
決勝のスタートグリッド1列目にマシンを並べるライダーたち
HIDAKA ROCKSではスタートが1列15台、1分おきのスタートと決まっているため、このアイアンロードはエルズベルグほど重要なわけではない。しかし、スタートが遅れれば当然、難所に突入する順番が後になる。すると順番待ちが発生したり、ラインが減ってミスの可能性が上がるわけだ。
これまで日本人でエルズベルグロデオを完走したライダーは田中太一ただ一人。再びエルズベルグロデオを完走する日本人が、このHIDAKA ROCKSから生まれる日も近いのではないか。