ラスト3ステージ、山場が続く

「30分の差なんて、1日で逆転されてしまうものです」本田は言う。これまでの経験から、最終日まで予断を許さない状況が続いた。特に最終ステージ12の前、10-11はマラソンステージでビバークには入れない。無理は禁物だが、しかし前述した言葉の通りリードはできるだけ拡大したい。マラソンステージが終わっても、ファイナルステージ12は通常どおりのボリュームが予定されていた(通常は短いスペシャルステージとパレードランだが、サウジアラビアに限ってはきっかり最後まで純然たる競技だったのだ)。ステージ10、リッキー・ブラベックはリードを拡大すべく前を走るプライスやキンタニラを追い、130キロ地点で彼らを捉えることに。この時点で、このステージは後半砂の影響でキャンセル。トップに追いついてしまえば、そこから大きくタイム差をつけることはできないから、事実上リッキーにとって最良のシチュエーションと言えるだろう。ホンダ陣は、チーム一丸となってトップ3フィニッシュ。

画像: 激走するリッキー・ブラベック

激走するリッキー・ブラベック

続くステージ11。マラソンステージの2日目になるが、前述したとおりのシーソーゲームが加速する。リッキーにとっては25分のリードを、ある程度けずりながら最終ステージの後方スタートを得られれば勝利は固い。堅調な走りでこのステージを10位で終え、リッキーは2番手キンタニラとの差、つまり持ちうる貯金は13分。3番手プライスは22分差で離れた位置にいる。

画像: ラスト3ステージ、山場が続く

こうなれば長いステージ12で追い上げが効くから、勝利は目前だった。思えば、いろんなことがTeam HRCに味方した2020年ダカールだった。そしてこの最終日さえも「聞いた話によると、オイルラインを越えなくてはいけないルートだったとかで、短縮されて167kmの短いモノになりました」と本田が言うように、天もTeam HRCに味方した。それでも、勝てると楽観視はしなかった。「長いSSに対して準備してきていたので、万全でしたが、それでも本当にゴールするまで、みんな喜んではいなかったですね」と。13分のリード。スタート順は、ふたたび追い上げできる位置。トラブルも起きぬよう、しかしペースを下げすぎず、ステージ2位の快走を経て、リッキーは最後のSSを一切気を抜かず、乗り切って、堂々の総合優勝を手にしたのである。

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