ここまで4戦、下田丈には何か悪いものでも憑いているのではないか…というほどにツキに見放されていた。それでも、上位にしぶとく残り続け、ポディウムには届かないまでも、着実にポイントを稼いできた。第5戦はグレンデール、今季初の「トリプルクラウン※」であった。

※通常、ヒートレース→メインレースと勝ち上がり戦のスーパークロスを、いきなりメインレースを3戦おこなう形式。ポイントは、総合順位に付与される

正確さと体力、下田丈の持ち味が生きたトリプルクラウン

タイムドプラクティスは、調子よくこなせたものの若干の腕上がりを覚えた下田。1本目はトップ、2本目では5番手で終えていて、トップとの差は0.5秒以内。誰が勝ってもおかしくない日であった。「グレンデールは、スピードが乗るコースでした。テクニカルではなかったので、差が付きづらい」とは下田談。見た目にはドラゴンズバックなど珍しいセクションがあり、難しそうに見えたのだが、トッププロの評価はスピードコースとのこと。

画像1: 正確さと体力、下田丈の持ち味が生きたトリプルクラウン

今度こそ、まともなレースがしたい…そんな思いを抱えたレース1。「スタートはそこそこよくて、パスしながら4番手まで上がれました」と下田。残り8分ほどの時点で、2番手争いはヴィンス・フリージーとハンター・ローレンス。そしてその後ろに下田、ネイト・スラッシャーが並ぶ。スラッシャーと下田が順位を激しく入れ替える中で残り6分、下田がフリージーを捉え、3位の目が見えた。フープス後のタイトコーナーで鋭くフリージーをパス。フリージーも遅れを取らずに、下田をチャージしつづけた結果、下田が転倒を喫して7番手まで落ちてしまう。結果、最終ラップでジャレク・スウォルをパスして下田は5位でフィニッシュ。

画像2: 正確さと体力、下田丈の持ち味が生きたトリプルクラウン

レース2は、スタートの出だしこそ悪くなかったものの、「1コーナーでリアタイヤがだいぶ滑ってしまった」と言う下田。7番手から浮上を目指すことに。このレースは、レッドプレートをつけたクリスチャン・クレイグがフリージーの暴走でクラッシュ。最後尾からの追い上げとなってしまった。フリージーの危険な走りは、下田も「たとえばリズムセクションで、3つずつ飛んでいくところを、フリージーは2つずつしか飛べていないのに右に寄ってくる。こういうところが危ないんですよ」と警鐘を鳴らす。クレイグの失墜にうまくトップを奪ったのは、ハンター。下田は後半に入って2番手スウォルを追い詰め、ハンターと3秒差。勝利が見えた瞬間だった。

画像3: 正確さと体力、下田丈の持ち味が生きたトリプルクラウン

しかし、後ろから追い上げてきたマイケル・モシマンが今度は下田をプッシュ。「腕上がりがあって、ペースが保てませんでした」という下田は、リズムセクション後のコーナリングでモシマンに躱されてしまう。残り3周、モシマンはハンターを追い詰めたが、ハンターは譲らず勝利。下田はそのまま3位でフィニッシュになった。

画像4: 正確さと体力、下田丈の持ち味が生きたトリプルクラウン

レース3、スタートをやはり調子よく決めた下田は、4番手での立ち上がり。トップはクレイグが逃げ、2番手争いにフリージー、ハンター、下田と3すくみの状態に。ここからハンターが早めに離脱、下田はトラブルの多いフリージーとのバトルへ。背後にはモシマンが迫ってくる状況で、一刻も早く攻略したいところだったが、モシマンにかなり攻められつつも3番手へ浮上。すぐにモシマンがフリージーを攻略し、3番手争いは過熱の一途を辿った。だが、下田いわく「3レース目のモシマンはそこまで速くなかったですね。だいぶ疲れがたまってきたのか…」と分析。残り3周でモシマンは単独転倒を喫し、下田の3位が確定した。結果、5−3−3のリザルトをもって、総合3位で今季初のポディウムに。「とりあえずクリーンなレースができたことがウレシイです。ほっとしています」とのこと。後半まできっちり自分の走りをこなせる下田の真骨頂が、ようやく第5戦で生きてきた。たらればではあるが「フリージーに当てられなければ、レース1も2位か3位だったと思います。トラブルが少なかったことが、やっぱり結果を出せた原因ですかね」と下田。「今回は、スピードコースでした。こういうコースは苦手です。タイトでテクニカルなコースのほうがクリエイティブに走れる。今回のようなコースは、ラインや動きも決まってくるのでウィークポイントが出づらいですよね」とのこと。

画像5: 正確さと体力、下田丈の持ち味が生きたトリプルクラウン

課題はフープス

実は、オークランドのあとにマシンには少し修正を加えたとのことだ。「サスも修正しましたが、大きいのはギヤリングです。少しショートに設定することで、1速を使わなくてもいいようにしました。スーパークロスはだいたい2速で走り、1−3速を中心に使います。フープスやストレートは4速なんですが」1速に落とすことでのタイムラグを嫌ったようである。第5戦をおえて、下田は87ポイントでランキング4位。トップのクレイグとは35ポイント差である。今季は2戦イースト&ウエストのショーダウンがあって、これを含めて残りは5戦。ちょうどシーズンの半分を消化したことになるわけだ。今週末のアナハイム3が終われば、3月26日のシアトルまで1ヶ月以上のレスト期間に入る。

画像: 課題はフープス

「今思うのは、フープスのスピードですね。あと、ジャンプとジャンプの間でもっとプッシュできるように。そのくらいですかね。ミッチー監督や、ヤニングからも指摘をうけているところです。少しアウトドアのトレーニングも、はじめるような感じだと思います。

バイク以外にやっておきたいことは、今は特にありません。プロの生活に、慣れていきたいというのが本音です。いずれプロをやりながら大学にも行きたいのですが、今はちょっとわからない」とのこと。3年目のプロ生活、今はバイクにとにかく集中していくことを重視している。

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