いま、全日本モトクロスでトップ争いを繰り広げているライダーは、みなキッズの頃から話題だった。あの地方の、あのライダーがとんでもなく速いらしい、そんなウワサが毎年あって、モトクロス全国大会でその速さが証明された。幾度となく、日本でその体験が蓄積され、次第に全日本という場に集結していく。なかでも、山本鯨は85cc時代のスピードがハンパじゃなかった。僕は、某誌でカスタムオフロードバイクの特集を組んだことがあって、そのなかに山本鯨の乗るRM85Lを組み込んだ。よく覚えている。モトクロスビレッジに来てもらった山本親子と、テストライダーの大河原功次。山本の父親は、その場でRMのエンジンを開けて見せた。「ほら、ノーマルでしょう?」

2021年の全日本モトクロス、最後に笑ったのは山本
富田俊樹との確執

熊本における2021年の開幕戦、イン側から山本の虚をついた富田。山本は弾かれる形で転倒してしまった。最終戦、まさにチャンピオンをかけたヒート2で、同じことが起こった。広島のヒート2は、2021年の縮図とも言えるのかもしれない。山本VS富田、この関係を紐解いていこう。まずは、ライバルであった富田俊樹へのインタビューを読んでいただきたい。

画像: 開幕戦、富田が山本を退けた

開幕戦、富田が山本を退けた

「僕は元々ずっとホンダにしか乗ったことがなくて、他のメーカーに乗ったことがなかったんですよ。2020年にヤマハに移籍して、もうちょっとマシンの乗り換えがスムーズにできると思っていた。けど実際乗り換えって難しいなと思いました。パワーがあれば良いと思っていたけど、それがしんどかったです。馬力がありすぎる味付けに作りすぎたかなという。開けていけば開けた分すごいパワーが出ていて、扱いにくい感じではなかったんですよ。そのへんを落としていけば大丈夫だろうと思っていたんですけど、そうじゃなかった。マシンの車体もしっかりさせた方が進むと思ってやっていたが、荒れてきた路面で乗りにくさを感じたり。かなり苦労しました。

山本も速かった。山本のバイクを見ながら、そういう作り方の方が良いのかなと悩んでみたりもしました。見た目でサスペンションが柔らかそうに見えたりとかね。精神面でもメンターをはじめて導入しました。かなり2021年は変わった年だったと思います」

コロナ禍において、本格的なシーズンは2021年にはじまった。かつて、ホンダのチーム内でもそのシートを争ったこともある山本は、宿敵と言える相手だった。

画像1: 2021年の全日本モトクロス、最後に笑ったのは山本 富田俊樹との確執

「山本は、常に前にいるような存在です。認めざるをえないというか。揉めることもIA2の時にはありました。開幕戦、予選の時に寄せられて、イラッとして次のコーナーで当てに行ったら、向こうのステップか何かに俺のホイールかフォークが引っかかって、それで転んだ。ヒート1は、インが空いていたので、スッと入っていったら、山本は来ると思ってなかったのか引く動作もなくて、ぶつかったんです。

画像2: 2021年の全日本モトクロス、最後に笑ったのは山本 富田俊樹との確執

なんでインを開けるんだろうなーって思ってました。舐められてるのかなって思いました。入ってこないだろうどうせ、みたいな。確かに去年の自分だったら入っていけなかった。俺にはこないだろうって思ってるのかなと思って、そこをそうじゃねえぞって見せたかったんですよね」

画像: 最終戦、最終ヒートで起こった波乱

最終戦、最終ヒートで起こった波乱

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