さらに、マシンの具合によってリタイアしてしまった山本鯨が、序盤G−NETトップ陣の面々をおどろかせる走破力をみせたことを付け加えておこう。トップクラスの適応力は確かにとてつもないものがあるが、山本の場合はそのレベルではなかったとの証言がある。ハードエンデューロには不向きなCRF450RXながら、トップに迫る気迫をみせたそうだ。

画像: このスケール!

このスケール!

画像: 中央、優勝した山本。左、2位藤原。右、3位森

中央、優勝した山本。左、2位藤原。右、3位森

有料で観戦する価値を、作りあげていく

主催の石戸谷が常々口にし続けてきたのは、観戦によるマネタイズだ。レースで設定できる参加費には限りがあり、数千人を集めるマラソンなどとはちがって参加者数にも限界がある。だから、観戦することに価値を見いだしてもらう必要がある、と石戸谷は考えてきた。それはそうなのだが、日本のエンデューロにはそのカルチャーが、まだ根付いていない。なお、JNCCでは観戦料を徴収していて、これは観戦によるマネタイズの口火を切ったモノだと言える。

画像1: 有料で観戦する価値を、作りあげていく
画像: 砂場では子供が遊び、その背後ではライダーが苦しむ…

砂場では子供が遊び、その背後ではライダーが苦しむ…

画像: ZEROの果敢なアタック。パンクで順位をおとしてしまった

ZEROの果敢なアタック。パンクで順位をおとしてしまった

観戦でマネタイズするには、レース自体のコンテンツの価値をあげることが重要だ。純粋にそのレースを見たいと思わせること。アメリカはこの手の手腕に長けているのはご存じの通りで、オフロードバイクでもシリーズ戦でスタジアム開催が成立する、強力なコンテンツ“スーパークロス”がある。

今回のレースは、オフロード好きからすれば、かなり面白いコンテンツでだっただろう。道無き道をゆくのがオフロードだとすれば、その究極の姿が見れる。林道ツーリングが好き、セローやCRF250Lにのっている、そういう人にも届くレベルに仕上がっている。だが、その外にはなかなか届きづらいものであるのも事実。

画像2: 有料で観戦する価値を、作りあげていく

しかし、このケゴンベルグは「観戦によるマネタイズ」の成功を未来に夢見ることができるはずだ。そのコンテンツのマニアックさはさておき、そのホスピタリティはとても質が高い。特筆すべきは、子持ち世代を狙い撃ちにした会場だ。オートバイ関係者なら考えつくだろうヤマハのキッズバイク体験教室、ヨツバモト体験コースはもちろん充実。それだけにとどまらず、ケゴンベルグだからこそできる、巨大な砂場や、重機の体験会などなど…子供を遊ばせるにはもってこいの環境で、なにせ子供の満足度がとても高い。子供を持っている世代は、子供の「行きたいところ」にはかなり従順だから、これは来年開催される時に子供から「またケゴンに行きたい」とせがまれることは、容易に想像できる。本家、エルズベルグロデオも子供がものすごく多く、さらには地元住民のバックアップが強い。

画像3: 有料で観戦する価値を、作りあげていく

これまで日本のレースは、現50〜60代の有志によって開催されてきた。20年前は30〜40代だったけど、だんだんと無理が利かなくなってきていて、オーガナイザーの高年齢化によるレースの終焉も少なくない。石戸谷の出現は、このレース業界にとって救世主となるのか否か。もう、答えは出たのではないだろうか。

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