中国のバイクメーカーCAOFENの電動バイク「F80 STREET ロングレンジ/OFF-ROAD」が日本初上陸。情報公開に合わせ、そのマシンの特徴と試乗インプレッションをお伝えします

CAOFEN
F80 STREET ロングレンジ/OFF-ROAD

中国のバイクメーカー「CAOFEN(カオフェン)」の電動バイク「F80」は2020年に発表され、欧州ではすでに発売が開始されていました。そしてこの度、日本に初上陸。第二種原動機付自転車としてナンバーが取得可能な公道走行可能モデル「F80 STREET/STREET ロングレンジ」と、公道走行不可の競技専用モデル「F80 OFF-ROAD」の2車種が用意されています。

8月6日からクラウドファンディング『Makuake』で先行発売ロットの応援購入開始。(2022年12月先行発売、2023年1~3月正式発売予定)

CAOFEN
F80 STREET/STREET ロングレンジ
¥768,000/¥948,000(税込)
公道走行可

CAOFEN
F80 OFF-ROAD
¥698,000(税込)
競技専用

画像: 【電動オフロードバイク】CAOFEN F80 STREET / OFF-ROAD 日本仕様実走動画【走行距離150km!】4K www.youtube.com

【電動オフロードバイク】CAOFEN F80 STREET / OFF-ROAD 日本仕様実走動画【走行距離150km!】4K

www.youtube.com
画像: CAOFEN F80 STREET ロングレンジ/OFF-ROAD

扱いやすいミニモトサイズの車格

車両サイズはストリートモデルとオフロードモデルともに全長1950×全幅785×全高1070mm。シート高は830mmで、身長159cmでつま先が着くくらいの足付き性です。シートは細身で跨がりやすく、真ん中部分のくぼみによりフィット感を感じられます。国産モトクロッサーでいうと85ccのラージホイール程度の車格となっています。タイヤサイズはフロント19インチ/リア18インチ。

画像: 車体:ストリートモデル

車体:ストリートモデル

画像1: 扱いやすいミニモトサイズの車格
画像2: 扱いやすいミニモトサイズの車格

ダイキャスト製法の高剛性フレーム

高い強度を持つアルミとマグネシウムの合金を、巨大ダイキャスト製法で製造。高いフレーム剛性を確保しています。さらに、マシン中央に重心を持ってくることで前後に動きやすく、乗りやすい車体バランスを実現しています。複雑な構造を溶接無しで造形しているため、溶接によるひび割れの心配もありません。

画像1: ストリートモデル

ストリートモデル

画像1: オフロードモデル

オフロードモデル

最大8kwの出力を誇るモーター

ストリートモデルとオフロードモデルともに最大8kwの出力をもつモーターを採用。セッティングはモデルごとに異なり、ストリートモデルは後輪トルク260N・mで最高速度85km/h。オフロードモデルは後輪トルク310N・mで最高速度80km/hとそれぞれのライディングスタイルに合わせています。

画像2: ストリートモデル

ストリートモデル

画像2: オフロードモデル

オフロードモデル

ストリートとオフロードそれぞれに合わせたバッテリー

バッテリーはグレードによって異なります。ストリートモデルのみに設定されたグレードのロングレンジは「液浸冷却バッテリーシステム」を採用した72V48Ah リチウムバッテリーを使用。これはバッテリー内部に特殊冷却液が循環するシステムで、通常のバッテリーと比べて温度上昇を50%以下におさえる働きがある上に、充電時間の短縮とバッテリーの長寿命化も両立させています。また、温度管理システムによって-40℃でも起動が可能。寒さが厳しい環境下でも楽しむことができるようになっているとのこと。航続距離も150km(※)と充分で街乗りから1日ツーリングまで楽しむことができます。

※メーカー計測の30km/hでの距離。航続距離は走り方/ライダーの体重/走行条件(アップダウン)/気温等の条件で変わるので150kmは参考データです

画像: バッテリー(ストリートモデル)

バッテリー(ストリートモデル)

ストリートモデルのロングレンジの充電時間は約3時間。充電機は84V18Aです。

画像: 充電器(ストリートモデル用)

充電器(ストリートモデル用)

ストリートモデルのスタンダードとオフロードモデルは72V30Ah リチウムバッテリーで、容量を抑えたものを使用。この2機種には冷却加温システムはついていません。航続距離は100kmで、コース走行は全開で1時間程度の走行が可能と見込まれます。

画像: バッテリー(オフロードモデル)

バッテリー(オフロードモデル)

充電時間は約2時間。充電機は84V15Aです。

画像: 充電器(オフロードモデル用)

充電器(オフロードモデル用)

スイッチとリモコンキーで始動

始動は車体のスイッチとリモコンキーを使用。初めにバッテリースイッチをオンにし、リモコンキーで電源をオン。シートの前部分についている「Engine START」と書かれたボタンを押してメーターに「Ready」と表示されたらモーターが使用可能な状態となります。

スイッチで速さ調節

ハンドル右側に装備されているN/D(N:ニュートラル/D:ドライブ)ボタンを押してニュートラルとドライブ(走行モード)の切り替えが可能。

また、右下部分に装備されているE/Sボタンはギヤボタンと呼ばれ、スピードリミッターになっています。1/2/3の3つがあり、1と2は65km/hまで速度を制限し、3は速度制限無し。ライディングに応じて上限スピードを調節することが可能です。これらのセッティングは全てモニターに表示。

画像1: スイッチで速さ調節
画像2: スイッチで速さ調節

なお、ハンドル左側にはウインカーやクラクションボタンなどが搭載されています。

画像3: スイッチで速さ調節

保安部品と前後連動ブレーキが標準装備されたストリートモデル

ストリートモデルには日本の道路交通法に基づいた保安部品と前後連動ブレーキを標準装備しています。

また、ヘッドライトとウインカーも装備。丸くて大きいLEDヘッドライトは暗い道もしっかり照らし出してくれます。

CAOFEN-JAPAN(旗艦店:ビバーク所沢 × ストラーダ)では、マシントラブルの心配が無いように輸入後組み直しをおこない一部パーツを日本国産のものに変更して販売をするそうです。海外産のバイクに不安がある方も、安心して楽しめますよ。

CAOFEN F80 STREET ロングレンジ/OFF-ROAD試乗インプレッション

CAOFEN F80ストリートモデルとオフロードモデルを試乗。試乗した私(Off1.jp編集部伊澤)は、全日本モトクロス選手権レディースクラスにハスクバーナTC85(2ストローク85cc)でシリーズ参戦経験あり、普段はクロスカブ110で出勤してしています。今回はそんな私目線でCAOFEN F80をインプレさせていただきます!

ストリートモデルで林道走行

画像: ストリートモデルで林道走行

まず、CAOFEN F80 ストリートモデルで林道を走行してみました。木の根っこが出ていたり木の枝が落ちている荒れた斜面を登ってみると、すぐに車体の軽さを感じました。車体が軽い分、加速時にタイヤが地面を掘ることなくグッと前に進んでいきます。さらに、低回転域でも高回転域でもしっかりとトルクがついてくるため、助走が少なくても急斜面をグイグイ登ることができました。

また、電動モーターのためエンジンブレーキは無いですが、モードによって回生ブレーキがかかるためエンジンバイクに似た乗り心地を味わうことが可能。一方、回生ブレーキを使わないモードは重力によって加速する自転車のような乗り心地に。なお、ブレーキは前後ディスクブレーキのため、スピードが出る下り坂も安心して乗ることができます。

ジャンプも軽々飛べるオフロードモデル

画像: ジャンプも軽々飛べるオフロードモデル

オフロードモデルはオフロードコースで試乗しました。初速はマイルドで、エンジン搭載バイクで言うと低速トルクがしっかりとあるマシンと似た感覚。私が普段乗っている2ストローク85ccでは、低回転域でのトルクが薄いためスピードを乗せるには高回転域でパワーバンドをキープする必要があります。しかし、CAOFEN F80 はどの回転数でもトルクフルでパワーが取り出しやすいため、コーナーで減速しても立ち上がりがスムーズ。穏やかながら常にパワーを感じる加速を楽しむことができました。

通常、モトクロスコースのジャンプを飛び切るにはスピードが必要になってきますが、スピード不足を心配する必要はありませんでした。助走が短くてもアクセル開度に合わせてパワーが出るため、テストで使用したモトクロスのミニコースでは、むしろ飛びすぎてしまわないようアクセル開度を調節したほど。コーナーやジャンプ、ストレートなど全てのセクションにおいてスムーズな走りを楽しめます。

CAOFEN F80のストリートモデルとオフロードモデルを試乗し、マイルドな低速域が扱いやすく、加速時の怖さを感じることなく楽しめるのが魅力だと感じました。足つきも良いため、オフロードバイクを始めたい方や身長に不安がある方も安心して楽しむことができます。また、電動バイクならではの加速感やスムーズさは、エンジンバイクに乗り慣れているライダーも楽しむことができるでしょう。オフロードバイクの初めの一歩に、またはセカンドバイクとして楽しめるバイクです。

編集長ジャンキー稲垣のワンポイントコラム

電動オフロードバイクは、おおまかに2系統に分かれ始めています。1つはエンジン車の代替。ALTAが開発していた電動モトクロッサーにはじまり、最近ではMXGPで活躍したセバスチャン・トーテリが開発に関わったスタルクというブランドが話題です。もう1つはエンジン車とは違ったアプローチで新たなのりものを作ろうとする動きです。カオフェンは、後者にあたります。

僕もこのカオフェンに少し乗らせてもらったのですが、電動ならではのトルクの立ち上がり方でとても好印象を持ちました。モーターの場合ゼロスピードから最大トルクまで達するのがメリットで、スロットル制御がキモ。スロットルを素早く開けたとき、ゆっくり開けたとき、にしっかりそのトルクの出方を制御できているか否かが乗ったときの気持ちよさに繋がります。ガバッと開ければエンジンにはない加速感を味わえるのが魅力ですね。

今後の展開として気になるのはタイヤサイズです。今はフロント19・リア18インチと変則的でさらにリムが細いので、ミニモト用の19−16インチを履くことができません。輸入元のCAOFEN-JAPANを運営する株式会社バトンTradingは元々中国製のエアガンを日本の熟練工の技術で組み直すことで、精度を出して製品の魅力を引き出したことが成功要因でした。このカオフェンも、輸入してそのまま出すのではなく、日本で組み直して精度を上げるとのこと。日本へ向けたカスタマイズはお手のものなので、今後の動向にも期待したいです。

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