インドのバイクメーカーHeroから発売されるX-PULSE200 4Vを試乗インプレッション。実にオフロード的な楽しみ方を妄想させる、優秀なトレールモデルだった

昨今、国産のトレールモデルラインナップは縮小傾向にある。長い間その国産トレールの歴史を支えてきたヤマハ・セロー250が生産終了を迎え、現在ではホンダ・CRF250Lとカワサキ・KLX230Sだけがかろうじてオフロードの間口を支えている状況と言える。

しかし、実はちょっとアジアに目を向ければ、もっと選択肢が広がっている。例えばインドでシェアナンバーワンのバイクメーカー「Hero」のX-PULSE200 4Vをご存知だろうか?

ダカールラリーでも活躍するHero(ヒーロー)

Heroは元々は自転車を扱うHero Cycleというインドの会社で、1984年にホンダがインドに進出するにあたって合弁会社Hero Hondaを設立。2010年に会社としての方針の違いからホンダと別々の道を歩み始め、Hero Moto Corpという名前で二輪メーカーとして独立した。現在では年間オートバイ生産台数1500万台を超える、インドシェアナンバーワンを誇るメーカーに成長している。

画像: ダカールラリーでも活躍するHero(ヒーロー)

さらにHeroは2017年からはダカールラリーにも参戦しており、KTMグループやホンダなど優勝争いを繰り広げるトップグループに続く成績で、2022年には初のステージ優勝も獲得。2023年のチーム体制発表ではエースのホアキム・ロドリゲスに加えてロス・ブランチの加入も発表されており、ますます注目のチームになっているのだ。

21-18インチタイヤの本格オフロードモデル
X-PULSE200 4V

画像1: 21-18インチタイヤの本格オフロードモデル X-PULSE200 4V
画像2: 21-18インチタイヤの本格オフロードモデル X-PULSE200 4V

Hero
X-PULSE200 4V
¥369,000(税込)
カラー:マットネクサスブルー、ポールスターブルー、スポーツレッド
全長:2,222mm
全幅:850mm
全高:1,258mm
軸間距離:1,410mm
最低地上高:220mm
シート高:825mm
車重:158kg
エンジン形式:油冷4サイクルOHC4バルブ単気筒
ボア×ストローク:66.5×57.5mm
燃料供給方式:FI
排気量:199.6cc
圧縮比:10:1
最高出力:19.1PS/8,500rpm
最大トルク:17.35Nm/6,500rpm
燃料タンク容量:13L
ブレーキ:前ディスク(ABS)/後ディスク 
タイヤサイズ:前90/90-21 後120/80-18
ヘッドライト:LED

現在の日本国内のラインナップを見渡すと、200ccという排気量に少し違和感を持つかもしれない。それは日本国内では250cc以下の車検が免除されていることから多くのエントリーモデルやオフロードモデルは250ccエンジンを搭載しているからだが、少し中古市場に目を向ければ、ジェベル200やXR200など、国産車にも溢れていた排気量であることがわかる。

なお、燃料タンクは13Lあり、リアキャリアやウインドシールドも付いているため、アドベンチャーモデルとしてロングツーリングにも需要がありそうだ。最高出力や最大トルクなどを数値で見比べれば、国産250ccトレールに比べて非力なことは明らかなのだが、実際に乗ってみてそれを体感できるライダーはそう多くないだろう。それよりもこのX-PULSE200 4Vの完成度の高さに驚かされるはずだ。

自在なライディングフォームがアクセルを開けさせる

今回はこのHero X-PULSE200 4Vを輸入販売しているバイク館の試乗会に編集部・伊井が参加して、実際にこのモデルに乗ってきた。会場が教習所だったため、本格的なオフロードでの試乗はまだできていないのだが、高いポテンシャルを感じることができた。

画像1: 自在なライディングフォームがアクセルを開けさせる

まずはとにかく車体がスリムで、シッティングでもスタンディングでも足がピッタリとフレームにフィットして、ニーグリップのしやすさが抜群に良い。スペック上の重量は158kgと、それなりにあるはずなのに乗ってみるとS字のような左右のターンが連続する場面でも切り返しがとてもやりやすく、バイクを起こすとき、寝かしこむときの動作が実に軽やかだ。

ライディングフォームの自由度という点で言えば、トレールマシンだけでなく、様々なモトクロス、エンデューロマシンに常日頃から乗り慣れている僕でも全く不満を感じさせなかった。

エンジンパワーはスペックなりだが、オフロードで遊ぶことを考えれば、ゲレンデを駆け上がるようなクロスカントリーレースにでも出ない限り物足りなさを感じることはそうないだろう。逆に言えばパワーがありすぎて振り回されるレーサーモデルよりもアクセルが開けやすく、コースによっては2スト250ccよりもタイムが出てしまうかもしれない……。

画像2: 自在なライディングフォームがアクセルを開けさせる

コース内にちょっとした波状路とガレセクションがあったので入ってみたが、低速の粘りもよく、2速の低回転を使ってトコトコ走るのが実に心地よい。一度3速で速度高めで入ったらさすがにエンストしたけども……。

ストレートでは3速に入れてアクセル全開からコーナーでシフトダウンして軽いエンジンブレーキを使いながらコーナーに切り込んでいく。少し頼りなさげに見えてしまう正立フォークだったが、教習所内のホームストレートからのブレーキングなら何の不満も感じられなかった。

今回はわずか20分程度の走行枠での試乗だったが、僕はすっかりX-PULSE200 4Vの魅力にハマってしまった。これだけ作り込まれたオフロードバイクが新車で40万円前後で買えてしまうなんて、まるで20年前にタイムスリップしたかのようだ。機会があれば一日お借りして林道やオフロードコースにでも持ち込んでみたいと思う。

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