昨今全日本モトクロスを沸かせているジェイ・ウィルソン、AMAで希代の若手と言われるジェット・ローレンス。オーストラリアのオフロードライダーは近年世界を席巻している。このたび来日が決まったのはウィメンズエンデューロライダーの、ジェンマ・ウィルソン!

2013年のISDEから6年連勝、無敵のオージーウィメンズチーム

オーストラリアが輩出した有名ライダーといえば、2000年台にスーパークロスで活躍したチャド・リードが思い浮かぶが、その後2010年台に入ってからもさらに大量のオージーオフロードバイクスターが生み出されてきた。ダカールラリーのトビー・プライス、AMAスーパークロスのジェット・ローレンス、エンデューロのマシュー・フィリップスなど枚挙にいとまがない。もちろんその中には女性エンデューロライダー達の姿もあった。ジェシカ・ガーデニア、タイラ・ジョーンズ、ジェンマ・ウィルソン。彼女たちは2013年からISDE(インターナショナル・シックスデイズ・エンデューロ)で敵なしの強さを誇り、6年連続でウィメンズワールドトロフィーを獲得している。彼らは男子のワールドトロフィーに換算すると、だいたい日本を上回るレベルのスピードを持っている。

画像: ISDE2017年、フランスにて

ISDE2017年、フランスにて

あんな大国、そりゃ強いライダーが出るに決まってると思うかもしれないが、オーストラリアは国土こそ広いものの人口は日本の半分以下、3000万人に満たず、オートバイの歴史も浅い。もちろん日本のようにバイクメーカーはない。開拓者精神か、オートバイへの情熱か。オーストラリアの近年のオフロードバイクライダーたちを見れば、彼らの強さ、オートバイ文化が飛躍的に伸びた理由がわかるかもしれない。

この度、この世界最強ウィメンズの一角であるウィルソンが全日本エンデューロ選手権の最終戦、日高2デイズエンデューロへ参戦することが発表された。編集部では、2018年にウィルソンへなぜそんなに速いのか、というテーマでインタビューを試みた。

「私たちは、プロライダーとして活動してきた」

画像: 2017年のISDEフランスを取材し、そのウィメンズチームの強さに驚いた編集部は、翌年ジェンマ・ウィルソンの取材のためにオーストラリアへ飛んだ

2017年のISDEフランスを取材し、そのウィメンズチームの強さに驚いた編集部は、翌年ジェンマ・ウィルソンの取材のためにオーストラリアへ飛んだ

「オージーガールが初めてISDEに出たのは2009年のポルトガルだったと思うんだけど、私たちは最初どうしたらいいのか、何が起こるのかすらわかりませんでしたが、ISDEのすべてが新鮮でした。帰国してその次の年に向けて何をすべきかを考え、トレーニングを積んだんです。その後は3位を2回、2位を1回、そして2013年からは6年連続で1位を獲得しています。タイラーも、ジェス(ジェシカ)も、何も新しいことはしていません。チームワークはとてもよかったし、自分たちは何をしなければいけないかを、よくわかっていたんだと思います。それが成功の理由だと思います。

現役を引退した今は週2回くらいライディングする程度ですが、シックスデイズに取り組んでいた頃は週に3〜4回バイクに乗って、残りの日はエクササイズやトレーニングに費やしていました。残りの日はランニングか、自転車か……。お金はありませんでしたね(笑)。それでも私たちはプロフェッショナルのライダーとして活動することができました。ヤマハが中心になって女性のエンデューロライダーをサポートしてくれていました。少しお金も出してくれて、バイクもサポートしてくれていたから、長年プロのライダーとしてフルタイムで活動できたんです。本当に素晴らしい日々でした。

画像: オージーチームの、ジェス&タイラー。タイラーは北米へ渡り、GNCCでマルチタイムチャンピオンに。2010年後半は世界の女王と呼べる存在で、あのライア・サンツもISDEではかなわなかった

オージーチームの、ジェス&タイラー。タイラーは北米へ渡り、GNCCでマルチタイムチャンピオンに。2010年後半は世界の女王と呼べる存在で、あのライア・サンツもISDEではかなわなかった

画像1: 「私たちは、プロライダーとして活動してきた」

幼い頃は、私たち女子にはバイクで何かをするという選択肢なんてあまり無かったんです。まだまだバイクは男の子のものでした。そのうちオーストラリアで4日間のエンデューロがはじまって、その初年度に私は参加して、「これをやろう!」と強く思ったんですよ。世界選手権にウィメンズクラスがあることも知らなかったし、ISDEも強く意識したことは無かったんです。でも今は、オーストラリアから世界に挑戦するたくさんのライダー達がいるおかげで、女子にとっても目標ができました。たった10年、その10年でがらっとかわってしまったんですよね。社会が女性の活躍を後押しする動きも活発になってきました。

画像: 2018年、ジェンマを取材するために訪れたオーストラリアのDAY IN THE DIRT。ハーレーでダートのTTコースを走る競技にも、オージーガール達はこぞって参加する。かっこよすぎ!

2018年、ジェンマを取材するために訪れたオーストラリアのDAY IN THE DIRT。ハーレーでダートのTTコースを走る競技にも、オージーガール達はこぞって参加する。かっこよすぎ!

あと、オージーガールズ達は何でもできると思っているんですよ。これはオーストラリア女性特有の文化なのかもしれませんね。どんどん女性のライダーが増えています。年齢も様々で、40歳以上から始める人だっているから、ママも娘もバイクに乗ってる感じですね。ちなみに彼女たちの旦那さんはみんなバイクには乗らないんですよ? 不思議ですよね。先日私が主催した女性向けのトレールライドイベントには130名が集まりました。すごくクールでしょ? 今後は200人、いや500人を目指したいと思っています!

私は今は現役を引退してこうしてスクールを開いたり、ガールズライダーのコミュニティづくりをしています。本職は学校の講師なんですが、ダブルワークでバイクのスクール講師もしているんです。とても今幸せです!」

画像2: 「私たちは、プロライダーとして活動してきた」

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