7月19日(土)、2025 AMAプロモトクロス選手権第8戦がワシントン州にあるワシューガルMXパークで開催されました。
注目ポイント
・トップと1秒差、タイムドクオリファイを4位通過
・好スタート&ミスのない走り、2-1で総合優勝獲得
・さらに増すスタートの安定感、ディーガンを上回るセクションタイム
タイムドクオリファイではガレット・マーチバンクスが2分14秒412でトップ通過。下田はその約1秒差で4位につけました。一方、250クラスのポイントリーダーであり、第7戦で下田と激しいトップ争いを繰り広げたヘイデン・ディーガンは2分16秒034で6位。下田がラップタイムで優勢を示し、決勝レースを迎えました。
安定したスタートの良さ、後方を引き離し総合優勝獲得

Moto1(ヒート1)ではホールショットを獲得したジャレク・スウォルがレースをリード。下田は好スタートを決めてライダー・ディフランシスコ、ヘイデン・ディーガンらとともにトップを追いかけます。スウォルが1周目で転倒したことにより順位が変わり、ディフランシスコ、ディーガン、下田という順でレースが進行。また、2周目にはディーガンがディフランシスコとトップ争いを繰り広げるなか、ジャンプで横並びになった際に接触しディフランシスコが転倒。序盤でディーガンと下田の2トップが確立されました。下田はディーガンと約2〜3秒差をキープし、レース時間15分が経過したころでその差をじわじわと詰めていきます。接近戦になるかと思われましたが、ディーガンも負けじとペースを上げて再び4秒ほど差が開きます。下田は最後まで追いかけますが、そのままの順位でゴール。ディーガンが優勝を獲得し、2位に下田、3位にマーチバンクスが入賞を果たしました。

Moto2(ヒート2)でも下田はスタートで前に出ると、ホールショットを獲得したセス・ハマカーに続いて2番手でレースを進めます。ハマカーとの差は1秒を切っており、2周目にはトップに浮上。その後さらにペースを上げて単独走行へと持ち込みます。一方、ディーガンはスタートで出遅れ、さらに序盤のミスのよって6番手から追い上げを強いられます。着実に前のライダーをかわしレース終盤で2位に浮上しますが、下田はディーガンを上回るペースで周回を重ね、2人の差は15秒以上離れた状態でフィニッシュ。結果、下田が最後までミスなく走り切り1位、2位ディーガン、3位ハマカーという順位でレースを終えました。
総合順位は2-1で下田が優勝を獲得。2位にディーガン、3位にマーチバンクスが入賞しました。なお、下田が2-1、ディーガンが1-2という結果に終わったため、ポイントランキングの差に変動はなく、45ポイント差を維持しています。
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450クラスは、Moto1でホルヘ・プラドとジェット・ローレンスが良いスタートを切る中、チェイス・セクストンがイン側から抜け出し序盤からレースをリードしました。ジェットはプラドをかわして2位に浮上しましたが、コーナーでスリップしたことで3位に後退。イーライ・トマックが2番手に浮上し、そのままの順位でフィニッシュとなりました。続くMoto2は今年最高のレースとも評されるほど激しい展開を見せました。ハンター・ローレンスがホールショットを決めると、ジェット、トマック、セクストンが後に続き激しい上位争いを展開。しかしレース開始9分が経ったところで赤旗によりレースが中断、再スタートとなりました。再開後は中断された時点での1位から順にスタート。ジェットがレースをリードし、ハンターをかわしたセクストンが2位、イーライ・トマックが3位でゴールを果たしました。

なお、これまでジェットが毎戦総合優勝を獲得してきましたが、今回セクストンが総合優勝を手にしたことでその連勝記録がストップ。さらに、2023年以降のプロモトクロス選手権450クラスにおいて、ジェットを総合結果で打ち負かしたのは彼が唯一ということで、歴史的な結果となりました。
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youtu.be増していくスタートの安定感、ディーガンを凌駕するスピード

今シーズンの下田を振り返ると、序盤こそスタートで出遅れることがあったものの、第5戦あたりからスタートで前に出て5番手以内からポジションを上げていくという展開が続いています。今大会も下田は両ヒートともにスタートで前に出て4番手以内につけており、スタートの安定感が増していることがわかります。なお、第5戦サウスウィック後にホンダとマシンテストをしたとのことですが、これについてレース後の会見で「一度チューニングをしただけで、それ以降特に変更していない」とコメント。特別なことはしていない様子でした。
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また、ラップタイムとセクションタイムを見ると、優勝したMoto2では全6セクション中5セクションで最速タイムを記録し、圧倒的な速さを示しています。さらに、Moto1では優勝したディーガンがベストラップタイムを記録していますが、セクションタイムを見ると下田が6セクション中4セクションでディーガンのタイムを上回っています。これまでディーガンとの比較で顕著に見られたラップタイムの安定性に加え、各セクションでの速さも示され、ディーガンを凌駕する勢いは止まりません。
次戦は2週間のインターバルを経た、8月9日(土)、アメリカのインディアナ州にあるアイアンマン・レースウェイにて行われます。