
記録に彩られたセントルイスの勝利、最終戦ラスベガスとは
下田は第2戦セントルイスで総合優勝を果たし、ランキング首位に立ちました。この勝利は通算11回目のSMXリーグ優勝となり、歴代66位タイに並ぶものです。さらに250SMXプレーオフでは2勝目を挙げ、複数回の勝利を記録した史上2人目のライダーとなりました(もう1人はヘイデン・ディーガンで4勝)。また、250プレーオフで通算6回目の表彰台に上り、プレーオフでのトップ5入りは8戦連続。100%の確率で上位を守ってきた唯一の存在です。
今回最終戦の舞台となるラスベガスはモトクロスとスーパークロスの歴史において特別な会場です。1985年にはラスベガス・モトクロスパークで125ccクラスのレースが初開催され、ロン・ラシーンが唯一のチャンピオンシップを獲得しました。1990年にはサム・ボイド・スタジアムで250SXクラスの初戦が行われ、ジェレミー・マクグラスが初勝利を飾っています。1997年から始まったデイブ・クームスSr. イースト/ウエスト・ショーダウンでは、ケビン・ウィンダムをはじめ、リッキー・カーマイケルやトラビス・パストラーナ、ジェームズ・スチュワート、ライアン・ダンジーらが勝利を重ねてきました。そして2025年のファイナルは、250クラスとして通算40回目のラスベガス開催となり、歴史的な節目に位置づけられています。
現在のランキングとタイトル条件
第2戦終了時点でのポイントは下田が92点、ヘイデン・ディーガンが82点、セス・ハマカーが78点、トム・ヴィアルが67点。ラスベガス最終戦は三倍ポイント制で、優勝75点、2位66点、3位60点が与えられます。下田は総合2位以上を確保すれば、ディーガンが優勝しても逆転されず、自力でタイトルが決まります。
Moto別シナリオ
下田のMoto1・2 | 総合順位 | ディーガンの成績例 | タイトル行方 | |
1位・1位 | 総合1位 | ディーガンが2位以下 | 下田が完全優勝でタイトル | |
2位・2位 | 総合2位 | ディーガンが1-1 | 下田が総合2位でタイトル確定 | |
1位・3位 | 総合2位 | ディーガンが1-2 | 下田がタイトル確定 | |
3位・3位 | 総合3位 | ディーガンが1-1 | ディーガンが逆転可能 | |
2位・5位 | 総合4位 | ディーガン優勝 | 下田が逆転を許すリスク |
大会スケジュール(現地時間 土曜日/日本時間 日曜日)
イベント | 現地時間(PDT)9/20 | 日本時間(JST)9/21 |
予選開始 | 13:20 | 5:20 |
250 Moto1 | 19:00 | 11:00 |
450 Moto1 | 19:40 | 11:40 |
KTM Junior Race | 20:25 | 12:25 |
250 Moto2 | 20:50 | 12:50 |
450 Moto2 | 21:30 | 13:30 |
テレビ・配信は、米国ではRace Day Liveが16:30 ETから、プレショーは21:30 ET、ゲートドロップは22:00 ET。日本からはSMX Video Passでのリアルタイム視聴が可能です。
SMXリーグ通算11勝、250プレーオフでの安定感、そして歴史的なラスベガス開催。全ての条件が重なったこの最終戦で、下田丈は日本人初の世界タイトルを懸けてスタートゲートに立ちます。優勝すればもちろん、総合2位でも十分にタイトルは手に入る状況です。舞台は40年の歴史を持つラスベガス。記録と記憶の交差点で、下田がその名を刻めるか。ファンの視線はただ一人、日本人チャンピオン候補に注がれています。