
GSの本質を凝縮したミドル・クラス・モデル

新型F 450 GSは、BMW GSファミリーの新たなステップとして開発されたミドル・クラスの戦略モデル。日常用途からツーリング、スポーティな走行、さらにはオフロードまでをカバーする高い汎用性を備えるとしています。ダウンサイジング志向が高まる潮流の中で、軽快なハンドリングと高い運動性能、最新テクノロジーを求める幅広いライダーに向けた1台、というのがBMW側の位置づけです。
新開発の並列2気筒エンジン

エンジンは完全新設計の並列2気筒。最高出力は35kW(48hp)/8,750rpm、最大トルクは43Nm/6,750rpmを発揮します。135度クランクピン・オフセットとバランス・シャフトを採用することで、振動を抑えながら鼓動感のあるフィーリングを引き出している、というのがBMWの説明。燃費性能は約26.3km/L、14L燃料タンクと組み合わせて約350km以上の航続距離を確保するとしています。
革新技術「Easy Ride Clutch(ERC)」

本モデルの大きな特徴として、新たに開発された「Easy Ride Clutch(ERC)」が挙げられます。遠心クラッチを進化させたシステムで、発進、変速、低速走行、そしてオフロード走行時においてクラッチ操作を不要とし、操作性と快適性を大幅に向上させる仕組み。さらに「Shift Assistant Pro」との組み合わせにより、クラッチ操作なしでのシームレスなシフトチェンジを実現するとしています。
GSシリーズで初めてとなる自動クラッチ系の機構の搭載で、街乗り渋滞での疲労軽減はもちろん、オフロードの低速トリッキーセクションで「足を着きやすい」「半クラ操作を電子制御に任せられる」というメリットを謳っているのがポイント。GSトロフィーには標準装備、エクスクルーシブとスポーツでは非装備となります。
新設計シャシーとKYB製サスペンション

車体側は新設計のスチール・チューブラー・フレームで、軽量かつ高剛性を実現。フロント側の足まわりにはKYB製の倒立フォークを装着し、リア側には高いねじり剛性を確保したアルミ製スイング・アームとKYB製モノショックを組み合わせています。
GSシリーズらしくオン/オフ両用を意識した足まわりですが、ユニットを日本メーカーKYBで固めているところは、メンテナンスや消耗品供給を含めて国内ユーザーには心強いポイント。
3モードのライディング・モードと電子制御パッケージ

ライディング・モードは「Rain」「Road」「Enduro」の3つから選択可能で、路面状況やライダーの好みに合わせて走行スタイルを切り替えられます。さらにABS Pro、DTC(ダイナミック・トラクション・コントロール)、MSR(エンジン・ドラッグ・コントロール)といった先進電子制御を標準装備。コーナリング中のブレーキングや、シフトダウン時のリアの挙動安定までを電子制御で支えるという、GSシリーズで磨き上げてきたテクノロジーをミドル・クラスにそのまま持ち込んだ格好です。
6.5インチTFTディスプレイとコネクティビティ
メーターは大型6.5インチTFTディスプレイ。DTCや制動力などの詳細情報が確認でき、走行中の通話、音楽再生、ナビゲーション利用にも対応します。コクピット・エリアには実用的なUSB-C電源も装備。フロントマスクには、GSファミリー共通のアイコンとなりつつあるX型デイライトのLEDヘッドライトを採用しています。
3グレード展開、装備の違い
国内導入される3グレードは、装備とサスペンションで以下のように差別化されています。
エクスクルーシブはコスミック・ブラック仕様で96万1,000円。ギアシフト・アシスタント・プロ、ライディング・モード・プロ、ブラックのハンド・プロテクターを装備。ツーリング志向のエントリー寄りグレードです。
スポーツはレーシング・レッド仕様で98万4,000円。エクスクルーシブの装備に加えてスポーツ・サスペンションを備え、スポーティな走行に振った構成です。
GSトロフィーはレーシング・ブルー・メタリック仕様の最上位グレードで103万3,000円。スポーツ・サスペンションに加えて、エンジン・アンダーガード(アルミニウム製)、ホワイトのハンド・プロテクター、ラリー・スモーク・ウィンドウ・シールドが奢られ、そして注目のEasy Ride Clutch(ERC)が標準装備となります。本格オフロード志向のフラッグシップで、Off1読者なら最初に候補に挙げたい1台です。
なお、コスミック・ブラックとレーシング・レッドのエンジン・アンダーガードは樹脂製、ウィンドウ・シールドはクリアタイプとなる点も合わせて押さえておきたいところ。
5月19日受注開始、9月以降納車
予約注文受付は2026年5月19日からBMW Motorradの専用ウェブサイトでスタート。納車は2026年9月上旬以降の予定です。GSファミリーの末弟ながら、ERCという革新機構を中心に、装備と電子制御をフルで盛り込んだ「妥協のないコンパクトGS」として仕上げてきたあたりに、BMWの本気を感じる新モデル。R 1300 GSやF 900 GSへ進む手前の現実解として、あるいはセカンドバイクとしての本格ミドルADVとして、選択肢の幅を大きく広げる1台になりそうです。
BMW Motorrad
F 450 GS(エクスクルーシブ/スポーツ/GSトロフィー)
961,000円〜1,033,000円(メーカー希望小売価格・消費税込み・グレードにより異なる)










