カワサキUSが2027年モデルとして、フラッグシップ4ストモトクロッサー「KX450F」を新設計アルミ・ペリメーターフレームでフルモデルチェンジ。さらに250クラスの「KX250F」もエンジン、クラッチ、サスペンション、フロントエンドのスタイリングまで広範囲に手を入れて同時刷新した。両モデルともに新しいタグライン「THE BIKE THAT BUILDS CHAMPIONS(チャンピオンを育てるバイク)」を冠する。米国希望小売価格はKX450FがUSD 10,299、KX250FがUSD 8,599
KX450Fはフレームから一新。完全新設計のアルミ・ペリメーターフレーム+ホイールベース延長
今回のKX450Fで最大のニュースは、新設計の軽量アルミ・ペリメーターフレームと、それに合わせて再設計されたスイングアーム、そしてホイールベースの延長である。ロングホイールベース化によってリアエンドのトラクションと直進安定性、走行コントロール性が向上し、最適化された剛性バランスによってフロントエンドの落ち着いたフィーリングが、シャープなコーナリング性能につながるとされる。

2027モデル

2026モデル

長さだけでなく形状も変更された27MY
足回り側のもうひとつの大きなトピックがブレーキ。新型KX450Fは前後ともBrembo(ブレンボ)製キャリパー+マスターシリンダーを採用する。フロントにはステンレスメッシュ・ブレーキホースを組み合わせて、タッチとコントロール性を鋭く立ち上げる。さらにリア側にも新設計のブレンボコンポーネントが奢られ、コーナー進入の挙動をスムーズに整えて、より速いコーナリングを実現するとしている。

49mm Showaフォーク+New Uni-Trak®
サスペンションは前後ともSHOWARD製で構成される。フロントには49mm径の倒立コイルスプリング・フォークを採用し、ショック吸収性向上のためにサスペンションセッティングが最適化されている。内部のバルビング、アジャスター、油面まで細かくチューンされ、ファクトリーモトクロッサーと同径のラージインナーチューブによって大径ダンピングピストンを採用、スムーズな動きと粘る減衰特性を両立する設計だ。

リア側はアップデート版の「New Uni-Trak®」リンク式サスペンションを採用し、ハイ/ロー独立のデュアルレンジ・コンプレッション、リバウンド、プリロードすべてを調整可能なShowa製リアショックを組み合わせる。リアホイールの最適なダンピングとトラクションを引き出す方向で煮詰められている。
エンジンは吸排気系を見直し、ミッド〜ハイRPMでよりアグレッシブに
KX450Fのエンジンは、吸排気システムを刷新し、FI(燃料噴射)セッティングを最適化することで、より攻撃的なフィーリングと、ミッドからハイRPMでの強いパワーを狙った。最適化された燃料噴射セッティングによって、コーナー立ち上がりでのプル感が体感できるレベルで向上。長いストレートでもハイエンドのパワーが伸び続ける。どのブランドも同じだが、新しい音量規制にパワー特性の変更を余儀なくされる中、どこまでパワー感を煮詰めてきたのか興味深いところ。


また、次世代スマートフォンアプリ「RIDEOLOGY THE APP KX2」にも対応。直感的なエンジンマッピング、ローンチコントロール/トラクションコントロールの拡張設定機能を備え、エンジンモニタリング、GPSユニット経由のトリップログ記録、メンテナンスリマインダー、そしてKX FIキャリブレーション機能(燃料供給と点火時期の調整)まで、アプリ内で完結できる構成。
左ハンドル側の「M」ボタンで切り替えるパワーモードは、Normal/Mildの2モード構成。初期設定では同じマップだが、RIDEOLOGY THE APP KX2を介してそれぞれ別マップを書き込み、選択できるようになっている。
Kawasaki TRaction Control(KTRC)も同様にハンドル左側「T」ボタンで操作。Mode 1/Mode 2/OFFから選択でき、各モードの介入レベルもアプリ経由で個別にセットアップできる。さらにMボタンとTボタンを同時押しすることでローンチコントロール・モードを起動でき、3段階の介入レベルと、レブリミット設定をアプリで調整可能だ。
KX250Fは広範な熟成
一方のKX250Fは、フレームこそ既存のアルミ・ペリメーターフレームを継続するものの、エンジン、クラッチ、サスペンションセッティング、フロントエンドのスタイリングまで、広範に手が入った熟成型アップデートとなる。

エンジン側では、エキゾーストパイプを延長し、FIセッティングを最適化することで、低回転域のトルクを増強。あわせて吸排気レイアウトの見直しによって、回転域全体でのパワーフィールを強化している。フィンガーフォロワー式バルブ駆動、ダウンドラフト・インテーク、デュアル・インジェクター、アライメントの取れたインテークとセンター直線レイアウトのエキゾーストポートという、レース仕様の構成は継続される。
KX250Fのもうひとつの注目アップデートが、油圧クラッチの容量アップだ。クラッチ容量を増やすことでスリップを抑え、リアタイヤへのパワー伝達を直接的にし、加速時のドライブ感を強化する方向の改良とのこと。

サスペンションは前後ともShowa製を継続しつつ、地面追従性(グランドホールディング・パフォーマンス)向上を狙ったセッティング変更が施されている。コンディションが周回ごとに変わるレースで効いてくる、地味だが効果の大きい改良だ。
フロントゼッケンを刷新、ブレーキホースもナンバープレート裏へ
KX250Fのスタイリングでは、フロントエンドのデザインを刷新。新設計のフロントナンバープレートとフェンダーを採用し、よりスリークでマス・セントラライゼーションを意識した外観に仕上げている。ブレーキホースをフロントナンバープレート裏側に通すことで、フロントマスク周りがクリーンになった点もマニアックな改善ポイントだ。
なお、両モデルともERGO-FIT®によるハンドル4ポジション/フットペグ2ポジションの調整機構、ODIロックオン式グリップ、エアフィルターアクセス用クイックリリース式サイドカバーといった、KXシリーズ共通の現場目線の装備は継続される。KX250Fのスマホ連携は従来世代の「RIDEOLOGY THE APP KX」となり、次世代「KX2」が載るのはKX450Fのみという点で、450Fが今回のラインアップの主役であることが明確になっている。
価格は2027年モデルでKX450FがUSD 10,299、KX250FがUSD 8,599。KX450Fは「AVAILABLE LATE 2026」とアナウンスされており、デリバリーは2026年後半が予定される。日本市場への導入については、米国カワサキの発表時点ではアナウンスされておらず、カワサキモータースジャパンからの続報を待つことになる。
主要スペック比較
| モデルイヤー | 2027(New 2027) | 2027(New 2027) |
| エンジン形式 | 水冷4ストローク単気筒 | 水冷4ストローク単気筒 |
| 排気量 | 449cc | 249cc |
| 燃料供給 | 電子制御燃料噴射(FI、リバイズドセッティング) | 電子制御燃料噴射(FI、デュアルインジェクター/上流+下流) |
| バルブ駆動 | ─ | フィンガーフォロワー |
| スタータ | エレクトリック | エレクトリック |
| クラッチ | 油圧式(コーンディスクスプリング) | 油圧式(容量アップ) |
| フレーム | 新設計アルミ・ペリメーター(ホイールベース延長) | アルミ・ペリメーター(継続) |
| フロントサス | Showa 49mm倒立コイルスプリング・フォーク(ファクトリースタイル、大径ダンピングピストン) | Showa 49mm倒立コイルスプリング・フォーク(セッティング刷新) |
| リアサス | New Uni-Trak®/Showaリアショック(ハイ・ローデュアルレンジ・コンプ/リバウンド/プリロード調整可) | New Uni-Trak®/Showaリアショック(セッティング刷新) |
| フロントブレーキ | Brembo製キャリパー+マスターシリンダー、ステンメッシュホース | Nissin系(継続)/詳細はメーカー発表参照 |
| リアブレーキ | Brembo製コンポーネント(新規) | Nissin系(継続)/詳細はメーカー発表参照 |
| パワーモード | Normal/Mild(2モード、左ハンドル「M」ボタン/アプリで個別設定) | Normal/Aggressive(2 ECUマップ、左ハンドル「M」ボタン) |
| トラクションコントロール | KTRC:Mode 1/Mode 2/OFF(アプリで介入レベル設定) | KTRC:Weak/Strong/OFF |
| ローンチコントロール | アップデート版(3段階介入、レブリミット設定可、アプリ調整) | 標準装備 |
| スマホ連携アプリ | RIDEOLOGY THE APP KX2(次世代/FIキャリブレーション対応) | RIDEOLOGY THE APP KX(マッピング変更対応) |
| GPSユニット | フロント部に搭載/トリップログ・GPS記録対応 | ─ |
| エルゴノミクス | ERGO-FIT®(ハンドル4ポジション/フットペグ2ポジション) | ERGO-FIT®(ハンドル4ポジション/フットペグ2ポジション) |
| グリップ/バー | ODIロックオン式グリップ | ODIロックオン式グリップ |
| エアフィルター | クイックリリース式サイドカバー(工具不要) | クイックリリース式サイドカバー(工具不要) |
| スタイリング | 新作スリムシュラウド/新シート/アスレチック新デザイン | フロントマスク刷新/ブレーキホース内側ルーティング |
| 米国希望小売価格 | USD 10,299 | USD 8,599 |
| デリバリー | 2026年後半(AVAILABLE LATE 2026) | 2027年モデルとして展開 |
| 日本導入 | 未発表 | 未発表 |

Kawasaki
KX450F(2027年モデル)
USD 10,299(米国希望小売価格/日本導入は未発表)

Kawasaki
KX250F(2027年モデル)
USD 8,599(米国希望小売価格/日本導入は未発表)










