ドゥカティが初のエンデューロ専用モデル「Desmo450 EDS」を正式発表しました。日本での販売価格は1,737,000円(税込)、欧州での発売は2026年7月から主要ディーラーで開始され、以降順次グローバルに展開されます。開発には、エンデューロ世界選手権複数回チャンピオンであり欧州スーパークロスチャンピオンのアントワン・メオがテストライダーとして参画。エンジンの出力特性とサスペンションのセッティングを、エンデューロ専用に詰めた1台です

クラス唯一のデスモドロミック449.6ccをエンデューロ用に再調整
エンジンは水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒、排気量449.6cc、ボア×ストローク96×62.1mm、圧縮比12.9対1。エンデューロカテゴリーで唯一のデスモドロミック動弁系というのが、Desmo450 EDS最大のアイデンティティです。
ベースはモトクロス仕様のDesmo450 MXですが、スロットルボディはMXの44mmから42mmへ縮小、ピストンの圧縮比をやや下げ、専用カムシャフトとエキゾーストを組み合わせています。クランクシャフトとフライホイールの慣性力を高める方向で低中速トルクの粘りを引き上げる方向とのこと。

トランスミッションはエンデューロのお作法通り6速。エンデューロ用にギア比を再設計しており、1速はテクニカルセクション向けに短く、6速は長距離トランスファー向けに長く設定。中間ギアも、低速コーナーでデスモ450のトルクを使い切れる比率に再設定。クイックシフター(アップのみ)も標準装備です。
クラッチは多板油圧式で、Desmo450 MXより軽い操作力に設定。長丁場のレースでのライダー疲労低減を狙ったセッティングです。バルブカバー、点火カバー、クラッチカバーは、MXのマグネシウム製からアルミ製に変更され、岩や障害物への耐衝撃性が高められています。
アルミペリメターフレームは11部品・9kg以下
フレームはDesmo450 MX譲りのアルミペリメター構造をベースに、エンジンマウントの剛性をエンデューロ向けに作り直したもの。鋳造、鍛造、押出材を組み合わせており、わずか11部品で構成されているという点もモトクロスと同様です。総重量は9kg以下で、ステアリングヘッドから上部ショックマウントまでをワンピース鋳造でまとめる技術はパニガーレV4などのスーパーバイクと同じ手法。
このフレーム内に8.5Lの半透明燃料タンクを挟み込むいわゆるツインチューブ形状、タンクは残量を外側から確認できる構造になっています。MY27のサイドパネルとシートはタンク拡大に合わせて再設計され、エルゴノミクスが損なわれないよう配慮されています。
サスペンションはフロントがShowa Ø49mm倒立フォーク、リアがShowaモノショック、ともにフルアジャスタブル仕様。フォークアウターチューブにはカシマコーティングが施されています。フロントフォークは、メオとテストライダーが参加して開発されたエンデューロ専用品で、Showaにとってもエンデューロ向け初のフォークになります。Desmo450 MXより柔らかいスプリングと組み合わされ、岩や木の根といったエンデューロ特有のギャップ吸収性、コーナー進入での安心感、ローピー&テクニカルセクションでのコントロール性を高める方向にチューンされています。
Brembo+Galferのブレーキシステム
ブレーキはBremboとの共同開発。フロントは2ピストンフローティングキャリパー、リアはシングルピストンキャリパー、ディスクはGalfer製でフロント260mm、リア240mm。ブレーキパッドはエンデューロ走行のモジュレーション要件に合わせて専用設計されています。
ホイールはタカサゴエクセルのアルミリムとAlpinaスポークの組み合わせで、フロント1.60×21、リア2.15×18。チェーンはDIDです。
Racing Kitとは
電子制御の最大トピックがDucati Traction Control(DTC)です。Desmo450 EDSはDucati Performance Racing Kitを認定ディーラーで装着することで、エンジンマップ用切替スイッチに加え、エンデューロカテゴリーとしては新しいDTCが動作するようになります。
DTCはリアホイールの実スピン量を見て介入量を計算する制御で、ドゥカティによると、エンデューロでこの方式の本格的なトラクションコントロールはDesmo450 EDSが初。FIMの規程ではモトクロス車両のホイールのスピードセンサーは禁止されているため、モトクロスでは使えない機能。ほとんどのエンデューロバイクはモトクロッサーをベースにしていることで、こういった部分もモトクロスの規程に準じてきたのですが、おそらくDucatiではエンデューロ専用に作り込んできたということなのでしょう。介入レベルは4段階で、上位2レベルが速いライダー向け、下位2レベルがビギナー向けという作り分けとのことで、これもこれまでのエンデューロバイクには見られないもの。
加えてジャンプ中の挙動を検出して自動でDTCをOFFに、さらにライダーがクラッチレバーを軽く引くことで一時的にDTCをOFFにするとのことで、ジャンプやウィリー、フルパワーで攻めたい瞬間を制御が邪魔しない設計になっています。
Racing Kit装着時にはさらにLaunch Control、Engine Brake Controlも有効化され、2つのRiding ModesをDucati X-Linkアプリ(Wi-Fiモジュール経由でバイクと接続)でフルカスタマイズできます。Power Modesは2モードを標準で備えます。
冷却系はMXから見直された菱形ラジエターを引き継ぎ、ラジエーター面積を6.5%拡大しつつコンパクトなパッケージを維持。電動ファンを統合することで、テクニカルな低速セクションでも安定した冷却を確保します。
X-Linkというアプリと連動するアダプティブメンテナンス
サービスインターバルもおもしろい試み。MID Service(ピストン交換、バルブクリアランスチェック)が90〜120時間、FULL Service(エンジンフルオーバーホール)が180〜240時間。実走時のエンジンストレス指数を専用アルゴリズムが算出し、X-Linkアプリ上で動的にインターバルが更新される仕組みです。プロライダーには短く、アマチュアには長く、というように使い方に合わせた間隔が提示されます。
Desmo450 EDS 主要スペック
| モデルイヤー | MY27 |
| エンジン形式 | 水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒(デスモドロミック) |
| 排気量 | 449.6 cc |
| ボア×ストローク | 96 × 62.1 mm |
| 圧縮比 | 12.9対1 |
| 燃料供給 | 電子制御FI/Mikuni Ø42 mmスロットルボディ |
| トランスミッション | 6速/Quick Shift(アップのみ) |
| クラッチ | 多板油圧式(MXより軽い操作力) |
| カバー類 | バルブ/点火/クラッチカバー=アルミ製 |
| フレーム | アルミ溶接ペリメター(11部品、9kg未満)、8.5Lタンク内包 |
| フロントサス | Showa Ø49 mm倒立/ストローク310 mm/フルアジャスタブル/カシマコーティング |
| リアサス | Showaモノショック/ストローク301 mm/プログレッシブリンク/フルアジャスタブル |
| ブレーキ | Brembo(フロント2ピストン浮動/リアシングルピストン)、Galferディスク(フロント260 mm/リア240 mm) |
| ホイール | タカサゴエクセル+Alpinaスポーク(フロント1.60×21/リア2.15×18) |
| 燃料タンク | 8.5 L、半透明 |
| 冷却 | 菱形ラジエター(MX比6.5%面積増)+電動ファン統合 |
| 電子制御 | 2 Power Modes標準、Racing Kit装着で2 Riding Modes/DTC(4段階)/Launch Control/Engine Brake Control、X-Linkアプリ連携 |
| ライティング | フルLED |
| メンテナンス | MID Service 90〜120時間/FULL Service 180〜240時間、X-Linkで動的算出 |
| カラー | Ducati Red |
| 装備重量(燃料抜き) | 110.5 kg(Racing Kit/Akrapovičフルエキゾースト仕様値) |
| 欧州発売 | 2026年7月(主要ディーラー)、以降グローバル展開 |
| メーカー希望小売価格(日本) | 1,737,000円(税込) |
| 走行制限 | 公道走行不可 |
Ducati
Desmo450 EDS(MY27/エンデューロ専用)
1,737,000円(メーカー希望小売価格/税込)
カラー Ducati Red
欧州デリバリー 2026年7月から










