開発責任者の森田氏は、このアフリカツインに関して説明し始める際に、まず前置きをした。「正直に申し上げまして、当初私は排気量アップには否定的でした。出力は上がりますが、同時に重量が増えてしまうことを懸念したためです。私にとって軽さはバイクの最も重要な要素であり、それを失ってまでの出力アップは必要ないと考えておりました。しかし、検討を進めていく中で、各部の最適化をおこなうことにより、排気量アップをしながらも軽量化ができる見通しが立ったのです」と。
![画像1: 新アフリカツインをめぐる冒険 vol.3 「数値上の4kgを上回る軽さ。新アフリカ真の武器は車体にあり」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783375/rc/2019/12/16/52b719fcf83ba285caaccb5a309627d3fc7e4c1a_xlarge.jpg)
テスターは、Off1.jpでおなじみ和泉拓。初期型のCRF1000L発表時もメディア試乗会に参加しており、その時からアドベンチャーバイクに傾倒。以来、ホンダ、KTM、BMWなど様々な車種を乗り換えてアドベンチャーバイクへの造詣を深めてきた。エクストリームバイクの日本の第一人者であり、重量級バイクを扱う手腕に優れる
![画像2: 新アフリカツインをめぐる冒険 vol.3 「数値上の4kgを上回る軽さ。新アフリカ真の武器は車体にあり」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783375/rc/2019/12/16/c5256809ed23aba8b03c297b97765a55bd4b65ab_xlarge.jpg)
「ステップの踏み込みが軽い」
新アフリカツインを降りて、和泉の第一声は「すぐわかるレベルで軽い」だった。「直前に、2019年モデルのアフリカツインに乗る機会があったので、ちゃんと比較できているはずです。前モデルと比べて、軽さをしっかり感じ取れる。あくまでフィーリングだけど、ロード性能を高めたアドベンチャースポーツが、スタンダードモデルと同じくらいの軽さになりました。
![画像: まさに軽々…一発目のトライで、きっちりバンクに当てきれる「フレンドリーさ」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783375/rc/2019/12/16/3f7ab8c031c2665ec17f6998ad452acec4758386_xlarge.jpg)
まさに軽々…一発目のトライで、きっちりバンクに当てきれる「フレンドリーさ」
19年モデルは、スタンダードモデルでもアドベンチャースポーツらしい、ツアラー感があったけど、この新型はスタンダードモデルのオフロードへの割り切り感がめだちます。それは、軽さから来るモノかもしれない」と和泉は言う。
![画像: エンジン重量はマニュアルトランスミッション(以下MT)タイプで -2.5kg、Dual Clutch Transmission( 以下 DCT)タイプで-2.2kgの軽量化を達成](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783375/rc/2019/12/16/72e04dbfb9f4772fee5837a5b31d076f050a6b14_xlarge.jpg)
エンジン重量はマニュアルトランスミッション(以下MT)タイプで -2.5kg、Dual Clutch Transmission( 以下 DCT)タイプで-2.2kgの軽量化を達成
旧モデル比で、4kgの軽量化を達成しているアフリカツインだが、そのカラクリは徹底した構成の見つめ直しにあった。サブフレームのアルミ化、アルミスレーブの採用、ギヤまわりの見直し。だが、おそらくその和泉が感じた軽さは、その4kg分だけではなかったのではないか。