鈴木健二は、滑らないことを大事にする
「走る」ことを職業に選んでいる鈴木健二にとって、長時間のライディングは日常茶飯事。特に、マシンテストが続くと、肉体的にもかなりキツイ。だからこそ、鈴木は数十年かけていかに快適にマシンに乗れるかを、考えてきた。
たとえば、マディの日の軍手だ。ただいたずらに「すべらないからいい」というのではない。「軍手は、握るだけで絞れて、すぐにグリップ力が回復します。なお、軍手は必ず綿、そして滑り止めのゴムがないものを使うべきです。ゴムは、マディの泥で滑ってしまいます」とノウハウ自体も深い。
特に滑ることを嫌う鈴木健二のノウハウで有名なのは、このMTBのタイヤを貼り付けたシートだ。これほどまでにグリップするシートはない。「絶対に身体が、加速時にずれないんですよ」と。
だが、このクロコダイル的シート、当然お尻には優しくない。
定番のワセリンより、気持ち悪くない
これまでは、そのお尻の保護にワセリンを使ってきたという鈴木。オフロードバイクの尻痛は、大きく分けて2種類ある。1つは、尻の座骨とシートで、尻の肉が圧迫されてうっ血してしまう痛さ。もう1つが、シートとの擦れで、お尻が擦過傷になってしまう痛さだ。後者は、ひどいとお尻の穴まで痛くなり裂傷を引き起こす。
多くのライダーは、この対策としてワセリンを使ってきた。摩擦を低減することで、お尻自体が擦れづらくなる。特にラリーライダーには定番のノウハウだ。
このお尻の痛み防止に、プロテクトJ1を使う。ワセリンでも十分な効果があるものの、鈴木は「ワセリンだと、常にぬるぬるしてしまって気持ち悪いですよね。経験のある人も多いと思います。プロテクトJ1は、乾いて効果があるから、気持ち悪さはありません。そこがいいですね。
当初はあまり量を塗らなかったのですが、使い慣れてくるとある程度多めに使った方が効果があることがわかりました。
あと、プロテクターをインナーに着用するときに、擦れが気になるのでコンプレッションウェアを着るじゃないですか? でも、あれって酷暑だと暑さの原因にもなるので、あまり使いたくないんです。裸にプロテクターをしても擦れて痛くならないなら、すごくいいなと思って期待しています。今度試してみたいと思っています」とのこと。